柘榴 捕まったのは、油断したためではない。自分と同じ力を持った相手が複数人いたのでは部が悪かった。そう、相手が強すぎただけ。
フランキーから度々もらっていた警告を総合すると、そのおとぎ話の存在のような組織は「国内の売国奴」を私刑で血祭りにするテロリスト集団という話だ。WISEの資料を漁っても疑問符がついて、調査をしている形跡はあるもののWISEの情報網を持ってしても実体の掴めない組織だということ。だが、お互いがお互い不利益を被らないのなら、無視しあっていることだってある。そういう組織があるということは頭の片隅に置いておき、WISEとは干渉し合わない関係なのだろうと捉えていた。
一人の戦闘力が一個中隊分——つまり約二百人の歩兵と火力支援を伴う戦力という話を聞いた時には、話を盛る癖のあるフランキーの与太話だと思ったのだが、出鱈目に強い相手はいない訳ではない。
2255