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    ある休日のめぐこう
    誰でも見れる🙆

    日曜日と言うだけあり、ショッピングモールはなかなかの賑わいを見せている。
    「服買いに行くぞ!」と、朝から恵に叩き起こされて連れてこられた俺は、うんざりした顔で恵の後を着いていく。
    正直、人の多いところは苦手だ。身長が高いから目立つし、こういう時の恵は足が早いからどんどん先に行って置いてかれる。声をかければ多少歩く速度は調節してくれるけど、その足は先を急いでいる。
    別に俺自分の服ネットでいいんだけどなぁ。
    前にそんな話をしたらまるで信じられないものを見る眼で「……たまにでいいから、私の買い物に付き合って」って言われたから、今もこうして買い物に付き合っている。

    「なぁめぐ、俺先フードコード行ってていいか」
    「待って、お前の服選んでんだから今」
    目の前の恵は色んな服を持ってきて、俺にあててはあーでもこーでもないとぶつくさ独り言を呟いている。
    まぁ選んでもらうのも悪い気はしないんだけど、あまりに恵の顔がマジ過ぎて少し引く。お前そんなんだから同級生たちから「いつ結婚すんのお前ら」って言われるんだぞ。


    「来る」ものがあったんだろうか。「ちょっとこれ着て来てみ?」と渡されたのはシンプルな白シャツと派手な花柄のカーディガン。あと黒のフレアパンツ(って言うんだっけ?)。白シャツは襟元に花の刺繍が施されている。
    言われた通りに試着室に入って着替えるとサイズがぴったりで普通に引く。やっぱ自分で服買うようにしようかな。めんどくせぇんだよな。
    「ほら、着たぞ」
    「お?お〜………やっぱ天才だわ私」
    カーテンを開けると目の前で恵が目をきらきらとさせてドヤ顔してる。楽しそうだからいいや。
    「じゃ、今回はこれで」
    「は〜い、私の自己満なんで私が払いま〜す」
    「着るの俺なのに」
    「いいの、無茶言って着せてるみたいなもんだし」

    会計を終えて他の服屋も少し物色した後、フードコードに来た。やはり日曜日、人が多い。無理。
    「功李何食べる?人多いから、私行ってくる。席取ってて」
    「おー、うどんでいいや」
    「風邪ひいた人かよ」
    「健康だわ、人混みデバフさえなければ」
    「はいはい、すぐ戻ってくっから。いいとこ取っとけよ〜」

    と、俺に全荷物を押し付けた恵は一瞬で人混みに紛れて言った。すばしっこあいつ。荷物おっもなにこれ、服か。
    辺りを見回すとちょうど窓際にテーブルが空いていた。あそこでいいだろ。
    気合いで人混みをすり抜けて何とか席に着く、向かいの座席に荷物を置いて恵が戻ってくるのを待つ。
    どこの店も混んでいるのか、はたまた俺を見つけられないのか、恵はなかなか戻ってこない。腹減ってきたんだけど。そろそろラーメンの気分になるけど。
    まぁ仕方ないかとつぶやきったーやゲームをして時間を潰していると、影ができた。恵が戻ってきたんだろうか。顔を上げると見たことない女性が2人いた。
    「あ、あの!おひとり…ですか?」

    どっちも俗に言う清楚系の見た目をしてるけど、目はめちゃくちゃ肉食獣の目をしている。隠しきれていない事に気づいていないのか、もう1人が話を続けてくる。
    「あの、お兄さんすごいかっこいいなって思って、良かったら一緒にご飯どうですか…?」
    「どうですか」って聞く割に選択肢なさそうなんだけど、顔あげなきゃ良かった。
    「…あー、ごめん、なさい。ひと、待ってて」
    「お友達ですか?なら、戻ってくるまで一緒にお話でも」
    「いや、すぐ来ると、思うんで」

    しつこい、めんどくさい。さっさと来い恵。
    どうにかして俺とお話したいのかあれやこれや提案してくる女の子2人と、どうにかして1人にして欲しい俺。
    もう無理矢理、と言った具合で女の子たちが椅子を近くから持って来た時
    「は〜い、お待たせしまし……あらら、お知り合い?」

    遅せぇわ。両手にトレイを持った恵が戻ってきた。
    女の子たちは恵と俺を交互に見て顔を見合わせてる、その横でじっと恵を見つめると、少ししてため息をつかれた。
    「あー……ごめんねお姉ちゃんたち
    うちの人に、何か?」

    にっこりと恵が微笑むと女の子たちはその場を立ち去った。
    おーこわ。力抜けたわ。
    「お前さぁ、何回目よ」

    呆れた様子でテーブルにトレイを置く恵、片方は俺が頼んだうどんでもう片方は醤油ラーメンらしい。あ、醤油ラーメン食いてぇ。
    「知らね、お前の方が数えてんじゃねぇの」
    「毎月10回を超えたら数えてねぇから」
    「だから来たくなかったんだよ…」
    「すいてる時に来ても声かけられるくせに。あの子たち高校生くらいじゃなかった?最近の高校生こわ〜い」
    「うっさ。あ、めぐ」
    「なに?礼ならうどん代でいいぞ」
    「それは普通に払うわ。けど俺そっち食いたい」
    「はぁ?まぁいいけど」

    醤油ラーメンは少し伸びてた。
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