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    meepoJlo

    @meepoJlo

    呪術の狗🍙棘 夢小説をこそこそ書いています。

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    meepoJlo

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    狗🍙先輩×🌸
    迷子になったのを助けてもらうお話。
    地方民の🌸ちゃん。
    続くかもしれない。

    迷子野薔薇ちゃんに続いて可愛いらしいキッチンカーに並び、苺のミルクティーを注文する。お金を払ってお釣りをもらい、ピンクのカップを受け取り振り返ると。

    そこにいるはずの野薔薇ちゃんはいなかった。

    「………???」



    人通りの多い日曜日の東京。
    野薔薇ちゃんに誘われて朝から買い物に出る事にした。真希さんと私と、(いつもの)荷物持ちの虎杖くんと伏黒くん。それから真希さんが狗巻先輩にも声を掛けてくれて、パンダ先輩はパンダ故にお留守番のやっぱり6人。
    朝からショッピングを楽しんでランチして、少し小腹が空く時間。私は飲み物を片手に辺りを見回す。

    「……え、どうしよ…」
    心の声が思わず小さく漏れた。
    あまり東京に土地勘がない私は、買い物と言えば誰かに着いて行くばかりで。正直、この人混みの街中にひとりと言うのは初めてだった。
    右に左に頭を振って辺りを確認するけれど、流れる人混みに見知った顔は見つからない。もう一度キッチンカーを振り返るが、やはり誰もいなかった。

    不安で胸がぎゅっとなる。任務で呪霊と対峙するのとは全く違う不安があって。
    ーーどうしよう、と俯く。
    頭が真っ白になってぐるぐると回って、苺ミルクティーのカップを握り締めた。
    ーースマホ。
    とにかく野薔薇ちゃんにメッセージを。
    〇〇にいるよ、などと連絡が来たらそこに辿り着ける自信もないけれど。私は鞄に手を伸ばす。
    それとほぼ同時に、後ろから腕を掴まれる。

    「ツナー?」

    聞き覚えのある語彙に、ぐいっと後ろに腕を引かれた。

    「……わっ!」と、思わず変な声が出て。
    振り向く事も出来ないまま、私はバランスを崩して後ろに倒れ込む。

    「…………っ?!」

    後ろで手を引いた彼もまた、驚いたような息遣いと共に咄嗟に私の身体を片腕で支える。もう片手はカップを持つ私の手をしっかりと握ってくれた。
    背後から抱き抱えられるように背中が触れる。

    「…すじこー」

    肩口から覗くのは、少し困ったように眉を顰めて笑う紫色の綺麗な瞳。
    さすがの瞬発力、体術はなかなかの成績だと聞いていた。

    「狗巻先輩っ!」

    見知った顔に、安堵の息を吐く。
    ようやく明るくなる私の顔に、狗巻先輩も目を細めた。安心したのも束の間、しゃけ、と呟くその声が思い掛けず私の耳元からやたらと近くに響いて、不意にその距離の近さに気付く。

    「わ、すみませ…!」

    一気に顔に熱が昇る。自分が真っ赤になっているだろう事は鏡がなくてもよく分かった。
    心臓が弾けそうなくらいにドクドクと鳴り響いている。

    慌てて体勢を立て直し、狗巻先輩から身体を離す。辺りを見れば、横を行く人と目線が合ったような気がして。また頬が熱くなった。

    「…すみません…」

    もう一度謝る。
    そんな私を見てやはり笑う狗巻先輩は、口元を黒のマスクで隠していても綺麗な顔立ちが理解出来た。道行く女性が振り返る、気がする。いつも見る制服とは違い、カジュアルなパーカーにワンショルダーのバッグ。

    「明太子?」

    大丈夫?と笑いながら聞かれた問いに、頷いて答える。

    「大丈夫です。ミルクティーも無事です!」
    「しゃけー!」

    親指を立てて応えてくれた。気にした様子もない先輩に、私も努めて笑顔で返す。まだ少しだけ、胸がドキドキと鳴っていた。

    「あ、の、野薔薇ちゃんたちは…?」

    聞けば狗巻先輩は少し動いて振り返り、ツナと背後を指差した。
    そこには、私と同じカップを手にした野薔薇ちゃんと真希さん、横で虎杖くんと伏黒くんも何やら話をしているようだった。植え込みの影と人混み隠れて私の位置からは見付けにくかったらしい。

    「あんな所にいたんですね。ありがとうございます、先輩」

    ほっとして、良かったと小さく口の中で呟いた。
    軽い足取りで一歩を踏み出す。

    「野薔薇ちゃ、

    言って歩き出す私の手に、言葉もなく静かに伸ばされた白い指先。その手は私の掌を捉えてぎゅっと握った。僅かに引かれ、それだけで私の行動を静止する。
    首を傾げる私を追い抜いて、振り返る狗巻先輩は、繋いだ手を離した。
    白く長い人差し指を一本立ててマスクの口元に当てる。

    静かに、する?

    悪戯に笑う狗巻先輩の目元。
    ポケットからスマホを取り出して、慣れた手付きで文字を打ち込んでいく。
    最後に一度タップすると、そのままスマホをポケットに戻した。
    同時に、私のスマホがブブっと揺れる。

    「…………?」

    鞄から取り出してスマホを見れば、1、2年のグループにメッセージが1件届いていた。送り主は“狗巻棘”。


    [ かわいい後輩を1人頂いていきます ]

    [ バイバイ(*´︶`*)ノ" ]


    私はメッセージを見て動きが止まる。

    ーー“ かわいい後輩を1人 ”

    少し落ち着いた心臓がまた、ドキドキと鼓動を鳴らし始めた。

    ーー“ バイバイ ”

    頭の中を整理して、生唾を飲み込む。ゆっくりとその顔を上げれば、紫がかった瞳が愉しげに私を見ていた。

    「しゃけ?おかかー?」

    そう聞いた狗巻先輩は優しく笑うけれど。

    再び伸ばされた手は私のスマホに触れた。するりと滑るように奪われていく。画面をオフにして手渡され、鞄に片付けるよう促された。狗巻先輩の身体で視界を遮られて、後ろにいるであろう4人の姿は見る事が出来ない。

    私に意思を聞くようでいて、おそらく答えはひとつしか用意されていなかった。

    「ツナマヨ」

    差し出された狗巻先輩の白い手は、私のそれよりもひと回りほど大きくて。躊躇する私に構わず、片手を奪って行った。
    包み込むように握られた手は温かい。私の手を引っ張って、みんなとは反対方向に歩き出す。

    「ツナ?いくら?」

    何処行こうか、と尋ねる狗巻先輩を見上げれば、マスク越しに僅かに頬を染めてやっぱり笑って私を見ていた。











    End***
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