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    ペシ姐物語 むきぐりさんの離島物語の後編です

    ペシ姐物語 ー離島編ースクアー郎のメロー音に対する評価が好意的になってきて、メロー音も家に泊まることになった。しかしスクアー郎、あんなにあからさまに嫌悪していたのにいきなり掌返して近づくこともできず、なんとなくギクシャクした雰囲気の二人。
    そんな中、メロー音と話頭男が島を散策中にささいなことで口論してしまい、「お前なんか知らない!」とメロー音はその場から駆け出してしまう。少しお互い頭を冷やした方がいいだろうと話頭男はメロー音を追いかけず波止場へ向かい一人煙草を燻らす。
    夜になって家に戻ってみると、メロー音が帰ってきていない。スクアー郎に聞いてみても、「一緒じゃなかったのかよ?」 と。あいつ、どこへ行ったんだ、世話のやけるやつだと呆れるも、放っておけばそのうち帰ってくるだろうと椅子に座ろうとすると、「兄貴!探しに行かなくていいのかよ?! 兄貴は都会暮らしが長くて忘れてるかもしれないが、今はイノシシの繁殖期だ!アイツ、苛立ったイノシシに突き殺されるぜ!」
    青ざめる話頭男。咄嗟に携帯を出すがこの島は完全圏外。さあどうする!
    いつも冷静な兄貴の動揺を見てスクアー郎が立ち上がる。「兄貴、大丈夫だ!俺に任せろ!!」戸棚から何かを取りだし、庭に出て大きな音を立てる。ほら貝だ!スクアー郎はほら貝を力いっぱい鳴らしている。「スクアー郎、お前一体何をしてるんだ?!」と尋ね終わるか終わらないうちに、庭に次々とバイクに乗った輩が集合した。
    「総長!!(死語w) どうしました?!久しぶりの招集じゃあないッスか!!」
    続々と登場するヤンキー達に話頭男は目を見張る。
    「野郎ども!手を貸してくれ!!兄貴の大事な人が行方不明だ!頼む!探してくれ!!」
    集団の前で大声で叫ぶスクアー郎に、先程の男が応じる。
    「まかせて下さいッス!!副総長であるこの狩琉涅が責任もって仕切ってみせるッス!よし、お前ら!手分けして探しに行くぜ!!!!!」
    群衆が大手を振りあげて叫び返す。周りにこだまする怒声。そして一団は散り散りに各方向へ向かってバイクを走らせた。
    「どこに来ちまったんだ、俺…」
    その頃真っ暗闇の中で途方に暮れるメロー音。背後に気配を感じて振り返ると大きなイノシシが縄張りを荒らされたと思ったか獰猛な視線を向けて睨んでいる。ちょ、、え?!イノシシ?!仰天して身動き取れないメロー音に向かってイノシシが文字通り猪突猛進!危機一髪!!俺はここで死ぬのか?ああ、話頭男にちゃんと好きだと言っておけばよかった…それだけが心残りだなぁ…
    とその時!!
    ーー慌てなくて大丈夫だよ、心配しないで…助けはすぐそこまで来てるよ…来てるよ…来てるよ…ーー
    懐かしい声が聞こえたかと思ったら、轟音を立てながら竹やぶをなぎ倒してバイクがイノシシとの間に割り入って来た!!タンデムシートから飛び出した男がイノシシを一撃必殺!驚くメロー音に手を差し出した男曰く、「危ないところだったッスね!どこかからこっちを探せという声が聞こえたッス!自分、スクアー郎総長の下で副総長張らせてもらってるッス、狩琉涅ッス!!こっちのバイクの男は自分の舎弟の砂糖ッス!夜露死苦ッス!!」
    晴れてメロー音は無事救出され、話頭男の待つ家に戻った。走り寄って抱きつく話頭男。謝るメロー音、そして話頭男の耳元で囁くメロー音の一言にハッと目を見張る話頭男… 「初めてですね、あなたにそんなこと言われるの」「やっぱり大事なことは言葉にしないと」と熱い口付けを交わす二人。その様子を静かに見守るスクアー郎に気づくメロー音。彼のおかげで自分は助かった、その感謝の気持ちを素直に言葉に表すと、「勘違いするなよ!俺はあんたのためにやったんじゃあない。兄貴が心配してたから… 死人が出て島の評判が悪くなっても困るからな!」
    憎まれ口を叩くスクアー郎を見ながら微笑む話頭男とメロー音。無事を祝ってみんなで酒でも飲むか。そう話しながら酒造まで足を運びつつ、メロー音はふと先程聞いた懐かしい声を思い出した。
    ーー終ーー
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