誕生日ちょぎさにタイトル
『付き合っている長義が高価な誕生日プレゼントを渡そうとしてきたからそういうの気にしなくていいよ、チューの一回でもしてくれたら満足だって!と言ったところ「ならばキスもしよう。持てるものこそ与えなくては」とか言ってふっかいキスかましてくる話』
深い蒼に見下ろされながら、頬に添えられた手の温もりを感じる。彼の手袋のスベスベとした感触が好きで、思わず頬を擦り付けていたら、より顔を近づけてきた彼が唇を押し当ててきた。
薄い唇はいつも潤いが保たれている為、触れ合うだけで気持ちがいい。ペタリと張り付いた唇を軽く吸えば、離れた時にはチュッと音を立てた。
直ぐにもう一度、今度は奪われるようにキスをする。押し当てるのではなく噛み付いてくるようなキスは、彼の意外と荒々しいところを思い出させて笑ってしまいそうだった。
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