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    armadillo_hkbn

    腐女子/成人/二次創作漫画や絵など描く
    取り扱いカプ飛虎聞(封神)富K(K2)
    左右固定、原作原理主義

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    armadillo_hkbn

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    飛虎聞の結納から結婚式のお話

    序章青草の茂る丘に桜が咲いていた。丘の向こうには柱状の岩山が幾重にも連なり、さながら水墨画の世界であった。風が時折強く弱く吹くたびに青草の斜面を雲が流れていった。
    一際大きな桜の古木の根元に男が腰掛けていた。
    座っていても分かるほどの大男で黄色がかった茶の髪に光が当たった部分が金色に輝いていた。
    手折ったのであろう、桜の枝を弄びながら時折登ってきた斜面に桜に山の連なりに視線を彷徨わせ、また斜面に戻った。手持ち無沙汰なのである。男は誰かを待っていた。

    ここは蓬莱島
    仙人と神が別天地にと選んだ地球に似て非なる星。この丘は桃源郷という名前がついていた。地球にもよく似た場所があって桃源郷と呼ばれていたらしい。同じ名前を付けられたという事だ。

    「ここが別の星ってのも実感が湧かねえし、
    アンタは神になりました。って言われてもなぁ…身体があって五感もあったら何が変わったのかまるでわからねぇ…」
    そう呟くと無骨な手で足元の草を撫で、冷たく澄んだ空気を吸い込んだ。山や、草花、土の匂いがした。
    全て馴染み深いものだった。
    男は地紋の入った上等の生地で仕立てた衣を着ていた。襟や袖口には金糸を使った最上級の織物が使われている。更に腰に巻いた帯は海老色に染めた鰐の皮で作られた物だった。
    珍品とされる代物であった。
    最上の礼装と言ってよい格好をしていたが無造作に地面に座り重く硬い衣装が窮屈なのか、腕を回しとうとう体操を始めた。
    「なんだ、ヒマそうだな。
    こっちの苦労も知らないで良い気なものだ」

    登って来た斜面の方から不機嫌そうな、しかし朗々とした男の声がした。
    「よぉ…随分支度にかかったな。待ちくたびれたぜ」
    憎まれ口を叩くが顔中に笑みが浮かぶ。
    大男は腰を上げて相手の手を取った。
    いかにも武骨な松の木を思わせるような日に焼けた大きな手が、同じように大きいが染みも皺も無い端正な白い手を握りしめた。
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