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    meepoJlo

    @meepoJlo

    呪術の狗🍙棘 夢小説をこそこそ書いています。

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    meepoJlo

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    不安学校で言う所の保健室だろうか。
    と、ぼんやり中学を思い出す。

    でもそこは、保健室と言うより医務室で、保健の先生ではなくて専門の医師が立ち会う。家入さんは不在だった。見覚えのある顔の女性が対応してくれた。

    「ありがとうございます」

    綺麗に腕に巻かれた包帯を見てから、頭を下げる。

    「先生たちに報告してくるね。少し休んで、今日はこのまま寮に戻りなさい」
    「はーい」

    唯は笑顔でもう一度頭を下げ、その人は静かに部屋を出て行った。



    何度かお世話になった事のある医務室。

    唯は自分の腕を見て、グーパーと指を動かす。まだ少し腕が痛んだ。傷が残りそうだ。


    医師と入れ替わるようにバタバタと足音が聞こえて、勢い良く扉が開く。

    「こんぶ?!」

    と声を張り上げて唯を見るその人は、息を切らていた。

    「棘?」

    走って来てくれたのだろうか。

    「こんぶ?」

    棘は肩で息をしながら、唯に近づく。

    「大丈夫。ちょっと転んだだけだよ。着地に失敗して木にぶつかっちゃった」

    バカだよね、と笑って腕の包帯を棘に見せた。

    「ごめんね、心配かけて」

    顔を上げて見ると。



    その顔は、

    今にも泣きそうで。




    「ごめん…」

    もう一度呟けば、その瞬間に身体が包み込まれた。
    ふわりと香る、彼の匂いに。
    何だかすごく安心感が広がる。

    ぎゅっと、苦しいくらいに、抱きしめられて。
    その不安が嫌と言う程伝わってくる。

    「高菜」

    掠れた声が耳元で小さく響く。




    怪我をするなんてよくある事だけど。

    棘が任務に出る時は、いつも何処かに不安があった。
    きっと何も言わないけれど、気持ちは同じなのだと、思う。


    しばらく棘はそのまま動かなかった。
    唯も静かに目を閉じる。
    お互いの存在を、確かめ合うように。




    「ただいま、棘」

    「ツナマヨ」






    End***









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