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    りら@ぽいぴく

    @Rirabro

    でみめん・ぽけ剣盾みずとかげあたりを書いたり作ったりします。
    基本的に支部に投稿する前段階のものとか投げたりします。
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    りら@ぽいぴく

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    実家で昔飼っていた鳥のおはなし

    #鳥の話
    #エッセイ
    essay

    キイロとミドリの話、あるいは女王様と従者の話昔々、あるところに鳥を飼う家がありました。

    コザクラインコのタイガーチェリー雌で
    美しい黄色の羽と赤い目を持つ、人間から見ても美人のキイロは、
    雛から(母が)育てましたが、それはそれは気性が荒く、
    育ての母以外は生物から無機物まで総てを乱暴に扱い、
    気に入らなければ鬼の形相で噛みつきまくる、超女王様でした。

    そこに、一匹では可哀想と同じコザクラインコ雄で
    鮮やかな緑と青の羽を持ち優しい黒い目を持つ、ミドリがやってきました。
    これも雛から(母が)育てましたが、同一種族かと思うくらい、
    性格は穏やかで決して嘴を向けず、後に生まれた子供達にも威嚇される
    くらいおとなしく、それでいて人間の言葉も教えれば教えただけ覚え、
    反対に余計な言葉は覚えず、そして何よりキイロに献身的で一途な、
    ただ一点を除けば、パーフェクトな鳥でした。

    もう本当に一目惚れ状態で、ミドリは最初からキイロにべったりで、
    育ての親よりもキイロを大事にし、常に寄り添い、寄り添ってはキイロに邪険にされ、
    突き飛ばされ、噛まれそうになり、それでも常に餌をかみ砕いては給餌を行う、
    常に求愛行動をする状態でした。

    それで卵も生まれるようになり、何羽か育ったものは親戚や知り合いで欲しい人に
    譲ったりしていたんですが、……これが卵が延々延々生まれるんですよ。
    そしてあんなにふてぶてしい女王様がですね、相変わらず乱暴だったので、
    元気ではあったのですが、どんどん痩せていくのです。

    はい。
    ミドリの唯一の欠点は、絶倫だったのです。

    これはいけないと思った私たちは、籠の中に仕切るための仕切りを設置しました。
    急遽作った段ボールではミドリの努力により夜中の内に突破され、
    朝起きたら寄り添い合っていました(キイロは怒っていました)

    今度はちゃんとした仕切り網のようなものを設置しました。
    これも愛の力で乗り越えました(どうくぐり抜けたのかは謎)。
    仕方がないので、とうとう籠を分けました。

    この間もその後もそうなのですが、分けたとしてもミドリはキイロの側に張り付き、
    ずっとキイロへの給餌を続けていました。
    キイロが自分で餌箱に入るのは砂浴びのように餌をまき散らす為だけで、
    餌はミドリが死ぬまでは、ミドリから貰って生きていたようなものです。
    しかし、こうキイロから明確に愛情を返されていたのかというと、
    それは人間の目にはほとんどわからないというか、
    完全にうちの母の方が愛されていた(何故なら一つも暴れずに撫でられていたりする)
    とは思うんですよね。ええ、私は歩く止まり木くらいの位置でしょうか。

    キイロとミドリが最後に一緒の籠に生まれたときの卵は三羽孵り、
    カナリヤ(薄い黄色、真っ赤な目)、サクラ(いかにもコザクラ)、
    タヌキ(全体的に緑だけれど赤い部分がくすんでいる)と名付けられました。
    カナは多分もうちょっとでアルビノだったようで、THE美少女な繊細でほっそりしていて清純そうなのにやや気が強いけれど所詮キイロの敵ではなく、
    サクラは頭が良く要領も良く、それ故余りエピソードもなく、
    タヌキはなんとなくぽちゃっとした愛嬌のあるちょっと鈍くさい子だったんですが、
    なんせ両親のキャラが立ちすぎていて、わりと普通にいい子達でした。
    捕まえるときも、掴まれたらとりあえず観念するくらいの諦めの良さもありました。

    キイロは一切諦めも妥協もせず、ひたすら暴れるし隙あらば噛みついてでも逃げる気だけれども、殺意が高すぎるので、噛みつかれたら噛み千切られるかもしれないといつも思ってました。
    ミドリはこれも賢いので籠まで追い込んだら自分から入るか、キイロのところにへばりついているので、捕まえるのは簡単でした。
    というか、頭がいいのでキイロの籠の出入り口を洗濯ばさみで挟んでおかないと、
    自分で開けて中に入り込んだりしたので、そういうところは要注意でした。

    キイロは女王様でそれまでの子もこの子達も育てないので、
    母が雛から全員育てました。乳母。もう全鳥、母が大好き。取り合いです。
    そして、それでも生みの親は子供のことが好きかというとそんなことは全くなく、
    女王様は永遠に唯我独尊であり、ミドリはそんな女王様に尽くして生きておりました。
    春琴抄ですよねー。あれも生まれた子供は養子に出して、二人だけの世界でしたから。

    籠を離されたのでもう卵は生まれることもなく、
    ということはその後はミドリも絶対思いを遂げることが出来ないわけで、
    全くミドリにキイロに尽くす道理はなくなったはずなのですが、
    そんなこと全く関係なく、籠の端にしがみついてキイロのことを凝視し、
    キイロの機嫌が良ければキイロも籠の端によって檻越しに寄り添いあい、

    あまりのロミジュリ状態だったので、たまーーーに二羽一緒の時間に離してあげることもあったのですが、キイロはミドリのことを意に止めずに自分の好きなように飛び回り、ミドリはそれに追従するという感じなので、ストーカーと呼んでましたね。
    何故に放すときは一緒に出来たかというと、キイロが全力で傍若無人だったので大丈夫だろうと。

    あるとき、ちょっと隣の部屋にいたら、キイロがすごい勢いで飛んできて、
    どうやら付いてこいという(ように見えた)ので、
    珍しいこともあるものだなと付いていくと、
    カレンダーを丸めたものの周りに飛んで、ものすごい勢いで鳴くんですよね。
    人間だったら罵倒してるのかという勢いで。
    で、それを覗いたら、ミドリが頭からはまり込んでしまって
    身動きが出来なくなってたんですよ。筒なので息とかは出来るんですが。
    で仕方がないので、カレンダーを逆さにしたらすとんとミドリが出まして、
    一目散に助けた私に礼を言うこともなく、キイロの方に飛んで行き、
    キイロにめっちゃ怒られてました。
    キイロ……、
    お前一応ミドリのことを心配する程度には気にかけてやってたんだな……ほろり。
    でも助けた私のことは誰も気にしてくれないんだな……ほろり。
    と思いました。鳥は私のことを捕まえに来る嫌なヤツだが便利マシーンだとは思っていたようです。

    で、逆のパターンもありました。
    ミドリがものすごい勢いで飛んできて、私を呼ぶので付いていくと、
    ゴミを捨てるふたの部分が三角になっていて、
    押したら戻るタイプのゴミ箱がありますよね。
    アレの上まで来ると私が目視したのを確認して、ゴミ箱に自ら飛び込んだんです。
    え?と思って、ゴミ箱のふたを取ると中にはすっかりおとなしくなったキイロとそれにぴったり寄り添うミドリがいたんですよ。
    キイロが誤ってゴミ箱に落ちてしまい、
    びっくりしてか恐怖でか、あの暴れ狂うであろうキイロがおとなしくなってしまった
    のを見て、ミドリがパニックになったんだと思います。
    で、ニンゲンを呼んできて、自分も出られなくなるとわかっているゴミ箱に飛び込み、
    キイロに寄り添っていた、と。
    愛。 それはもう愛なのでは。
    絶倫なだけなら性欲なのだな。性欲のために本能で雌に仕えてるんだな、
    と思うんですが、ミドリはもうその辺を超越して、何か説明の付かない、
    何物にも代えがたい何かをキイロの中に見ているんだな……あの女王様に。
    と思ってたんですよね。
    キイロは少なくとも自分が中に飛び込もうとはしないですよ。
    ミドリは全く躊躇なく飛び込みましたからね。中、真っ暗なので見えないのに。
    鳥を捕まえられないときは最終的に部屋の灯りを消して真っ暗にして、
    懐中電灯で照らして捕まえるんですが、暗くなると全然見えないみたいなんですよ。
    それなのに、そこに飛び込んでいくんだからすごいわと。
    たまたまその日はゴミを捨てた後だったので、中には何も入ってなくて、
    鳥が二羽ちょこんと佇んでいました。


    そういう5羽で、オスメス分けて「キイロ・カナ・サクラ」「ミドリ・タヌキ」と
    分けて飼育していました。キイロは女王様ですが、餌はミドリが給餌するので餌で喧嘩をすることはなく、他の子も雌なのでわりとおとなしくて争うこともなく、ミドリとタヌキは雄で縄張り争いがありそうですが、ミドリがキイロのことにしか興味がないので、縄張りという概念がなく、平和でした。
    一番最初に亡くなったのは、ミドリでした。
    みんな病気とかではなく、多分寿命なのです。
    ミドリが亡くなった後はキイロは自分で餌を食べるようになったのですが、
    いつもどこか探しているようで、さみしそうでした。
    逆だったら、ミドリは耐えられなかったかもしれないので、
    この順番で良かったんだろうなとは思いますが、
    それほど間を置かずキイロも亡くなりました。


    後半被るように室内犬を飼いだしたので、彼らの後は鳥を飼わなくなったのですが、
    乱暴な鳥の話を聞くとこの二羽のことをいつも思い出すのでした。

    以上、キイロとミドリの話でした。
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    MOURNING【感想】仮面ライダーエグゼイド_6話
    各話ごと、キャラごとに気になったこと、感じたことを好き勝手書いていきます。
    ※26話まではすでに視聴済みなので、初回と違い、新鮮ではない感想の可能性がありますが、なるべく初回視聴時に感じたことを書いていきます。
    【全体感想】
    前回に引き続き、ヒーローのパワーアップ回。今日はひいろさんがパワーアップしましたね。
    リズムゲーム系のパワーアップっていうとポップで可愛いバトルになるわけですが、めちゃくちゃ肉弾戦でしたね。好きです。
    いやほら、ダンスは可愛かったけどまさか心臓マッサージの要領で掌底喰らわすと思わないじゃん。
    個人的にバトルが好きな回です。

    【キャラ別】

    ●えむくん
    ・えむくんそうやってひいろさんの好感度まで上げる。
    ・意見も合わないいけすかない先輩も身をていして守れる主人公最高ですね。

    ●ひいろさん
    ・音楽ゲームを理解していないのすごく可愛かった。
    ・恋人を失ったしんどい男だったのかお前……(※しんどい男が好き)
    ・冷静そうなのに恋人のことになると熱くなっちゃうって意味で、武器に炎/氷の2属性ついていたの納得ですね。
    ・リズムゲームを心臓マッサージとして掌底繰り出す発想はなかった。
    ・リズムゲームを使ったパワーアップなのにすげー攻撃タイプでニコニコしちゃった。

    ●きりやさん
    ・病院送りにされておった。。。。

    ●たいがさん
    ・どっからでてきたんすか。えむくん・ひいろさんのことをこ 1058