Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    4230Eri

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 25

    4230Eri

    ☆quiet follow

    ユキモモ❄️🍑

    ❄️誕ラビチャ後の妄想話

    #ユキモモ

    君の顔が見たい 「ユキくん、モモくん、昨日はお誘いありがとうございました。というかすいません後片付け手伝えなくて……」
    「いいよいいよ!おかりん忙しいもん。こちらこそ来てくれて嬉しかったよ!めちゃくちゃ楽しかったからまたやろうね!」
    「そんなに散らかしてないし、僕とモモだけで何とかなるから大丈夫だよ。帰り道、気を付けて」
    「はい、ではまた事務所で」
    「うん」
    「お疲れ様ー!」

    おかりんがユキの家から帰る背中を、ユキと二人で見送った。昨日はユキとオレ、おかりんの三人で、これまでのライブ映像を見ながら思い出話をする会を開いた。自分達のステージなのにノリノリでコールいれちゃうし、MCパートでオレが泣いちゃったシーンなんかは何故かおかりんまで泣いててちょっとびっくりした。でも本当に色んな事があってここまで来れたんだということを改めて認識出来たし、こうやって昔の思い出に浸れる事が、何より幸せだと感じた時間だった。

    空の瓶や缶、食器類を片付けてリビングがある程度綺麗になったところで、家主であるユキから片付け終了の声がかかる。ユキがリビングにあるソファーに腰掛けたので、オレも隣に行って一緒に座った。すると、ユキが何かを言いたげな目でこちらを見ている事に気がついた。

    「……ユキ?」
    「モモ、そっち座るの?こっちじゃなくて?」
    「え?」

    そっち、というのは恐らくユキから見てオレが左側に居ることを指しているのだろう。昨日ユキは首を痛めていて右側が向けないと言っていたので、自然と自分が左側になるように座っていたのだが、どうやらユキはそれが少し気になるようだった。

    「だってユキ昨日右側向けないって……」
    「あぁ、アレね。もう治ったから、いつも通りこっちでいいよ。おいで」

    ポンポン、と空いてる席をユキが叩いてオレを招く。その誘いに促されるまま、オレはユキの右側に座った。

    「これでいい?」
    「うん。やっぱりこっちの方が落ち着くなぁ」
    「まぁ立ち位置的にいつもオレが右側だもんね」

    オレがユキの右側に移動してくると、ユキはこちら側に少しだけ体重を預けてきた。朝まで飲んで語ってたから、きっと疲れてしまったのだろう。ユキはこう見えて結構饒舌だし、曲の事になると本当に話が止まらなくなる。でも、そんなユキの想いが沢山詰まった曲を歌わせてもらえてるんだって知る度に、嬉しくてたまらない気持ちになるのだ。

    「あー……このまま寝そう……」
    「ダーリン寝るならベッド行こうね〜」
    「ここじゃダメ?」
    「仮眠ならいいけど、ユキ大体ガチ寝するからダメです〜」

    少しうとうとし始めたユキを宥めながら、本気で寝てしまわないように声をかける。そしてオレの肩に預けられていたユキの頭が動いたと思った次の瞬間、オレの視界はユキの顔でいっぱいになっていた。あまりに当然の事ですぐに状況を理解出来なかったが、どうやらオレはユキにキスされたらしい。

    「やっぱり顔が見えるのっていいよね。モモがどんな表情してるか分かるし、こうやってすぐキスも出来る」

    ユキはご機嫌らしく、オレの顔を見ながらにこにこと笑っている。いや、正確にはふにゃふにゃと言った方が正しいかもしれない。今のユキは、ちょっと微笑み方が柔らかすぎるのだ。

    「え、な、なに……?急にどうしたの……?」
    「いや、昨日モモが僕から見えない方に座ろうとして止めたの思い出して」
    「あー……なるほど……?ていうかさ、ユキってそんなにオレの顔見たいの……?まぁオレはいつだってユキのイケメンフェイス拝みたいけどさ」
    「え?そりゃ見たいよ」
    「そう……ですか……」

    ユキみたいなイケメンに顔が見たいと言われてキュンとしない人間がいるだろうか、いやいないだろう。思わずそんな言葉が思い浮かんでしまうぐらい、オレの心臓はどくどくと強く脈を打っていたし、顔に熱が集まるような感覚があった。

    「モモは言葉を使うのが上手いから、言葉だけだとたまにモモの本心が分からない時があるんだ。でも、モモの表情はいつだって正直だ。言葉に現れない感情が、そこにはあるんだよ。おまえは多分気付いてないだろうけどね。だからどんな時でもモモの顔を見て、モモの事を知りたい、分かりたいって思ってる」

    優しい声で、ユキがオレにそう告げた。ユキのまっすぐで綺麗な言葉達は、オレの中に溶け込んでそのまま溶けていってしまいそうなくらい温かくて柔らかいものだった。

    「ユキ……そんなふうに思ってたの……?」
    「うん。まぁあとは、僕が知らないうちにモモが泣いてたら嫌だなぁっていうのもある」
    「……まだその話するの?オレそろそろ恥ずかしいんだけど……」
    「何も恥ずかしがることないでしょ」
    「いやユキはいいかもしれないけど!オレが泣き虫って思われてるみたいでちょっとヤダ!」
    「……そう。じゃぁあんまり言わないようにする」
    「そうしてください」
    「でも、一人で泣かせたりしないからね」
    「……はぁ……またそういうこと言う……」
    「え、なんかごめん……嫌だった?」
    「ううん。嫌じゃないよ。むしろ嬉しい」

    ユキの言葉で赤くなってしまった自分の顔を隠すために、わざとユキに抱き着いて顔を肩口に埋めた。顔だけじゃなくて多分耳あたりまで赤くなってしまっているので、一応隠したけど恐らくユキにはバレてしまっているだろう。こういう時のユキは空気を読んで、あえてオレの顔を見たりしないという優しさを発揮してくれる。オレ限定だよって言ってくれるこの優しさがオレは堪らなく嬉しくて、口にはしないけど、いつも心の中で幸せを噛み締めているのだ。

    「……ユキ」
    「なぁに、モモ」
    「オレ、これからもずっと、ユキの隣で一緒に歌うからね」
    「うん。僕も。ずっと隣にいてね、モモ」
    「うん。ユキ、大好き」
    「僕も大好きだよ。いつも一緒に歌ってくれてありがとう」

    オレがユキの肩口に頭を埋めているので、ほんのり赤くなっている自分の耳にユキがキスを送る。そんなユキからの愛に答えたくて、オレは肩口に埋めていた頭をあげ、そのままユキに口付けた。

    「こちらこそ、一緒に歌わせてくれてありがとう、ユキ」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    pomi710

    MOURNINGアラビアンな世界観の詩人ユキ×娼 年なモモ
    こちらもほんと書きかけの供養🙏
    とある事情で一時的に声出ない設定で書いてました。設定は好みなので消すのは惜しくて
    、でももう筆が進まない…!
    因みにモモはユキが受けた宴の演奏時、その場に居て曲とともにユキに一目惚れしてる設定!
    「今回の演奏も歌も流石で御座いました!こちら、出演代ですのでお納め下さいませ。あ、あとですね、当店1をご用意致しました!よろしければお使いください。全て教え込んでおりますのでね、煮るなり焼くなり今夜はお好きにお楽しみくださいませ!どうか今後も当店をご贔屓にお願いいたします」

     

    脂ぎった中年男の話をいい加減に聞いていた僕は、最後の発言にまたか、とげんなりしつつ手にしている扇で口元を覆った。何故僕の依頼主は僕に媚びるために毎回女を用意してくるのだろうか。そんなもの只でさえ寄って来る女たちで飽き飽きとしているというのに。けれども、何度断ろうとコイツらは人の話を聞かないのだから致し方無い。そして、依頼主界隈では僕へ媚びる為に女を宛がうという謎のしきたりが広まって行くのだ。
    まぁ、それもこれも、良い歳して伴侶がいないせいなんだろうけど…。

     

     

     僕はしがない詩人だ。いや、しがない詩人だった。
     幼少期から特に不自由無く暮らす中流の家庭で育ってはいたが一生遊んで暮らせるほどの富豪でも無く、年頃になれば皆と同じく働かなくてはいけない立場ではある。けれども昔から異端児として扱われてきた 4443