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    しょくぱん

    @shoku_pan_ku

    しょくぱんです。エメトセルクが好きです。
    CPはエメアゼ♀メイン。
    お話にならないメモなどおきます

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    しょくぱん

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    副産物。
    愛用の見聞録を拡大解釈した結果のなにか。

    ヘルメスファダニエル。と、ゾディアーク。

     十四座の間のファダニエルは、山積みのクリスタルと資料のあいだに、その長身を埋めていた。もう何時間──ひょっとしたら何日間も、ほとんど休むことなく、ずっと頭と手を動かし続けている。
     彼とその仲間たちに課された使命は『星全体を厚いエーテルで覆う機構を創り出すこと』であった。

     ああでもない。こうでもない。時間はない。
     それでも、仕組みはあらかた整った。
     人々の〝星を救いたい〟という祈りを源として、この星を護る存在を具現化させる。必要な能力も、それに見合った姿も、それを組み立てるための術式も──ただし、材料だけが足りない。星全体を護る存在を創るに必要な、天文学的な量のエーテル。如何に計算を重ねようとも、それだけが、どうにもならないのだ。
     エメトセルクらの力を以て冥界に蓄積したエーテルを用いることも検討したが、余りにも膨大な量のエーテル消費は、却って星へのダメージが深刻になると結論付けられた。それでは本末転倒だ。

     ファダニエルは、本気だった。
     この恐ろしい事態を目の前にして、星と人々を救いたいと心の底から本気で願っている。
     「人は生き残るに値する存在なのか」
    かつて心中に抱いたこともあったそんな問いは、迫り来る星の危機を前にして、とうに忘れ去っていた。
     今、全ての命が無慈悲にも奪われようとしている。
     ファダニエルにはその事が、痛くて、悲しくて、仕方がない。
     人も、管理生物も、野生生物も、全ては〝等しく〟この星に在る、尊い命だ。そう──全ては等しく、星より生まれ、星へ還る、美しいエネルギーである。

     ──そんなふうに、心から思っていた彼だからこそ、この解を導き出せたのだろう。常人の域を越えた思考は、時に十四人委員の他のメンバーでさえも置いていきながら、次々と飛んで行く。そして後に人々は言う。『当代のファダニエルなくして、我々がこの星を救う道を得ることはなかった!』と。

     彼はふと、睨んでいた資料から顔を上げ、天を仰ぐ。
    「ああ……、そうか……! あった……エーテルだ。量も充分に……。これなら……!」
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    「花の香り」つづき。
    エルピスでやばい薬飲まされた光。いかがわしいですが、健全です。
    こいつら、いつになったらヴェーネスに会って大事な話をするのかって?ちょっとこちらへ………カイロス発動。

    ※この小説はご都合・捏造を含みます。雰囲気で楽しめる方が読んでください。

    ヒカセンの容姿設定はエメよりいくらか背が低い。としか考えていません。
    エメトセルク、大好き!3 ~あぶないティータイム「ヒュトロ、ダエウス! 大変!」
    アナグノリシス天測園のベンチでお茶を飲んでいる彼を見つけ、走り寄ります。ヒュトロダエウスは「ん?」と穏やかな顔と、どこまでも見透かすような朝紫色の目を見せました。
    「エメ、トセルクが、おかしい!」
    ヒュトロダエウスはえっと短く声を漏らした後、ぶるぶると身を震わせ始めました。
    「ふ、フフフ……詳しく、教えて……」
    お腹を押さえながらベンチの席を勧めてくれたので、飛び込むように座り、私は話を始めました。

     ヘルメスと観察者の連絡のために天測園を歩き回っていたら、ある棟の前にエメトセルクがいたのです。ドアを背にひとりで顔を顰め腕を組んで立っていました。何をしているのかと近づいていくと彼は私に気づき、目を見開いて
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