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    元ネタ
    「SSSよりも先に君を捕らえられて嬉しいですよ。『ガーデン』(私)にとって大事な『いばら姫』を奪った男が『黄昏』だったとは嬉しい誤算です」
    「処分じゃ勿体ない。『ガーデン』で使えるよう剪定しましょう」
    って精神を折って身体に躾けるタイプの拷問で黄昏を調教(剪定)する、店長×黄昏を文字数

    をちゃんと書きたいなと思ったので、書き上げるために冒頭の一部分だけだけど書いたものを投稿

    #店長×黄昏

    柘榴 捕まったのは、油断したためではない。自分と同じ力を持った相手が複数人いたのでは部が悪かった。そう、相手が強すぎただけ。
     
     フランキーから度々もらっていた警告を総合すると、そのおとぎ話の存在のような組織は「国内の売国奴」を私刑で血祭りにするテロリスト集団という話だ。WISEの資料を漁っても疑問符がついて、調査をしている形跡はあるもののWISEの情報網を持ってしても実体の掴めない組織だということ。だが、お互いがお互い不利益を被らないのなら、無視しあっていることだってある。そういう組織があるということは頭の片隅に置いておき、WISEとは干渉し合わない関係なのだろうと捉えていた。
     一人の戦闘力が一個中隊分——つまり約二百人の歩兵と火力支援を伴う戦力という話を聞いた時には、話を盛る癖のあるフランキーの与太話だと思ったのだが、出鱈目に強い相手はいない訳ではない。

     ソレは数日前から感じていたため、気づいた時点で事務員として潜入している夜帷が持ってくる書類の返送時に暗号を散りばめた書類をいれ、解除の書類が行くまでは「黄昏」の仕事をストップし、他の諜報員に割り当て、精神科医のロイド・フォージャーという人間としてだけの生活をできる様にしていた。とはいえ、診察室に来るのは患者のふりをしたWISEの局員だけで、新規の受付は当面空きがない様にしている。
     どこかで漏れがあったとしたら患者役の局員の可能性が大きいものの、そう至ったきっかけは自分でもあり、結果を分析するのは自分ではなく、上だ。
     ソレを感じてから、帰路はソレの感覚がつきまとう。気づかないふりをするのは至極簡単で、家でも窓の近くにいると感じるほど。偽装結婚で妻となったヨルも窓辺ではソワソワと落ち着きなく、元々天然でありながらも妙なところで鋭いこの女性は、同棲を始めた時以上に不思議な動きを見せるのだ。ソレの感触が現れなかった時はホッとしたような、普段の彼女に戻るところを見ると、自分の感じたソレが気のせいではないことを物語っている。
     そして、やはり妙なところでカンのいい娘も、ヨルの様子を見てそわそわするのだから、困ったものだ。
     
     ソレが攻撃を仕掛けてきた時、そのモーションが誰かに似ているなと、記憶を辿りながら次々と攻撃を躱していく。この状況では思考に重きを置けないなめに思い出せないまま、その誰かの動きに比べれば次の攻撃を予測でき隙も測れる動きだった。そして飛び道具ではなく暗殺用の手持ちの武器ということに驚きながらも、拳銃の弾なら防ぐことが可能な実用試験を兼ね導入されたケブラーのプレートの入る鞄を盾にし攻撃を流しながら周り気配を配りながら応戦する。ケブラーの強度は申し分なく、襲撃者の使う暗器の刃がこぼれるの見受けられる。名声も勲章も得られない諜報員だが、科学・技術の最新鋭の物を一番に恩恵を受けられる点は大きいかもしれない。
     疲れの見え始めた襲撃者が下からの薙ぎ払いのモーションに入ったのを見て黄昏は飛び上がると、革で覆った昔ながらの防弾仕様の鉄板の入る靴底—常時力は入る上にその力の入り加減も変わる靴底にケブラーは向かない—で刃を受け、威力の乗った薙ぎ払いの力を利用し、相手の腕が伸び切る直前で飛び上がる。
     襲撃者の腕が折れる音が聞こえたが、うめき声すら上がらない。自分と同じで訓練された存在。周囲から仲間が駆けつける気配はないが、降りてトドメを刺すには部が悪い。通勤の際は身につけている銃はあるものの、サイレンサーが無いため、人気はないとはいえ住宅地では使えない。それに腕を折っただけの襲撃者の前にノコノコ戻って行くほど馬鹿ではない。
     黄昏が飛び移った塀はとても高く、中を覗けはそこは箱庭だった。ざっと見れば屋敷側から脱出は可能とみえる。警備犬の姿も気配も、ソレらしき小屋もないため、数日の潜伏は可能。そこまで判断すると、右足のソックスガーターを兼ねたナイフホルダーから血抜きの溝の入るナイフを取り出し鞄の二重底の中から取り出したピアノ線を結ぶと、上を向いた襲撃者へ投げつけた。
     声は上げなくとも、腕の折れた痛みに顔を歪めた襲撃者の目にずっぷりと刺さったナイフに、一瞬何が起こったのか分からないといった顔をしたが、血抜きから血が溢れ出すと、痛みと自分の置かれた状況にパニックを起こした襲撃者が悲鳴に似た声をあげた。それを予測していた黄昏は、襲撃者がナイフに手をかける前にピアノ線を引っ張りナイフを引き抜くと、手繰り寄せ回収すると、屋敷の灯りが灯っていないことを確認して屋敷側へ飛び降りる。
     想定通り、箱庭は身を潜めるにはうってつけだった。
     
     それが、全て仕組まれていたと気づいたは、目を覚まし椅子に拘束されていると気づいた瞬間だった。
     
     略
     
     「SSSよりも先に君を捕らえられて嬉しいですよ。『ガーデン』にとって大事な『いばら姫』を奪った男が『黄昏』だったとは嬉しい誤算です」
     一向に始まらない拷問のおかげで体力の回復を図れていた黄昏は、囚われの部屋にやってきた男が口を開いて初めて頭の先から足の先までじっくりと眺る。
     発する空気は自分と同じ裏社会に生きる人間のものだが、その目は自分の仕事とは違う、人を人とも思わず殺すことができる組織の人間、といったところだ。注がれる視線を真っ直ぐに受け止めながら、黄昏は男が発した『いばら姫』を奪った男という言葉を反芻する。

    続く
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    って精神を折って身体に躾けるタイプの拷問で黄昏を調教(剪定)する、店長×黄昏を文字数

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    柘榴 捕まったのは、油断したためではない。自分と同じ力を持った相手が複数人いたのでは部が悪かった。そう、相手が強すぎただけ。
     
     フランキーから度々もらっていた警告を総合すると、そのおとぎ話の存在のような組織は「国内の売国奴」を私刑で血祭りにするテロリスト集団という話だ。WISEの資料を漁っても疑問符がついて、調査をしている形跡はあるもののWISEの情報網を持ってしても実体の掴めない組織だということ。だが、お互いがお互い不利益を被らないのなら、無視しあっていることだってある。そういう組織があるということは頭の片隅に置いておき、WISEとは干渉し合わない関係なのだろうと捉えていた。
     一人の戦闘力が一個中隊分——つまり約二百人の歩兵と火力支援を伴う戦力という話を聞いた時には、話を盛る癖のあるフランキーの与太話だと思ったのだが、出鱈目に強い相手はいない訳ではない。
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    「処分じゃ勿体ない。『ガーデン』で使えるよう剪定しましょう」
    って精神を折って身体に躾けるタイプの拷問で黄昏を調教(剪定)する、店長×黄昏を文字数

    をちゃんと書きたいなと思ったので、書き上げるために冒頭の一部分だけだけど書いたものを投稿
    柘榴 捕まったのは、油断したためではない。自分と同じ力を持った相手が複数人いたのでは部が悪かった。そう、相手が強すぎただけ。
     
     フランキーから度々もらっていた警告を総合すると、そのおとぎ話の存在のような組織は「国内の売国奴」を私刑で血祭りにするテロリスト集団という話だ。WISEの資料を漁っても疑問符がついて、調査をしている形跡はあるもののWISEの情報網を持ってしても実体の掴めない組織だということ。だが、お互いがお互い不利益を被らないのなら、無視しあっていることだってある。そういう組織があるということは頭の片隅に置いておき、WISEとは干渉し合わない関係なのだろうと捉えていた。
     一人の戦闘力が一個中隊分——つまり約二百人の歩兵と火力支援を伴う戦力という話を聞いた時には、話を盛る癖のあるフランキーの与太話だと思ったのだが、出鱈目に強い相手はいない訳ではない。
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