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    海岸線

    @kaigansen_h

    20↑ ¦ 文字書き ¦ 晶くんとミスラさんについて、よく考えているオタク。

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    海岸線

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    ねむよる2(ミス晶♂の中編小説)作業進捗を載せる(その1)

    「分からず屋の僕たちは」 フォルモーント学園の文化祭は土日の二日に分けて開催される。保護者や地域住民が参加しやすいようにという気遣いかららしく、最終日である日曜も朝から子供や大人で混雑していた。講堂では芸能科の生徒がライブをして、グラウンドでは元不良校の生徒が小遣い稼ぎに飲食店を出している。どちらにも興味がないミスラは、ゴテゴテと主張の激しいダンボール製の看板を見ながら廊下を歩いていた。
     こんな日くらい、休んでもいいじゃないですか……。
     文化祭になど微塵も興味がないミスラは、サボって家で寝ていようと考えていた。しかし朝になるなり、近所に住んでいる親戚がやってきて、「あんた!? 出席日数ヤバいんでしょ! 学校行きなさい!!」と雷を落としてきた(あの人は声が大きくてうるさい)。仕方がないのでミスラは制服に着替えて、かなり渋々学校に来た。
     なんとなく晶を探そうと思った。スマホで連絡を取ってもいいが、これだけ人で混雑していると繋がりにくい可能性が高い。クラスに直接行く方が早いと思い、晶の教室の前についた。
     アニマルカフェ……?
     看板には『三年五組 アニマルカフェ さまざまな動物がお客様に配膳します!』と書いてある。ドアを開けて中に入ると、思いのほか繁盛している様子だった。
    「いらっしゃいませ~。み、ミスラ!?」
     にこやかに訪ねてきた生徒はミスラに恐れをなし、暗幕で区切られたバックヤードへと逃げていく。彼の頭にはクマ耳のカチューシャ。見れば、ウェイター全員が犬やウサギの耳カチューシャをつけている。
     アニマルって。無理やりすぎるでしょ……。
     呆れながら空いていた隅の席にすわると、暗幕の中から晶が出てきて、こちらにやってきた。
    「ミスラ! 来てくれたんですね!」
     やはりと言うべきなのか、晶のカチューシャは猫だった。
    「本当に猫が好きなんですね」
    「あはは……。恥ずかしいから裏方がよかったんですけどね。ホールは女子ばっかりですし……」
     気恥ずかしそうに笑いながら、晶はラミネートされた手書きのメニュー表をミスラに渡す。
    「おすすめはソーダとクッキーです」
    「じゃあそれで」
    「かしこまりました」
     晶がバックヤードに戻ろうとすると、ミスラの席から少し離れたテーブルの女子たちが晶に声をかけた。
    「ご注文ですか?」
    「いえ、写真を撮ってほしいんです!」
     他クラスらしき女子高生たちはテーブルの上に置いていたスマホを手に取る。
    「いいですよ」
     そう言って晶はスマホを受け取ろうと手を差し出した。しかし、彼女は前のめりでこう言った。
    「真木くんと撮りたいの!」
    「えっ、俺と……?」
     ぴくりとミスラの眉根が動く。あちらのテーブルで晶は困ったように笑っていた。どうやら写真を求められて、困ってもいるし、照れてもいるらしい。結局、クラスメイトの店員がスマホを持ち、晶は客の女子たちと慣れない様子で撮影されていた。女子たちに何度もお礼を言われている晶の横顔は、まだどこかほんのりと赤かった。
     ……イライラする。
     なぜだろう? 今まで晶を見ていて、こんな風に嫌な気持ちになることなんてなかったのに。
     仏頂面のままミスラは席を立って、教室から出ていった。後から注文したソーダとクッキーを持ってきた晶が怒るかもしれないが、今はどうでもよかった。
     自分は晶のことが嫌いになったのだろうか?
     そんなことはない、と思う。では、どうしてイライラするのだろう?
     ごちゃついた色彩の廊下を歩く。考えてみてもわからない。もともとミスラは考えるのが得意ではない。
     嬉しそうだった……
     人々の好意に触れて、晶ははにかんでいた。
     それを思い返すと、なんだか無性に腹が立った。

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    海岸線

    PROGRESS5000文字くらい。作業中。もう少しコネる予定。

    「雪原に立つ」
    一時的に魔法舎を離れることになった晶くんと、その晶くんを世話すると言い出すミスラさんの話。
    ※ミス晶♂(両片想いくらい)
    雪原に立つ「雪原に立つ」
    一時的に魔法舎を離れることになった晶くんと、その晶くんを世話すると言い出すミスラさんの話。
    ※ミス晶♂(両片想いくらい)


    「許せない……」
     めずらしく語気を強めたアーサーに向かって、晶はなんと言うべきか悩んだ。
    「お、落ち着いてください。俺は大丈夫ですから」
    「落ち着いてはいます。……ただ、申し訳ありません、賢者様。私がいながら、このようなことに」
     昨日のことだった。晶は中央のグランウェル城に呼ばれ、中央のお役人相手に魔法使いたちとの任務についての詳細を説明していた。そのあとに簡略化されたパーティーがあり、賢者の魔法使いとしてアーサーと共に出席し、どうやらそのとき一時的に視力を奪う毒を盛られたらしいのだ。それに気づいたのはパーティーが終わり、アーサーと共に魔法舎に帰る途中だった。晶の目が急にかすんできて、視界が白くなった。それをアーサーに告げると、彼は狼狽えながらも迅速にフィガロのもとに晶を連れて行った。深夜に叩き起こされたフィガロは、尋常ではない様子の二人を見て驚いた。
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