未定※未成年に対する性的虐待描写があります。十分ご注意いただいた上、閲覧は自己責任でお願いします。
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僕の人生は、五歳の夏に「前世の記憶がある」と気付いた瞬間に終わっていたのだと思う。
もちろん、その当時はあまりに幼すぎて前世などという存在も理解していなかったが、その年齢の子供が知るはずのない歴史やかつての風習について話すのは、さぞ不気味だったんだろう。家族の反応は恐ろしく冷えたものだった。
「いいか、絶対に外でそんなことを言うんじゃない。少しでもそんな素振りを見せたら、お前を一生病院から出られなくする」
「………はい、お父さま」
五歳の子供にかける言葉ではないと思うが、僕を毛嫌いどころかもはや憎んでいると言っていい実の父親は、それをきっかけに義母共々僕を完全に無視することにしたらしい。育児は世話役の男に任されて、そんなふうに育てば小学校でも浮いた存在だった。父の言いつけを忘れて余計なことを口走るのも恐ろしく、友人を作ることすらままならない幼少期にろくな思い出はない。
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