璃月の催し事【突然の催し事】
とある昼下がり。特にこれといったことも無く、万民堂で食事を終えた空とパイモンは欄干に背を預けながら空を見上げていた。いや、パイモンは飛んでいるが。
「暇だなー、こういう時は!」
「こういう時は?」
どうせろくでもないことを言い始めるんだろうと空は呆れ顔でパイモンの方を向く。
「暑いから怖い話を聞きに行こうぜ!」
「はぁ?」
早く早くと往生堂に飛んでいく。こっちの都合も考えて…とは思いつつも空はそれの後ろについて行く。
「で、怪談会をするの?」
忙しいだろうに顔を出してくれた胡桃と鍾離は、パイモンの申し出に面白そうだの一言を返してくれた。
本当に申し訳なさすぎる、と空は頭を下げる。
「いーのいーの、浮かばれない霊達の話くらい百も二百もあるし、どれから話そうかな?」
「折角だ、他の者も集めてひとつの催しにしてはどうだろうか。」
珍しくやる気満々な胡桃と提案をする鍾離。
まあ確かにそれはそれで面白そうだ。ならどうしてやろうかとかんがえていると、忙しいはずの公子様ことタルタリヤがひょっこりと顔を出した。
「お、怖い話?俺も混ぜてくれよ?」
「うわぁなんでお前もいるんだよぉ!」
「ちょっと通りがかったら人が集まってたからね、俺の故郷の怖い話をしてあげようか?」
「いいったら!」
パイモンはタルタリヤにべーと舌を出しているが、まあこれはこれで面白そうだ。
他にも人を呼んだらちょっとしたら気晴らしが出来そうだ。
人を集めることにして各々解散することとなったが、空は大人しく待っていてくれと言われた。
それはそれで寂しいような、と思いつつ宿に泊まることにした。