キャンディの代わりに甘いキスを「ねえねえ、メタナイト。お菓子くれなきゃいたずらするぞって言って」
「……いきなりどうしたんだ?」
十月最後の夜。家で一人静かに読書をしていたメタナイトの元にカービィが突然訪ねてきた。
ぶかぶかの狼の着ぐるみ。
ワドルディたちと仮装パーティに行くと言っていたからその帰りだろうか。
カービィはニコニコしながら両手を後ろに隠している。
そんな様子が微笑ましいので、カービィの考えはなんとなく予想がついていたが、気づかないふりをする。
「……お菓子くれなきゃいたずらするぞ」
口に出してみるとなんだか恥ずかしい。メタナイトは仮面の奥で思わず苦笑いした。
「うふふーっ!残念でしたー!お菓子ならたくさんあるよーー!」
カービィはとびきりの笑顔とともに後ろに持っていたものを勢い良く差し出す。
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