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    あかさん

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    あかさん

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    ⚠️大鶯死ネタ!グロくはないけど、ちょいとグロ?かもしれないので苦手な人はバック🙏
    幸せはないです。

    #執筆中

    鳥葬 その日は何ともない、非番の日だった。いつものように茶を縁側ですすりっていたが、茶が切れたので淹れるため厨へ向かうことにした。そういえば、そろそろ大包平が帰ってくる頃合か。などと思い、二人分の茶を入れようと考えながら歩いていた。
    その時だった。大声で誰かが叫んだ。
    「第一部隊帰還!被害甚大!三名重傷、二名中傷!」
    声の主は本丸出陣ゲートの管狐からだった。雪崩込むように出陣していた刀たちが本丸へ帰ってきた。管狐の伝達通り、見るからに強敵と戦ったことが分かる惨状がそこにあった。
    片腕が無いもの、脚があらぬ方向へ曲がっているもの。意識があるのか、ないのか分からないもの。手入れをすれば身体の傷は癒えようが、精神的部分においては幾分か時間を要するだろう、そんな虚ろなもの。これまで戦が激戦になっていた日々があるとはいえ、ここまで酷い状態の第一部隊を見るのは初めてだった。第一部隊は基本練度が高いもので組まれ、危機に反応できるもの達が集まっている。
    その地獄とも言える光景に圧倒されて気づくのが遅れてしまった。いや、気づいてしまったとも言える。この第一部隊の隊長を務めているものの存在に。手に持っていた茶器が割れる音がした。我を忘れて必死に探す。帰還時には隊長が戦果と被害状況を報告することが義務付けられている。それが出来ない程に弱っている、ということかもしれない。
    皆が集まっているゲート付近を走り回った、その中でやっと僅かな気配を感じとった。それはそこにあった。重傷の刀の手の中に、握られていた。自分よりも高い目線を持っていたアレは手に収まるほど小さくなってしまった。ヒトの身体を保てなくなったのだからそれは当然だ。元の鉄鋼の姿に戻っただけなのだろうから。ただ、あの頃の堂々とした佇まいもなく、この小さな鉄の欠片になって帰ってきたことで全てを悟った。やつは任を全うしたのだと。


    つづく……!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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