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    おおもりのもち

    @omorinomochi

    刀さに(創作女審神者/夢含む)好きのただのおたくです
    落書きの他、ツイで載せていたお話を掲載しています

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    おおもりのもち

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    ツイの企画「夏だ海だ刀さにだぁぁぁぁぁ」様参加のお話

    今回も懲りずにいつもの千代さにです!本当はskbありの予定でしたが羞恥に耐えられずやめました…激弱クソザコ豆腐メンタルでごめんね!!!

    …ところで彼らいつの間に付き合ったのって疑問はですね…6月の偽装夫婦企画のお話でくっついてるはずなのですがね…そのお話が未完成でして
    来年の6月までにはあがるよ、たぶん

    #千代さに
    forever
    #刀さに
    swordBlade

    夏だ海だ千代さにだぁぁぁぁぁ夏である。なので海に来た。なのに…
    (暑い)
     そう暑いのである。海水浴と言えば海水に浸かり涼しくなるものだが、火の前にいる審神者はただただ汗を流していた。
     山育ちで泳ぎが不得意な彼女は料理好きな男士達のバーベキューの手伝いをしていたのだが、浜でのバーベキューは予想以上に暑かった。しかも運悪くこの夏最高気温の猛暑日であったことも原因だろう。涼しい所で休みたいものだが”主の焼いた物を食べたい”と男士達に彼女のコンロ前に並ばれてしまうと中途半端に抜けることも出来ず、黙々と焼き続けるしかなかった。
    「暑いですね。少し休まれてはいかがですか?」
     顔を真っ赤にして汗を流す審神者を心配た平野に飲み物を渡される。
    「ありがとう、いただきます」
     ゴクゴクと一気に麦茶を飲みほすと前田にお代わりを注がれる。子供の姿をしているがとても気の利くよくできた男士達である。
    「二人も水分とってね」といえばよく似た顔をにこりとさせて「はい」と元気よく返事をした。

     こんがり焼けた肉と野菜と魚を皿に移す作業が終わりほっとして座ると近くの男士から受けとったドリンクを飲む。
    「はー美味しい!生き返る…あれ?これビール?」
     ノンアルコールではないビールである。昼から主が飲んでしまったがすでに出来上がっている男士達は誰も気にしていないようだったし、それどころが飲め飲めとお代わりをくれるものだから「休日だしまあいいか」と審神者は飲んで食べてとバーベキューを楽しんだ。

     程々に時間が過ぎまだ食べている男士、宴会を開いている男子、歌う男士に踊る男士、泳ぐ男士みなそれぞれ海を楽しんでいる。彼女の本丸に海はないので連隊戦後に一日だけフリーで使えるこの日は本丸揃っての海でレジャーが出来る貴重な休日だ。いつもお疲れ様と男士達を眺めていると、はて?彼はどこだろうか…

     意中の相手を探してきょろきょろとしていると「あちらにいますよ」と前田がこっそり教えてくれた。ついでに「ずっとあちらにいて食べていないでしょうから差し入れとして渡してください」と大盛の皿とビールののったお盆を渡してくれた。

     彼は泳ぎには行かずに砂浜のはじっこの木陰にシートをひいて一人のほほんと三線を演奏している。沖縄の人は海で泳がずバーベキューをすると聞いていた通り、北谷菜切はバーベキューの支度を治金丸は脇差たちとバーベキュー会場から離れた所でビーチバレーをしていて琉球の三振りは浜で各々過ごしいてる。

    「こんな所にいたんですね、ちゃんと食べましたか?」
    「んー。そういえば腹が減ったな」
     前田から預かった皿とビールを彼に渡せばありがたいと笑顔で食べ始めた。美味しそうに幸せそうに食べる顔が、可愛らしくて彼女の表情も和らいだ。
     二人並んでニコニコと海を前に食べていると遠くの方から歓声が聞こえた。脇差ビーチバレーが盛り上がっているようだ。風に乗って「はいさい!」と治金丸とクソッと悪態をつく肥前の声。普段近侍を頑張っている物吉も今日は脇差仲間と楽しそうに遊んでいる
    「治金丸は楽しんでいるな」
    「そうですね。ビーチバレー楽しそうでしたよ。見に行きますか?」
    「いや、俺はここでこうしていたいな。主と」
     そっと手を重ねられ審神者は固まった。嬉しいけどそれ以上に恥ずかしい。付き合いたての彼女にとっては外で手を繋ぐこともまだ慣れないのだった。

    「その下は水着か?」
    「え、あ、はい」
     毎年この日はTシャツにハーフパンツだったが、今年は水着の上にラッシュガードを着ている。なんでか?察してほしい。
    「脱がないのか?」
     暑くないのか?とのほほんと聞いてくる。
    「えっと、じゃあ脱ぎますね」
     もごもごと呟きながらもラッシュガードを脱いだ。恥ずかしがり屋の彼女は普段なら「日焼けが…でも暑いので」とファスナーを下すだけで脱がないのだが、暑さとアルコールにより普段より気が緩んでいるようだ。
     脱いでしまって日焼けは良いのかと?もちろんこの日の為に普段の物よりはかなりお高い日焼け止めをしっかり塗り込んである。準備万端だ。しかし
     無言である。予想以上にリアクションが薄い、むしろ無い。無である。折角”千代金丸の女コーデ~水着シリーズ・ビキニA~”を買ったのにノーリアクション。どういうことだ!!ちなみにAは普通の布面積でBは極端に布面積が少ないタイプである。

    (ダイエットしたけど体重あまり減らせなかったし…胸小さいのにビキニなんて似合わないよね。やめておけばよかった)
     泣きたい気持ちで(むしろ涙目で)鼻をすすりながらラッシュガードを着てファスナーを上げようとすると「待ってくれ」と止められた。
    「ここは風が通らないから暑いから開けておいた方がいいよー。閉めるのは…その健康によくない」
     いうほど風がないわけではないが熱中症は健康によくないのは確かなので、ファスナーを閉まるのはやめたがこのままでは恥ずかしい。
    「えっと、やっぱり似合わないですよねー。着替えてきます」
    「似合っている!!」
     普段は声の小さい彼の珍しく大きな声に驚いて見上げるとこれまた珍しく彼の方が頬を赤らめていた。
    「まだ着替えて欲しくない。その、あれだ、ちゅらかーぎーだからよー。俺の為に着てくれたなら見ていたいんだが」
    「わ、かりました」
     思わぬ告白にお互い黙り込んでしまった。

     波の音とセミの声と時々遠くの歓声がしている木陰で二人、なんとなく話すきっかけもつかめずにいると「おーい探したんだぞー」と皿とペットボトルを持った包丁が現れた。
    「デート中ごめんだけど、主にこれ渡したくてさ、俺が焼いたんだぞ!」
     ほら、と差し出す紙皿の上には焦げ目の付いたマシュマロが綺麗に並んでいた。
    「これが噂の焼きマシュマロ」
    「うまそうだなー」
     甘い香りと少年の明るい声に審神者も緊張をほぐされた。
    「主用に焼いたけど千代金丸も食べていいよ」
    「にふぇー。包丁」
    「えっへん!、俺は人妻と人妻を増やしてくれる男には優しいからね」
     ニヤニヤとする包丁の言葉の意味に気づき審神者は赤くなって人妻じゃないと反論しようとしてうっかり手を滑らせて皿を落としそうになる。千代金丸が腕を支えたので落とさずに済んだ。のだが腕に力を入れたことで柔らかい紙皿は二つに折れ、中のマシュマロ達はくっつき合い美味しそうな風貌は消えさり不格好な白い塊に変貌していた。

    「ご、ごめ」
    「うぅ、頑張って焼いたのに~。ひどいぞ!!」
    「すまない。俺が強く握りすぎたか」
    「じゃあ俺の言う事聞いてくれる?」
    「え、っと」
    ”神相手にうかつに約束をするな”は審神者の常識である。
    「あ、変な事じゃないよ?夫婦…まだ恋人か。ともかく未来の人妻が旦那に俺の焼いたマシュマロを「あーん」しあってる所が見たいだけなんだけど、だめ?」
     あーん、つまり食べさせ合うだけの簡単な願いの内容を聞いてほっとした審神者は「それなら良いよ」と返事をした。
     いくら彼女が初心でも彼に「あーん」くらいはしたことがある。人前でするのは恥ずかしいが折角用意した食べ物を台無しにしてしまったのだ、せめてしっかりと詫びなければならない。

     しかし焼いたマシュマロというものは大変柔らかい。スプーンならともかく箸では形が崩れてしまう。それでもなんとか審神者は千代金丸に食べさせてやるとよほど美味しかったのか「まーさん」と目を輝かせていた。
     恋人の嬉しそうな表情に目を細めたが立場が逆になると悲鳴を上げる羽目になった。千代金丸の力が強いせいか溶けたマシュマロをボタボタとこぼしてしまい上手く審神者の口に入れることが出来ない。こぼれたマシュマロが彼女の身体にべったりとくっついていく。
    「あ…」
     ボトリとマシュマロが次に落下した先は鎖骨から胸の上部まで滑り落ち水着にひっかかって止まった。
    「もー下手くそだなー!!しょうがないな。俺が拭くもの持ってきてやるよ」
     ご褒美はあとで頂戴!と言い残し包丁はあっという間に走り去っていった。極短刀の足、速すぎる。

    「う、ネチョネチョしてる」
     顔を歪めながら体についたマシュマロを取っていると「俺が綺麗にしてあげようねー」と言うと首筋をペロリと舐めた。
    「ひゃ、なにを」
    「綺麗にしているだけさー」
     千代金丸は審神者の首筋を”綺麗”にすると今度はぺろりぺろりと鎖骨からその下の胸の近くまで舐めるので彼女はたまらず胸元を抑え一歩後ろに下がる。
    「自分で綺麗にするので結構です!」
    「まだ残ってる」
     左手で彼女の頬に触れ、右手の親指で彼女の唇に触れた。次に”綺麗”にされてしまう場所を知り抗議の声も出せずに固まっていると近くの茂みがガサゴソと動いた。

    「ただいまぁ濡れ布巾もってきたぞー!」
     元気よく飛び出してきた包丁は、どう見てもこれからキスしますと言わんばかりの態勢のカップルを見てポロリと濡れ布巾を落としてしまった。
    「あー!!!俺としたことが人妻のいちゃいちゃの邪魔をするなんて!!俺もみんなと脇差ビーチバレー見るからもう行く!!二人はまだしばらく来ないでよね!」
     場の空気を察し濡れ布巾を残し瞬く間に去っていった。極短刀の足、やっぱり速すぎる。 
    「あしがちゃーだな」と包丁の後ろ姿をのほほんと見送る千代金丸の横で一瞬ぽかんとした後に我に返った審神者はどうしようと頭を抱えた。

    「なあ主は包丁の”お願い”を覚えているか?」
    「え?マシュマロを食べさせあう事ですよね?」
    「”未来の人妻が旦那に”と言っていたなー。快く引き受けていたが…主はそういうつもりだと思って良いんだな?」
    「え…あ!!」
     未来とは言え夫婦になることを約束させられた。審神者はうっかりさんだった。
    「これ以上は昼の野外ですることではなかったからなー夜に部屋にいくからさー」
     ゆたしくと彼は笑い、濡れ布巾で彼女の唇を綺麗にしラッシュガードのファスナーをそっと閉めた。
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