黒長過去黒長は幼少期に両親に虐待された末に捨てられた。両親共に研究者で、母親は研究に没頭して育児放棄、父親は研究が上手くいかないと癇癪を起こし、彼を殴る、責め立てるなどと典型的な虐待を行ってきた。その末、ついに彼は6歳で捨てられたのだ。
しかしまあ、運がいいことに、捨てられてから数時間後とかに優しい人が幼い黒長を保護していった。保護してくれた人は本当にとても優しく、学校までしっかり通わせてくれた、それも、私立の魔法学校。実の両親は、保育園さえたまに行かせてくれなかったというのに。とてつもない差だ。
その学校で、黒長は戌連(じゅつれん)という男の子と出会った。戌連は自分と他の子とも分け隔てなく接してくれた。周りからしてみれば当たり前のことだろう。けれども当時の彼にとってみればそのことは特別で、しだいに彼は、戌連に好意を寄せるようになった。
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