ゆうたの0721「…狗巻君？」
　急にくったりと力が抜けた狗巻君に覆いかぶさって顔を覗く。おでこを撫でてそこにキスをしても、目を瞑ったままだった。どうやら意識を飛ばしてしまったらしい。
　孔からゆっくりと指を引き抜く。こぽりといやらしい空洞からローションがこぼれた。そこは美味しそうにテラテラと赤く艶めいて、僕を誘っていた。思わずごくりと唾を飲み込む。
　挿れたい。このぐちょぐちょの孔に、今すぐ自分のペニスをぶち込んで犯したい。
　獣みたいな思考に陥りそうになるのを、頭を振って耐える。
　正直あんな痴態を見せられて限界だった。スウェットから完勃したペニスだけを取り出して、手のひらで擦る。
　くたりとしたままの狗巻君の体を跨いで、上から見下ろしながら腹の上に精液を吐き出した。白い肌に、白い精液が散った。
　それにまた興奮して、今度はペニスの先で、吐き出したばかりの精液を狗巻君の乳首やヘソに擦り付ける。
　ねえ、知らない間に僕のペニスで乳首いじられてるよ？　気持ちいい？
　狗巻君の顔を見ながら、二度目の精をまた腹の上に放った。
　二度目に放ったものは、狗巻君の顎先まで飛んだ。それを指先ですくって、狗巻君の少し開いていた口の中にそっと入れる。狗巻君は少し眉をしかめてから、また寝息を立てた。
　その唇に口づけをする。しばらくその柔らかい唇を堪能してから、口を離した。
　自分の精液まみれになった狗巻君の腹を撫でる。この肌から染み込んでいけばいいのに。
　ぼうっとしながらそんな事を考えていたら、狗巻君がくしゃみをした。慌てて精液と、お尻から流れていたローションをティッシュで拭き取って布団をかける。それから温かい濡れタオルを作って、また布団をはいで丁寧に狗巻君の体を拭いた。
　着ていた服をそのまま着せようとして、自分のクローゼットから新しい下着と自分のスウェットを取り出す。それを意識のない狗巻君に着せた。
　これはもう、男のロマンだから。仕方ない。意識がない狗巻君が悪い。うん。
　だぼだぼの自分のスウェットを着た狗巻君を一通り愛でてから、ベッドに入って抱きしめた。
　狗巻君は「ううん」と唸りながら、僕に体を寄せてくる。それが嬉しくて、またぎゅっと抱きしめた。
　初めて奥まで指を入れた。狗巻君の中、めちゃくちゃ気持ち良かったな。ふわふわで柔らかくて熱かった。この中に自分のを挿れるなんて考えただけで興奮する。
　入口は狭いけど、中は思っていたよりも動きやすかった。入ってしまえば、思っていたよりも大丈夫かもしれない。まあ、そこが一番の難関ではあるんだけど。
　しかも三本も入ったんだよな、指。さっきまで入っていたその指達を見て、舌でペロリと舐め上げる。さっき洗ってしまったから石鹸の香りしかしないけど。何となく狗巻君の味がするような気がする。ちょっとふやけているその指先が、さっきまで入っていた事実を物語って思わずにやける。