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    ru_za18

    @ru_za18

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    ru_za18

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    以前無配で持っていっていったものです
    お年頃でキスに興味を持った主とそれに乗じて迫るかしゅーのお話

    だって気になったの「ねぇ、清光」
    「ん?なーに?」
    「唇って柔らかいの?」
     主からの質問に、思わず飲んでいたお茶を吹き出す。唖然としている俺と、俺の反応にきょとんと首を傾げる主。
     ――や、主の生い立ちからすれば仕方ないんだけどさ……。
     主は物心つく頃から本丸にいた。学校のようなものも通わず、近くにいる審神者も高齢の人ばかり。当然、本丸にいるのは刀剣男士のみだ。
     主も所謂“お年頃”というもので、そういった話が気になるのはわかる。そういう話をするような同世代の人がいないのだ。必然と男士に話がいくのもわかるけれど――。
    「今回は何で気になったわけ?」
    「漫画を読んでたら、そんな話が出てきたから」
     今読んでいるらしい、桃色を基調とした可愛らしい単行本を見せてくれる。
     ――なるほど、少女漫画でか。
     確かにそれならば、そういった話が出てもおかしくはない。むしろ、女の子ならばときめく話だってあるだろう。
    「どうだろうね。俺たち、元は刀なわけだからそういうことはしないし」
    「男士になった今でもしないの?」
    「そーね……」
     『男士になった今でも』と主は言った。ということは、少なからず主の目から見てそういうことをしているように見えているわけで。
     ――誰で想像したんだか。
     そう思えば、ちりっと胸の奥で焦げ付くような感覚。主がそういった目で見ているやつがいる。その事実に、少なからず腹が立つ。
    「……じゃ、試してみる?」
     真っ直ぐに主を見つめれば、驚いたような困ったような顔。おそらく、そんな返答が返ってくると思わなかったのだろう。答えに吃る主の近くへ行けば、何を察したのか後ろへ後ろへ後退る。
    「逃げられないよ、主」
     とんとついた主の背中は、もう後ろは壁で逃げ場はない。優しく頬に手を添えれば、小動物のようにぴくりと震える主の姿。
    「ね、清光……待って……」
    「……無理かも」
     そんな姿に、昂ぶる感情が確かにあって。気付けば主の唇を奪っていた。
     ――あぁ、やっぱり柔らかいんだ。
     そんなことを思いながら、息をする間もなく何度も何度も唇を重ねる。ちらりと主を見れば、息苦しいのか。真っ赤な顔をしながら、たどたどしく俺を受け入れる。ゆっくり開かれた瞳は、溢れそうな涙を溜めてキラリと光っていた。
    「主、泣かないで」
    「……だって、びっくりした」
     目元に口付けを落とせば、主は小さく呟く。興味はあるけれど、気持ちがそこまで追いつかなかったらしい。
    「それで?俺の唇は柔らかかった?」
     そう聞けば、先程のことを思い出したのか。どんどんと茹で蛸のように紅に染まる。
    「もう!わかんなかった!」
     脱兎の如く逃げ出した主を見送りながら、くすくすと笑いが溢れる。きっと嫉妬で炎のように燃えていただろう感情は、今は燻って主の気持ちを心に焼き付けているのだから。
    「人って、面白いよね」
     この先、忘れることはないだろう感情を抱えて、主の後を追っていった。
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    ru_za18

    DONE桑さに
    青空でのお題提出作品
    あることから本丸を逃げ出そうとした主と見つけた桑名のお話

    捏造設定あり
    暗めのお話
    エゴだとしても 物音一つしない、丑三つ刻。今日は生憎の曇りで、本来ならば見えたであろう満月も今は姿を隠している。
     そんな中を小さい鞄一つを抱えて、出来るだけ足音を立てないように廊下をゆっくりと歩く。部屋から出て少し進んだところに、『風通しのためだ』と開けてもらっていた雨戸が見える。そこに辿り着いては息を潜めて辺りを見渡し、誰もいないことを念入りに確認した。
     ――見つかるわけにはいかない。
     緊張感から息をすることすら忘れて、確認出来たと同時に人が通れる程だった雨戸から庭へと下りた。素足のまま下りたものだから、庭に転がる小石たちが『自分はここだ』と存在を主張してくる。痛みを伴うそれを無視しながら、歩く速度はどんどん早まっていき、前へ前へと足を出す。終にはとうとう走り出して、目指す先は本丸の門だ。春には桜の花弁を浮かべた池の横を通り、近くに向日葵が咲いていた畑を横切り、可愛い色だと埋めたチョコレートコスモスの花壇を越え、冬には雪の帽子を被っていた椿の垣根を抜ければ、辿り着いたのは目的地。しんと静まり返る中に佇むそれは、私の最後の覚悟を問うているように思えた。
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