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    海岸線

    @kaigansen_h

    20↑ ¦ 文字書き ¦ 晶くんとミスラさんについて、よく考えているオタク。

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    海岸線

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    「魔法舎の幽霊」
    亡くなったはずの母の幽霊を魔法舎で見かける晶くんと、ミスラさんや魔法使いのSSです。怖い話じゃないです。
    ※ミス晶♂(なのか……?)

    「魔法舎の幽霊」 それは夜も更けた頃、廊下の先に現れた。虚ろな目に生気のない顔つき、色彩が乏しいそれは、やはり幽霊と呼ばれる類のものなのだろう。
    「……入る?」
     自室の扉を開けて、晶は母を招き入れようとした。ほとんど反射的に出た言葉で後先をきちんと考えた行動ではない。今にして思えば軽率であった。
     母の幽霊はこちらを見ない。俯いてつま先をじっと見つめ、やがて背後の壁に溶けるようにして消えてしまった。

     ***

     翌朝、晶は食堂でスノウとホワイトに昨晩の出来事を話した。話を聞いた彼らは互いを見合わせ、悲しげに目を伏せる。
    「言い難いのじゃが、それはそなたの母君ではないじゃろう。魔法舎の結界を運良く掻い潜った精霊の悪戯じゃ」
     晶は驚かなかった。既にこの世界でホワイトという幽霊と出会ってはいたが、母はこの世界の人物ではないし、存在するわけがないのだと、よくわかっていた。だから落胆は全くなく、むしろその精霊に興味を持った。
    「なぜ精霊はそんなことをしたんでしょうか?」
    「わからぬ。じゃが、嫌な気配はない。むしろ祝福すらされておる。晶よ、今のそなたはちょっとした無双モードじゃ。今日からしばらく運が良い出来事が続くかもしれぬ」
    「その精霊はかなり力が弱っていると見える。我らもこの魔法舎のどこかにいることは察知できるが、如何せん弱過ぎて正確な位置を捉えようとすると、周りの魔法使いの力に隠れ、わからなくなってしまうほどじゃ。まあ、案ずることはない。じきに理の中に還る」
    「母の姿をした精霊はしばらくしたら消えてしまうんですか……?」
    「そなたが見るのも辛いというのなら、我らこの手でそのときが来るのを早めてしまっても構わぬ」
    「……いえ、大丈夫です」

    (つづく! かも!)
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    海岸線

    PROGRESS5000文字くらい。作業中。もう少しコネる予定。

    「雪原に立つ」
    一時的に魔法舎を離れることになった晶くんと、その晶くんを世話すると言い出すミスラさんの話。
    ※ミス晶♂(両片想いくらい)
    雪原に立つ「雪原に立つ」
    一時的に魔法舎を離れることになった晶くんと、その晶くんを世話すると言い出すミスラさんの話。
    ※ミス晶♂(両片想いくらい)


    「許せない……」
     めずらしく語気を強めたアーサーに向かって、晶はなんと言うべきか悩んだ。
    「お、落ち着いてください。俺は大丈夫ですから」
    「落ち着いてはいます。……ただ、申し訳ありません、賢者様。私がいながら、このようなことに」
     昨日のことだった。晶は中央のグランウェル城に呼ばれ、中央のお役人相手に魔法使いたちとの任務についての詳細を説明していた。そのあとに簡略化されたパーティーがあり、賢者の魔法使いとしてアーサーと共に出席し、どうやらそのとき一時的に視力を奪う毒を盛られたらしいのだ。それに気づいたのはパーティーが終わり、アーサーと共に魔法舎に帰る途中だった。晶の目が急にかすんできて、視界が白くなった。それをアーサーに告げると、彼は狼狽えながらも迅速にフィガロのもとに晶を連れて行った。深夜に叩き起こされたフィガロは、尋常ではない様子の二人を見て驚いた。
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