白魔導師とカボチャ男「平野、使い魔作る気ないの?」
そんなことを言われて、平野は困ったように返答を濁した。魔導師として独立してしばらく経つが、未だその類の契約は結んでいない。作らないと決めているわけではないが、たとえ魔法による精製物だとしてもその存在を使役するだけの覚悟が必要だ。生涯の伴侶を決めろと言っているわけではないのにねと、魔導師仲間の半澤は笑った。
「そのうち」
「使い魔が面倒なら眷属でも作ったら?」
「眷属は責任もって面倒みないといけないだろ」
今はまだそれに値するだけの存在を見つけていないとまた返答を濁すと、また笑われた。
「真面目だねぇ。平野らしい」
「そういうお前はどうなんだよ、半澤。……いいや、魔導師協会長」
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