返事は夏の空に消えた「もし、明日世界が終わるならどうする?」
昼休み、こっそり忍び込んだ旧校舎の屋上で
昼ご飯を食べている時だった。
唐突に質問をされキョトンとした顔で萩原を見た。
「なんだよいきなり。」
「いや、ふと気になってさ。陣平ちゃんならどうするかなって」
「どうって、別にいつも通りだろ。人は死ぬときゃ死ぬ。」
そう言って興味なさげに
手に持っていたパンを頬張った。
「そう言うお前はどうなんだよ。」
「俺?俺は…」
質問を返された萩原は少し言葉を濁し黙った。
蝉の鳴き声が煩い。
じりじりと日差しが肌を照りつけ汗が滲む。
「萩…?」
いつも口を開けば軽い言葉ばかりなのに
やけに歯切れが悪い。
そして萩原から口から出た答えに目を見開いた。
蝉の鳴き声に掻き消されそうなぐらいの
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