夜営ハー(就任前)とアゼム
(できてる)
今日も今日とて突然の召喚からのドタバタで夜営をすることになったアゼムとハーデス。二人で火の前に並んで座ってほっとひといき。
一日を振り返ったハーデスはアゼムにぼそりと呟く。
「今日の案件は、別に私である必要はなかっただろう?
「そうかな?」
「そうさ。お前には優秀で頼れる同僚も、世界のあちこちで結んだ縁も、それこそ星の数ほどある。
他に適任はいくらでも居ただろうに」
「……そういう意味なら、確かに、そうかもね」
アゼムはニヤリと笑う。
「でも、君の仕事は完璧だった。私の人選は、正しかったよ。それに」
こつん。話ながらアゼムはハーデスの肩に頭を乗せる。
「こんな肌寒い夜に、こうして寄り添えるのも、君だけだ」
413