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    えす.com

    @yaseino_s

    10年ぶりのたのしいおえかき&落書き倉庫

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    えす.com

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    Twitterに載せてた140文字のJ×O妄想設定物語
    「未成年に手を出さずにJがどれだけ耐えられるか」までを追う予定w

    妄想ばかりだけど意図しないネタバレがあるかもしれないので
    もし原作未読・アニメ未視聴の方は読むの気をつけてくださいね

    140文字の世界弊J
    ・「まて」はできる
    ・マッチョ寄り(バキバキではない
    ・寝る時は上半身裸か全裸(欧米スタイル
    ・24言うてるけど30超えてるやろ?w
    ・バリタチのはずだがOが望むなら抱かれてやってもいい(今の所望まれてる気配なし
    ・髪はねぷりより短め(縛って腰丈
    ++++++++++++++++

    弊O
    ・愛とか恋に割と疎い
    ・「まて」しようと努力はしてるが若さ故の興味が最近勝りつつありJに度々諌められる
    (抱く抱かれるがあんまりピンと来てない。同級生とこっそり見たAVレベル)
    ・まだ抱かれてない!清い!!
    ・食欲が鬼!替え玉3つ(社食では不足
    ・Jがいないと辛い。女々しい自分ウケる
    +++++++++++++++

    ティアに「あなた…恋してるのね」言われて

    O「いきなり『あなたはこうです』と枠にはめられても自分じゃ分かんねーよ!」と言いながら頭をガサガサかく

    J「チッ…うっせぇ、悪いかよ(プィッ」

    こう言う対比!!こう言う対比!!
    ※大事なので2回
    ++++++++++++++++

    これまであんまりバイクと学生生活以外の何事においても
    「これ俺の」みたいな執着がなくて
    (仲間を思いやる気持ちは人一倍強いんだけど)
    大体一期一会な感じが当たり前と思っていたのに
    自然とJにまだ執着心と呼ぶには弱い何かを感じ始めるO
    +++++++++++++++++

    チャーター機が確保できず民間航空会社の乗り継ぎによる乗り継ぎで地球の裏側まで73時間
    更に目的のベースキャンプまでは10数時間の秘境中の秘境
    普通の携帯の電波は勿論なく支給されている衛星携帯電話が出来るのは通話と曜日・時間の確認のみ
    「今日はあいつ…ガッコウか」
    +++++++++++++++++

    HRまでの休憩時間中クラスメイトからの鼻息荒く
    「何組の誰それが誰と付き合ってる。手を繋いでるの見た」
    報告を聞きながら自分の手をまじまじと見つめる
    男…女…付き合う…手を繋ぐ…
    ぼんやりと子供の頃母親と繋いだ手の感覚と銃の重さを思い出す
    +++++++++++++++++

    「いやあJくんが来てくれて本当に助かった!被害が最小限に抑えられて我々も無事任務完了だよ」
    「次の現場でも死ぬんじゃねーぞ、またな」
    後ろ手を振りながら現場を後にする
    左手で衛星携帯電話の電源を入れ日付を確認
    日本は朝を迎えようとする時間
    帰りはチャーター便が用意されてる事を心から願う
    ++++++++++++++++

    「なあJ、お前今まで何人と付き合った?」
    「はぁ?じゃあお前は今までの人生で食ってきたパンの枚数言えんのか?あぁ??」

    喧 嘩 勃 発
    ++++++++++++++++

    山本の部屋に呼び出されるJ
    チェコ出張中のはずのティアも同席
    「2人の事に口を挟むつもりはないしJくんを信用しているが社内や現場の風紀、法律的にもOが未成年な事は念頭に入れろ」
    はいはい、お小言か
    「『どうしても』と言う時は連絡してちょうだい空間を捻じ曲げてでも助けてあげるわ」
    怖…
    ++++++++++++++++

    学校帰りクラスの野郎共と時々行くファストフード店
    「Oは双子と仲良いよなどっちが好み?胸か?尻か??」
    「この動画マジやべぇの!あ〜金髪美女いいよな〜」
    「今どき金髪は脱色脱色」
    店内時計は17:40を過ぎた頃
    テーブル下のスマフォのフライトレーダーが羽田へ向かうチャーター機の機影を捉える
    +++++++++++++++++

    20時になる少し前
    次の任務のブリーフィングが始まる前で会議室は人の出入りが激しい
    19時頃友達らと別れて戻ったOは制服のまま会議室の隅に
    配られた資料をチラ見したあとふと出入り口を見ると見慣れた金髪
    「よぉ」
    「なんだよボロボロじゃんか」
    「途中ドバイ給油で23時間」
    「23時間か…お疲れ」
    ++++++++++++++++

    「で、アイツとはよろしくやってんのか?」
    「うわ!言い方がオッサンくさ」
    「ころすぞ」
    金で動く傭兵稼業、次会う時は敵か味方か分からない
    「O今度飲みに行くか」
    「奢りならな…ん、でもやめとくJに迷惑かかるしな」
    「ふーん…お前まだ抱かれてないのな」
    「!」

    突如擦り寄るあかおみ要素www
    ++++++++++++++

    弊A
    ・Oおちょくると楽しい。真意は不明
    ・こう言う仕事いつ死ぬか誰も分からんし男でも女でも楽しめばいいんじゃねーの
    ・JとOの関係をそれとなく知ってる
    ・仕事で鉢合わせしやすいが互いのプライベートな連絡先は知らない
    ・A社に入れば?→会社に縛られるのは性に合わない
    ++++++++++++++

    午前中、行きつけのバイク屋へ定期点検に出した
    終わるのは15時ごろなので街へ出る
    買い物にでも行くか?多分冬物が出始める頃
    おしゃれなカフェとか柄じゃないし流行りものにも疎い
    映画でも見にいくか
    「そう言えばあの新作Jのやつ見たいって言ってたな」
    …やめとこう、1人答えを知っても意味がない
    ++++++++++++++

    数日間風呂にすら入れない環境のまま日本へ
    久しぶりの熱いシャワーが有難い
    溜め込んだ砂埃を全て洗い流した後は強烈な眠気
    ベッドに入るとそのまま落ちる
    朝4時過ぎ
    スマフォには特に急ぎの要件ではない通知が数件と未読メッセージ
    「起きたらラーメン食いに行こうぜ」
    朝からかよw
    付き合ってやるか
    +++++++++++++

    「Oお前そこ座れ」
    Jのお説教タイム
    お前は未成年で何をするにも大人の指導が必要
    付き合っていく限りその責任は自分にも当てはまる
    もっと自分を大事にしろ
    「何でそこまで言われなきゃいけねーんだよ」
    「家族や仲間、愛する人を守ることがマリアとの約束だからな」
    青い視線と目が合い反論出来ない
    ++++++++++++++

    「深夜人の気配で目を覚ますとひたひたと室内を裸足で歩き回る音が近づいてきて、とっさに目を閉じ様子を伺うとベッドまで来た足音は枕元で止まりじっと自分を見下ろしてる気がする
    そうして…さらっと何かが顔に触れたから『J??って』
    びっくりして飛び起きると誰もいなかったんだよ」
    「ふーん」
    +++++++++++++

    「長い任務の時木陰で少し仮眠したらな、誰かにキスされた気がして目ぇ開けたらラクダだった」
    「ラクダwww」
    「その辺の部族が放牧してるやつな。人に慣れてる」
    「気性が荒いって聞くけど大丈夫なのか?」
    「可愛いもんだぜ。毛のフワフワチクチク感がなんかと似てんだよ(チラ」
    「俺!?!?」
    ++++++++++++++

    「おmえしごといつkら○おr4日kr」
    Jの日本語メッセージは時々良く分からない
    多分『お前仕事いつから。おれ4日から』なんだろう
    文を切る時は。を付けろと教えたが探しても出なくて彼なりに頑張った結果を想像し肩が震えた
    「4日だけ日本語じゃん」
    「おう日本の『日』だかんな(キリッ」
    +++++++++++++++

    弊J(発情期)
    ・発情期がある。おおよそ月の満ち欠けと同じ周期で2−3日
    ・以前EU支社ビルを揺るがす大騒動になったので、以後時期が来たらティアが異空間に隔離するようになったw
    ・数日前から兆候が現れる(体毛や目の変化など)
    ・周期が安定してるので会社が管理しやすい
    +++++++++++++

    以下はスタッフの証言
    「これは中央アジアでの長い任務後互いの無事を讃えあい、ふ〜っとO君がJくんの肩を借りてる時の事です。山本氏からの事付けを伝えるために2人に声をかけようとしたその瞬間、黒髪の向こうから獣がこちらを見ていたんです!本当なんです信じてください!!」
    ※ポイピクのあれ
    +++++++++++++

    上から『未成年に手を出すな』と口酸っぱく言われてるので
    ちゃんと「まて」が出来る弊J
    でも多感な年頃のOは待てなくてJの寝込みに入り込み(積極的w)
    「ジャ…」
    「おまっ!何時だと思っていやがる!
    😮‍💨フゥ…あのなぁ…
    キスしてやるから部屋帰ってさっさと寝ろ!」
    ※ポイピクのあれ
    ++++++++++++

    試験
    出席日数
    仕事
    J
    学校行事のこと
    受験に向けての勉強
    仲間のこと
    報告事務作業
    こないだ耳にした小さい遺跡のこと
    青い瞳と
    飯行く約束してること
    クラスで話題の動画
    気になる国際情勢
    バイクメーカーの新作
    金色と
    噂のラーメン屋
    親父元気にしてっかな
    メッセージの既読
    着信と
    あの声と
    ++++++++++++

    O
    新しい任務のこと
    焦茶色の瞳
    仲間のこと
    フランスの自宅
    時差
    飯行く約束
    フワフワの髪
    あいつガッコウ行ったかな
    長い移動のこと
    絵文字とは
    次のOFF
    フランス⇄日本
    打ち合わせ
    なんか気にくわねぇAとか言うやつ
    報告事務作業
    あいつの声
    着信
    スマフォの使い方
    月間層移動距離
    眠い
    +++++++++++++++

    『いいかO』と前置きを押され青い光が近付いてきてニヤリと笑う
    「いきなりガッついて真正面からいくな、歯がぶつかって折角のムードが台無しになるだろうが怪我すんぞ」
    唇の先に残る感触と温度
    ハッと目が覚めてドキドキが止まらない
    なんて夢見てるんだ明日どんな顔して会えばいい?
    ++++++++++++++

    ガッ
    鈍い音がして口元を抑えるO
    おいおいクソがムードぶち壊しかよ
    舌打ちのあと二、三お小言を言ってから軽く食むように口付けた瞬間に目が覚めた
    「クソっ…あいつ夢ん中でも正面突破かよ…ハハッ」
    前髪をガサガサ掻いてゴロンと体の向きを変える
    なんて夢見てるんだ明日どんな顔して会えばいい?
    ++++++++++++

    _人人人人人人人_
    > 喧 嘩 勃 発 <
     ̄^Y ^Y ^Y ^Y ^Y ̄

    きっかけは些細なことで普通なら喧嘩にならず終わる話
    食堂に居合わせた複数の屈強な職員が止めに入り収束
    だが山本には報告が入る
    「で、どうしてこうなったんだ?」
    「……」
    「……」
    言える訳がない。まさか昨日の夢が原因だなんて
    ++++++++++++

    会社1Fロビー横のカフェで見たことのある人影
    「ぅげっ」
    「よう!」
    ゴツい手で手招きしてくる傭兵
    契約の関係で来社したらしい
    渋々そばまで行くと
    「抱かれたか?」
    開口一番やめろ
    「は?おまえら付き合ってんだろ?」
    「オッサンには関係ねーだろ!!!!!」
    怒り心頭の様子を見てニヤニヤするA
    +++++++++++++

    時差の関係で日本に来た時は昼過ぎまで寝る事の多いJ
    「今起きた。ガッコウか?」
    と打ちかけ全消去
    チッ…やめたやめた
    こんな当たり前の事聞いてどうする
    ジョシコーセーじゃあるまいし

    Merde!!
    暫く悶々とした後「メシ」とだけ打って送信
    あと数日で短い休暇が終わる
    ++++++++++++

    昼休みも終わり気だるい午後の授業
    静まり返った教室にリズムよくチョークが黒板に当たって響く書き出しの音
    ノートを取る手を見ていると催眠術にかかったみたいに
    上下の瞼の距離が狭まっていく
    「ああ…だめだ」
    隣にチラリと目をやるとお前もか

    連続登校3日目
    生きてるって、いいな
    +++++++++++++

    『俺が抱いてやろうか(ニヤリ』
    くそ!ムカつく!ムカつく!ムカつく!!
    思い出しただけでも腹が立つ

    パパッと後方からクラクションを鳴らされ見上げると信号は赤から青へ
    慌ててハンドルを持つ手に力を入れた
    「うっせえええええ!!!!!!」
    エンジン音はOの叫び声をかき消しながら唸りを上げた
    ++++++++++++

    急な任務でインドのラダック州
    また学校を休む事になってしまった事を後悔する
    足を向けるのはインドと中国が睨み合う国境そば
    標高4200mを超える空気の薄いこの地での任務は容易ではない
    高台から眼下を望む
    パンゴン・ツォは青い水をたたえた美しい湖
    「ハァ…Jちゃんと飯食ったかな」
    +++++++++++++

    両肩を押し引き離す
    「待て待て待てっ!」
    「うっせぇぇぇぇ!!」
    引き寄せようと必死のOと離そうとするJ
    「何かあった…のか?」
    「なん、も、ねぇ、よ!!」
    グギギギと力を緩める気配がないので敢えてその誘いに乗ってしまった
    力の均衡が崩れ焦茶色の目が大きく見開かれる
    ++++++++++++++

    「あっ」次の言葉はJの舌で奪われ逃げようとしても逃げられず自然と両肩に力が入る
    「んんんっっ」
    両脇から胸と首筋に沿って駆け上がる感覚
    「なんだ…これ」
    唇を離し自分から後ずさっても身震いして視線がうまく定まらない
    Jは親指で口元を拭い
    「…続きは18になったら、な」

    「お前…目の色…」
    ++++++++++++++

    夢見は最悪だった
    何度も繰り返される『あっ』と見開かれた瞳
    舌先から奥まで残るOの感触
    あんな馬鹿げた誘いにのった自分にも腹が立つが
    O以上に動揺した自分がいた
    「…クソが」

    ベッドから起き上がりそのままバスルームへ
    「ウゼぇ…」
    鏡に映る自分の目が金色にキラリと光る
    ++++++++++++++

    「優、夜は飯でも食いに行くか」
    「やりぃ!!流石山本さんだぜ」とガッツポーズ

    焼肉店
    『好きなものを食え』という言葉に甘えて次々と注文
    肉、肉、肉、葉っぱ、肉、肉、肉、肉、肉…
    唖然とする山本を前に雛鳥は大口で平らげていく
    「??やはほとはんもくへほ」
    「…何言ってるか分からんぞ」
    ++++++++++++

    スマフォにスケジュール通知
    「…!クソがっ」
    数日前からOにも目の色の事を指摘され分かっていた
    それにしても憂鬱で仕方がない
    いつものように見慣れた番号へ電話する
    数コールで出た相手に用件を告げる
    『Yには話したの?』
    「いや」
    『そう、あなたに悪くはしないわ。大丈夫3日後出してあげる』
    ++++++++++++

    3時間目の数学が終わり一息ついた時ポケットの中のスマホが揺れる
    そこには一言だけメッセージ
    さっとOの表情が曇るのを見つけたクラスメイト
    「どした?」
    「…いや、なんでもない」

    『行ってくる』
    任務じゃねぇんだろ
    18が何だと言ってその辛さを俺にぶつけないお前は偉い
    早く帰って来いよ
    +++++++++++

    ティアからグリーンランドのカンゲルルススアークでの仕事を与えられた
    あんな所で交戦になりそうな気配はないが寧ろよほど奥地に送られなくてよかったのか

    チャーター機のシートに座りシートベルトを締めた頃メッセージ
    『静かで良い所よ』
    頭冷やして来いって事かよ
    福利厚生としては十分だ
    +++++++++++++

    上下左右自分がどこに向きどこに居るのか分からず
    0であり1であり
    有であり無であり
    全ての音も光も遮断されて
    何月何日何時何分なのか
    自分の事さえ忘れてしまいそうで
    ただ

    ここに来てから誰かの名前をずっと呼んでいる
    いつか忘れてしまわないように
    「…オミナエ」
    「…オミナエ」
    「…オミナエ」
    ++++++++++++

    砂に埋もれた遺跡があると調査隊の報告を受け世界で2番目に大きいと言われるタクラマカン砂漠へ
    戦闘には及ばないはずだが3国の国境が近くきな臭い
    夏に40度を超える乾燥した砂の大地
    「あちぃ…」
    Oが手持ちの少ない水をあおり「ん」と飲みかけのボトルを渡すとJは受け取りそのまま全てを飲み干した
    +++++++++++

    現地コーディネーターが案内したのはその小さい集落に1軒しかないという宿
    ベッドが3つ並ぶ
    「運転手は明日迎えに来るそうです」
    奥の窓際はJ
    真ん中をO
    出口側は自分

    深夜目が覚めふと隣のOを見るとその向こうの闇夜に光る青い光
    「(えっ?!?!J…サン!?!?)」
    慌てて出口の方へ寝返りを打つ
    ++++++++++++

    その日は1日雨
    朝職員の車で学校前まで送って貰う
    6時間目も相変わらず雨は降っていて長くなりそうだ
    (やっべ傘忘れた)
    濡れて帰ることを考えながら昇降口で靴を履き替え外を見る
    「え?なんでお前いんの?!」
    「クソが!さっさと来い!それとも濡れて帰る気か?」
    大きな黒い傘の中へ手を引かれる
    +++++++++++++

    「俺が濡れるだろ?もっと傘下げろよ」
    「あぁ??お前が小っさ過ぎるからだろうが!」
    「お前がデカすぎんだろ!!」
    「我儘言うな」
    「Oクンが風邪ひいちゃうだろ!!」
    チッ…
    Oの肩に腕をかけ引き寄せる
    青い目がめちゃくちゃ近い
    黒い傘で良かった
    これは学校のやつに見られちゃダメなやつだ
    ++++++++++++

    「Jに俺のとっておき美味いもん食わせてやんよ」
    「お前料理出来んのかよ」
    「うっせぇ!あんの!」
    2つの小さい袋状
    「これと、これを入れてお湯を注ぐ…J味噌汁いけるよな?」
    「んぁ?」
    美味しそうな香りが漂うキッチン
    「これを飯にかける!!食ってみろよ」
    「…délicieuse」
    「だろ?」
    ++++++++++++++

    用事もないのにスマホを見てしまう
    学校だったり会議中だったり任務の前後だったり
    一言だけで良いからメッセージが入ってないかを待ってる
    あれ?俺いつからこんな弱々しい奴だった??
    「ハハッ……」
    会議中隣に座ったエージェントがこっちを見て怪訝な顔をする

    『早く戻れよ俺だけの獣』
    ++++++++++++

    仕事上定期的なメンテも必要で朝からA系列の大病院へ
    一通り検査が終わりついでに怪我をしたエージェントを見舞う
    「よう、くたばってねぇか?」
    「Yじゃないか!元気そうだな」
    ピロン
    「任務か?」
    じゃあなと別れ病室を出て確認

    『彼部屋で眠ってるわ』
    はやる気持ちを抑え帰宅の途に
    足取り軽く
    ++++++++++

    後頭部から鷲掴みにされたのは頭部そのものでなく
    有体に言うなら『魂』か
    枕に沈む頭部が更に沈んでしまうような感覚がすうっと細く長くなった先はまだ闇に繋がっている
    (…オミ…エ)
    (とにかく何をするのも億劫だ)
    (…オミナエ)
    (声は聞こえてるのに)

    「薬で眠らせてるのよ、少し休ませてあげて」
    +++++++++++

    「ティア!なんでJは起きねぇんだよ!!」
    「普通あの空間に入れられたら自分を捨ててしまうものだけど
    彼…どうしたのかしらソレを受け入れずに抵抗したみたい
    彼余程…あなたに入れ込んでるのね」
    「え!?あ??」
    びっくりしたO反応に困っていると

    「クソが…」
    小さく毒付く掠れた声が聞こえた
    ++++++++++++

    数ヶ月前休暇でフランスにあるJの部屋をOが訪れた時
    コーヒーを飲みまったり雑談してるとビー!と呼び鈴
    Jが対応しどうやら人が来る気配があった
    招き入れられたのは女性
    美人だ
    入口で頬にキスし合う2人
    どこの国でもある見慣れた挨拶なのに心がチリッとなるO
    +++++++++++

    2人はフランス語で二言三言言葉を交わすと突然Jが
    「俺はちょっと出かける。お前はこいつにヨクしてもらえ」
    「はぁ???」
    Jは手早く身なりを整えると
    「1時間くらいで戻る」
    「え??あ??じゃ、Jサン??」
    ハハハと遠のく笑い声と閉まる扉の音
    え?ええ???
    ニコと微笑んだ彼女が近づいて来る
    ++++++++++++++

    外に出たJはズボンのポケットにねじ込んであったタバコに火をつけ吸い込んだ煙を勢いよく吐き出した
    「チッ!…ったく甘ちゃんはどっちだ…クソが」
    中指で火のついたままのタバコを弾き飛ばす
    歩き出したものの特に行く宛がある訳でもなく人の流れがある通りまで出るとその流れに溶け込んでいった
    +++++++++++++++

    帰宅は1時間を少し過ぎた頃
    数点の食べ物と飲み物を手に戻ってきたJ
    彼女の姿は既になくソファに背を向けて横たわるO
    ソファ中央あたりに腰を落としゆっくりと抱き締めるように耳元で
    「…よかったか?」
    Oはキッと振り向いてJの胸ぐらを掴んだが直ぐやめてふて寝
    暫くの口をきいてくれなかった
    +++++++++++++

    柔らかい白い肌とか
    良い香りがしてるとか
    何が起こってるのか考えが追いつかなくて頭がグルグルする
    ベルトを外す音で正気に戻り
    「ちょっ…タンマ!」
    そっと優しく手で目隠しされる
    「目を瞑ってて…彼の事、考えてていいのよ」
    体の力が抜けていく
    J
    J…
    J……

    頬にキスされた
    後はよく覚えてない
    ++++++++++++

    コスタリカ
    「お前Oのツレの…Jだな?」
    「……」
    1番会いたくないやつに会った
    「あいつ早く抱いてやらねえと変な虫が付くぞ?」
    「はぁ!?」
    「オレとかな(ニヤ」
    「てンめえぇぇ…」
    「お〜争う気はねえ」両手を挙げ敵意がないことを示す
    「Oに余計な事したらぶっ殺す!」
    SPASを持つ手に力が入る
    +++++++++++++

    数学の授業中ポケットの中でスマホが震える
    教師が黒板に向かったのを見計らい机の下でチェック
    Jからだ
    『気をつけろ』
    「なにを?」
    『お前が』
    「今どこ」(何言ってんだ)
    『コスタリカ』

    「あ〜じゃあO、×ページの式を解いて」
    「あ、はい」

    ポケットのスマホは震え続けた
    ++++++++++++++

    3時間目がやっと終わり休憩時間
    さっきまで震えていたスマホを見ると
    着信37件
    メッセージ5件
    『おい』『出ろ』『O』『おい』『でんわ』
    Jサンよ…これは重すぎる
    ため息まじりに通話ボタンを押す
    「Oか?」
    速攻出た
    「悪りぃなこっちは授業中で…」
    時差15時間
    コスタリカは夜8時頃か
    +++++++++++++

    続き)
    Aはやれやれと言った感じで
    「歳のこと気にしてんのか?こんなシゴトいつ死ぬかわからんのにな、今日日の高校生はサルみたいなもんじゃないかハハッ」
    「…」
    手に持ったSPASをAへ向ける
    「お前の知らないOの事、共有してやてもいいんだぜニヤ」
    総毛立つのを感じるJ
    「なぁ『Jサン』よ」
    +++++++++++++++

    外はバルコニーを超えて内側の窓に打ち当たる程の暴風雨
    「てめぇはガッコー行かなくていいのかよ」
    「休みなの、警報出てっからな」
    ペタペタと裸足のままキッチンへ
    冷蔵庫からコーラ2つ持ってJが座るソファへ
    「はぁ?朝からかよ」
    「嫌なら飲まなくていいんだぜ」
    2人分の重みでギシリと軋む
    ++++++++++++++

    Aの一件以降悶々としたまま任務が続きやっと解放されたJはOが任務で滞在してる北米へ
    部屋を訪ね入るとそのまま激しく口付けた
    (えっ?J!?)
    「んンっ」
    (これ…本気のやつ!!!)
    「J…」
    「クソっ…」
    「発情期か?」
    「チガウ」
    Jのタガが外れかけてる気がする
    +++++++++++

    舌先を繋げたままドンとOを壁へ追い詰める
    「やめ、ろ!よ!!」
    顎と肩を押しやり力一杯Jを離す
    興奮した獣はフーフーと肩で息をして
    「お前、あのくそ野郎とよろしくやったのかよ!!」
    「は…?はあぁ!?誰が!?」
    言葉が想定外すぎて声の2トーンくらい上がる
    JはAに煽られた事に気付き頭を抱えた
    +++++++++++

    Jは床にしゃがみ込みOはベッドに腰掛け経緯を説明しあう
    AがT社に在籍中インドで現場が被った事
    これまでに何度か揶揄われた事
    まるで何か関係があるように匂わし嗾けられた事
    「クソがっ」
    「チクショウやられた…」
    「…すまんO」
    「あ、いや…うん」
    互いの照れ臭い空気に視線が合わせられない
    +++++++++++

    心地よい眠りとはこう言ったものなのか
    長距離移動や日頃の任務と学校生活の疲れがどっとでて
    昨夜はベッドに沈み込むよう重く深く性急に眠りの淵へ
    夢を見たかは覚えていない
    目覚めは爽快で緩く開いた瞼は重くなく
    カーテンの隙間からは柔らかい陽光に心がほころぶ

    隣に眠る金色の獣を見るまでは
    +++++++++++

    ギョッとしたもののJを起こさないように寝返りを打つふりをして反対側を向き少しずつ距離をあける
    つま先がベッドの端についた時突然首元を引き戻されホールドされる
    「チッ!…風邪…ひく…だろうが…」
    頭部にJの温かい寝息が当たり髪がフワフワと動く
    背中の温かさで再びOは眠りへと誘われていく
    +++++++++++

    1時間後
    脇腹に適度な重み。目の前の黒フワフワから出る腕
    次にギョッとしたのはJの方だった
    飛び起きそうになってグンと頭が引き戻される
    (こいつオレの髪の上に寝てやがるっ)
    「なっ!?チッ!クソが!O起きろ髪を引きちぎる気か!!」
    「ん…ぁ」
    腕で向こうへ押しやる
    どうしてこうなった
    +++++++++++++

    「痛ぇぇ!!」
    ベッドの外へ蹴り出されたOがノロノロと起き上がる
    「なんでテメェが隣で寝てんだ!!」
    「いや…ここは俺の部屋でJが夕べ乗り込んできたんだろ?!」
    些細な誤解が解けてやれやれとベッドにひっくり返ったO
    その狭い隙間に俺も疲れたと倒れ込んで朝まで熟睡のJ
    「「良く寝た」」
    ++++++++++++

    「Jって誰にでもすんの?あぁ言う…本気の…やつ」
    「バっ…お前はバカか?誰にもはしっ………ぉ」
    「あのJサン、良く聞こえませんが」
    プイッと向こうを向いてしまったJの表情は見えないが
    あれは間違いなく照れてる
    「チッ…悪かった」
    「ハハッ風呂入ったらなんか飯食いに行こうぜ腹へった」
    +++++++++

    1時間目の授業から机に突っ伏してるOに呆れ休憩時間に後頭部を一発叩く初穂
    「いい加減ゲームも程々にしなさいよね!」
    「痛ぇなぁ分かってんよ!!」
    顔を上げ毒付くOは気付いてないかもしれないが背中にキラリと光る筋
    (あれ…きっと髪の毛だ)
    「本当にゲームかどうだかね…」
    「はあぁ!?」
    +++++++++++++

    いつかJと行きたい場所
    きっとあの目と同じ色してっから

    『ブラジル レンソイス』
    ++++++++++++

    ガチャガチャと鍵を開ける音
    「よう帰ってきたぜ」

    『おかえりJ』
    『おかえり!兄さん』
    もう聞くことがない声が耳の奥で聞こえる
    時間の止まったようなキャビネット
    亡き養母、義弟、実の父母と赤子だった自分
    「みんな、こいつも頼むな」
    仕事仲間が撮ってくれたJとにこやかに笑うOの写真を加える
    +++++++++++

    「Jここ湿布貼ってくれよ」
    先日の任務で痛めた背中を服を捲り手が届かないと言う
    裏面のフィルムをペリペリと剥がす音

    「ひゃっ…何しっ!」
    真っ赤な顔をして飛び退くO
    「おまえ隙見せ過ぎだろ…分かってんのか??」
    「だからってっ」右首筋を押さえる
    「湿布は貼った。ガキはさっさと寝ろ」
    ++++++++++

    Oが壁ドンやってみたいというのでさせてみた
    「…で?」
    「…」
    「『壁ドン』してどうしたい喧嘩か?」
    「…」
    「チッ 黙っててもわかんねーだろ?」
    「………ワカンネ」
    「ハァ?」
    「…オレダッテ、ワカンネェ」
    「小声ヤメロこれだからお前はクソガキなんだ…フツー喧嘩かキスかどっちかだろ」
    ++++++++++++

    放課後のファミレスでクラスの友人たちに本当は彼女が居るんじゃないかと詰め寄られるO
    最初は話を上手く躱していたが『学ランに明るい色の長い髪が付いてた』なんて話を振られて逃げ道に困る

    「ゆ〜ぅ〜ちゃん❤️」
    「芳乃ぉ!?(助かった!!)」
    I校の彼女が居ると噂になるのは時間の問題だった
    ++++++++++++

    慌てて芳乃を連れ出し店外へ
    「フルーツパフェとモンブラン」
    「はぁ?」
    「フルーツパフェと、モンブラン❤️」
    助けたから奢れと言うのか
    「……」
    「……金髪の…恋人??」
    「っ!わーったよ!!!」
    「じゃあそこの角のA店で待ってるわね〜」
    仕方がない、同級生には用事が出来たと言っておこう
    ++++++++++++

    A社の非公開資料によると9月9日はJが生まれた日らしい
    「オレだって知らんもんが載ってんのか」
    「お祝いなんか要る?(脱ぎ」
    「大事なもんは18までとっとけ」
    「……」
    「ただ、お前が生きてるだけでいい。それで18になったら抱かせろ。今年の分もだ、いいな?」
    #ジャンおみ版ジャン誕2022
    ++++++++++

    この一件後2人の休みが重なる日はどちらかともなく自然と一緒に眠るようになった
    とにかく本当によく眠れるのだ
    孤独な獣が群れを見つけ夜は体を寄せ合い眠るような安心感
    そもそも1人用のセミダブルのベッド
    Oが落ちそうになると自然にJが引き寄せる
    身体の暖かさや寝息が互いを眠りの底へ落とす
    ++++++++++++

    深夜眠りの世界から現実に戻る
    暫くぼんやり天井を眺めたのち枕元のキャビネットの上にあるスマホの電源を入れると2時過ぎ
    隣からは静かな寝息ただ少し距離がある
    「おい落ちるだろうが」
    呟くように言って抱き寄せ肩口にそっと口づけ眠る
    「……J」寝言か起きたのか
    キッチンの冷蔵庫がブゥンと鳴った
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