過去編② こーらる 毎日毎日同じような一日。学校に行ってお勉強して、授業中はいつも夢の中。先生の声で目を覚ましたら、放課後の補習。
「面倒くさ〜い!退屈だ〜っ!!」
夕陽に向かって大声で叫ぶ。今の私にとってはただ自然だけが友達。それから本と、ゲームと、あとは…。
「姉ちゃん!家の前で大声出さないでよ!」
「わっ!るーちゃん?!帰ってたの?!」
「帰ってたも何も…。今テスト期間だから部活ないんだよ。言ったはずだけど?」
るーちゃん―くらげは私の妹。真面目でちょっと気が強い。ゲームが好きってこと以外には特に共通点はない。友達も多いし成績もいいし、髪の色は私と殆ど逆の白色。
「あとさ、るーちゃんって呼ぶのやめてよ。」
るーちゃんという呼び名は、彼女が幼い頃に「くらげ」と言えなくて「るらえ」みたいな発音になってて、そこから私が彼女を「るら」と呼ぶようになったのが始まり。愛称のつもりだけど本人は嫌なのかな。まあいいや。
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