夏五版ワンドロワンライ第122回お題「接客」 うわ、やば。思わず、声に出ていた。頭の中で思い描いていたよりも何倍も怪しい雰囲気に、躊躇してしまう。稼いでいるらしい、と噂されていたが、こんなにも大規模な施設だとは思わなかったのだ。
一瞬、つい先日見た映画を思い出した。世界滅亡の危機に、いろんな能力を持つヤツラがチームを組んで、揉めたり喧嘩したり友情に目覚めたりしながら悪に立ち向かっていく、王道ストーリーだ。
確か、最終的に乗り込んでいく悪の本拠地が、こんな感じだった気がする。
ならばここでトップらしいアイツは、さしずめ悪の親玉か?やば、めっちゃ似合うかも。
鼻で笑いながら、堂々と真正面の階段を昇っていく。映画みたいに、こそこそ嗅ぎまわって侵入経路を探すとか、そんなめんどくさいことはしない。正面突破だ。
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