甘い首筋 続き 林立する木々が仄暗い陰を作っている。時折吹く風が木立の葉を揺らして、憂太の髪や肩にちらちらと光の粒を降らせた。
頭の上では蝉の声がさっきよりも大きく響いている。歩いていた時は濃い緑の匂いが鼻に抜けていたのに、今は目の前の憂太の匂いしか感じない。男くさい汗の匂いを嗅いでいるだけで、頭の奥がじんじんと痺れる。
「はぁ、狗巻くん…」
大きな木の幹に寄りかかっていた。正確には、憂太に体を囲うように押し付けられていた。膨らんだ股間を俺に擦り付けながら、その手が俺のTシャツの下に入り込んでくる。
脇腹を辿り、腹筋を撫で、その手のひらは背中にも回って肩甲骨の形を確かめている。
唇と舌は相変わらず俺の首筋や耳殻をしゃぶっていた。
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