隠し子疑惑「いや別に怒ってないよ?」
「怒っているだろう」
魏無羨はわかりやすく顔をむすっとさせていた。寝台に寝そべり、片手で頭を支え眠っている幼子を撫でた。
「見ればみるほど藍湛にそっくりだ。こんな子を前にしてよくも自分が父親じゃないなんて言えるな?」
藍忘機は違うと再度言おうとしたが、魏無羨が遮る。
「酒を飲んだら記憶をなくすだろう。その時に出来た子だ。きっと」
藍忘機も四六時中、魏無羨と共に行動しているわけではない。やむをえず一人で行動している時もある。
しかしどれだけ酔おうとも、己は魏無羨しか抱かないという確信があった。
「うっかり間違えて俺に似た女の子でも抱いたんだろ?」
はーあ、と盛大なため息を吐いて魏無羨は柔らかな幼子のほっぺをフニフニとつつく。
1892