Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ru_za18

    @ru_za18

    とうらぶやtwstのSSや小説を書いています。
    Xで上げてるのはここのリンク。

    現在参加予定イベント
    11/5 「江華絢爛♡darling!!」

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 16

    ru_za18

    ☆quiet follow

    9/9の堀川国広の日
    うちの古参も古参、三振り目の彼へ
    再掲で申し訳ない…

    堀川国広+審神者

    #堀川国広
    kunihiroHorikawa

    学ぶにあたって 私の本丸で、堀川国広は初期の初期からいた刀だった。顕現した順番としては三番目。そんなこともあり、苦労したときも、楽しかったときも、長くを共にした刀だ。
     だからだろうか。彼は私の機微には聡かった。
    「主さん。何かありましたか?」
    「んー?……いや、最近物騒だからさぁ。せっかくここには戦の先生が多いんだし、刀とかの扱い方を習ってみるのも良いかなぁ……なんて思ったりしてた」
     特に悩んでいる様子も見せなかったはず。よく聞く、『女性の一人歩きが……』だとか『不審者が……』だとか。それに加え、最近では『審神者を狙う輩が出た』という噂も飛び交っていた。
     ――物騒だなぁ……。自衛の為に何かした方が良いのかな?
     そんな、軽い感覚で。それくらいの考え事だったのに、こうして気付いてくれるのは堀川だからだろう。
    「なるほど……。確かに、自衛は良いかもしれませんね。主さんは女性ですし、身を守る術を持つのは大事だと思います」
    「やっぱりそうだよね。うーん……やってみようかな」
    「良いと思います!始めましょう、主さん」
     少し考えた後、満面の笑みで肯定を返してくれる彼に安心する。ちょっとした考えだとしても、“是”と言ってもらえるだけで、背を押してもらえる気がしたのだから。
     それに今、幸いなことに話を進められそうなのだ。思い立ったが吉日。どうせなら、このまま決めてしまっても良いかもしれない。さて、誰に頼んだものか――。
    「女の人が使うなら、短刀の方が使いやすいのかな……。でも薙刀のイメージもあるんだよなぁ……」
    「うーん……。折角ですし、兄弟に頼んでみるのはどうですか?初期刀で主さんも言いやすいでしょうし、兄弟も喜ぶと思います」
    「そっか!まんばちゃん……うん、良いかも」
     “まんばちゃん”こと山姥切国広なら、私のこともよくわかってくれているだろう。教え方の得意不得意はあるかもしれないけれど、私自身を理解してくれている刀の方が、私の限界をわかっているかもしれない。
    「あ、僕もお手伝いしますね!」
    「本当?助かるよ」
    「任せてください!兄弟と一緒に主さんを強くしますから」
    「ん?……うん、よろしく」
     引っ掛かった言葉に疑問を持つ。私を強くしてくれるらしい国広兄弟。
     ――最初の目的は、自衛だったと思うんだけど……。
     そう思いながらもひとまず返事をすれば、堀川の瞳が爛々と輝いているように感じた。
    「いいですか、主さん。まず、体力や筋力を上げなければ、刀を振り回すことは難しいと思います」
    「うん。刀って結構重いんだよね、確か」
    「はい。なので、筋肉にまつわることや体力作りなど、身体を鍛えるのは山伏の兄弟が見てくれます」
     初め、堀川から独自のトレーニングメニューを言い渡されるのだと思った。自分一人でも出来るようなものを。堀川から目的を告げられた点では、考えていたことがあながち間違いではなかったことがわかった。けれど疑問が一つ。いつ山伏に許可を取ったのか。『自衛出来るようになりたい』と話をしたのは、今この場のはずなのに。
    「……え?山伏、手伝ってくれるの……?」
    「はい。『拙僧も手を貸そう』と言っていましたから」
    「待って。いつ?それいつ言ってくれたの?」
    「それから、刀の握り方や扱い方は山姥切の兄弟が」
    「無視だ」
     ツッコもうとしても、こうなった堀川は話が返ってこないことが多い――気がする。いや、もしかしたらいつ決まったのかはわからないけれど、先に決定事項を言いたいだけなのかもしれない。
     ――少し大人しく聞いていよう。
     居住まいを正して、堀川を見る。続きをしっかりと聞けるように。
    「そして、刀の扱いがある程度出来るようになったら、僕が闇討ちや暗殺のやり方を教えますね!」
    「待ってすっごく良い笑顔で言ってくれたけど待って⁉」
     “大人しく聞く”と決意した意思は、一瞬で打ち砕かれた。考えてもみてほしい。今、すごい言葉が聞こえた気がした。
     ――闇討ちと暗殺のやり方が教えてもらえる?……いやいや、そんなことあるわけない。
     頭を左右に振って、考えを振り払う。そうだ、一般の審神者にそんなことが――。
    「大丈夫です。足音を立てずに歩く方法や、気配を消す方法、一発で急所をつく方法までしっかり教えますから!」
    「それ、いち審神者がやることじゃないんじゃ……」
    「いいえ、主さん。何かあってからでは遅いんです。殺られる前に殺るのが、一番良いんですよ」
    「…………あぁ、うん。そうだね」
     背筋が凍りそうな、冷ややかな微笑みでそう言われてしまえば、私は肯定を伝えるしかなく。『過剰防衛なのでは』と思うところはあるけれど、『確かにそうだ』とも思ってしまった時点で、きっと私は堀川に考えが近いのかもしれない。頭を過る様々な思いはあれど、今は一旦考えるのを放棄した。
     ひとまず言えるのは、これが私と堀川の関係です。

    “うちの堀川と私”

     どうやら私は、暗殺が出来るようになるまで強くなるらしい。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤👏💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works