【息抜きパロ】ボウリング 今日は高専教諭たちで慰労会だ。
昼から酒を飲み、ご機嫌なメンバーも多い。
浴びるように飲み、一旦お開きにしよう、と出たのだが、日下部がボウリングの看板を見つけ、久しくやってねぇなぁと呟く。
それがトリガーとなり、俺も私もと、そのままぞろぞろとみんなで中へ。
皆、酔っている。
初球は七海。
レーンの前に立った彼を迎えるは、整然と並ぶ十本のピン。
投げようとしたところ、五条が急にレーンに立ち、七海へ向かって挑発する。
「七海のバーカ」
イッラァと青筋を立て、七海は球体の持ち方をバスケットボールと同じように、持ち変えた。
そのまま見事なフォームで、五条へ向かい全力投球する。
「ゴムボールかな」
家入が、つぶやく。
五条は瞬間移動でかわし、ボールはレーンの先へ吸い込まれていった。
中で何度か跳ね返り、ストライク!の電子音声が鳴り響く。
「おっ、お客様ぁー!そのように投げられては困りますーっ!」
慌てて走ってくる店員。
家入が、やめさせないと、と立ち上がるが、七海の青筋が消えない。
恐る恐る家入が七海の視線を辿ると、七海の鉈を野球のバットのように構え、ゆらゆらと揺らしている日車。
こちらはかなり、酔っている。
日車の後ろには、中指を立てて七海を挑発する銀髪。
七海、投げました、第二球。
アナウンサーの声が聞こえそうな豪球を、ゴガッ!と音を立てて日車が打ち返し、跳ねた球が伊地知を掠める。
「ひぃっ!?」
ギリギリで避けた伊地知が、へたり込む。
…夜蛾がトイレに行っている、一瞬の間の出来事だった。
「お前ら全員そこに座れぇえ!」
夜蛾の大声が響き渡った。
…ボウリングと言い出した日下部本人は、事の始終を端から眺め、夜蛾の説教前に逃げ出そうとした。
行手に家入が、立ち塞がる。
「日下部さん、逃げられるとでも」
はは…と日下部は、両手を上げて観念した。