現パロ応楓1、
「単刀直入に言おう。きみ、うちのモデルのカメラマンになってくれないか」
チェーンの喫茶店の席に着いて三分。残暑の厳しさで滲んだ汗も止まりきらないほどの短時間で告げられた言葉に、応星は届いたばかりのアイスコーヒーを迎えようと開いた口を一度閉じた。
そうして、目の前に座っている柔和で人好きする笑顔を浮かべる男——景元を見つめる。
あまりにも突然の言葉にその真意を探ろうとしてみるが、芸歴=年齢の実力派俳優だ。顔どころかストローの袋を破る些細な動きまでを余裕のある演技で覆われては、心の内がわかるはずもない。
結局、応星は二秒で音を上げて「おまえはいつから事務所の営業にまで駆り出されるようになったんだ」と口を開いた。そうすれば、景元はほんの少しだけ純粋な喜びを混ぜて「まさか。毎回やっているわけじゃないよ。まぁ、うちの社長は私が営業に一枚噛むことを望んでいるみたいだけどね」と言いながら、スマホを取り出した。そうして軽くスワイプしてから画面を応星の方へと向け、今回の依頼の詳細を語り出す。
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