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    キラライ

    自創作の過去絵まとめたり
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    キラライ

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    フォーチュンドール本編10

    フォーチュンドール1章10話「はぁ?あいつ体調悪いから今日は休み?」

    最終トーナメント初戦、幸のいるチームの対戦相手は将信のいるチームだがそのチームは今日1人体調不良で欠席しているらしい。将信のいるチームは本来4人なのだが1人は海外留学しているため実質チームにいたことはない、ただ成績のために入れてもらっているという、そして1人いないとなると対戦相手は二人、対して幸のチームは基本3人なのだが人形も含めたら8人にもなる。これは大きなチャンスかもしれない。

    そして試合開始の合図のあと将信は仲間に指示を出す。その内容は将信と幸を実質1対1で戦わせることだった。将信の仲間は唯と雫と戦い、先に決着がついたほうが加勢する形にしたのだ。1対1といえど幸は人形が5人いるのだ、他の2人も2対1になるのなら数ではこちらが優勢であるが相手は3年生なので油断はできない。

    早速、将信がゴーレムを作り出し、魂を入れ操作する。ゴーレムの動きはそんなに早くない、速さであればミウが一気に距離を詰め、カッターナイフを突き刺すが岩のゴーレムでは歯が立たない。そして、ゴーレムの巨大な体による振り払い攻撃に一気に吹き飛ばされる。その隙に近づいていたカーマインがフェルネリシアのバフ魔法で強化された力で金槌をゴーレムに振りかざす、うまいことゴーレムは砕けた。この調子でカーマインはどんどんゴーレムを砕いていく、ゴーレムの動きが止まっているのでチャンスだと思ったが次の瞬間、砕けた岩の破片が一気に幸のいる方向へ飛んでいく、司令塔と幸を一気につぶす気だ。グレーラはすぐさまシールドを張り防御態勢に入り、飛んできた破片から幸を守ることはできたものの、幸たちはすでに次の魔法が繰り出されていることに気づかなかった。上から岩石が落ちてきた。幸は躱そうとするが、気付くのが遅れたためうまく体を動かせず転ぶような形の回避行動になってしまい、岩と地面の間に服が挟まってしまった。ゴーレムの拳が幸の目の前に現れる。グレーラが幸の目の前でシールドを張り、受け止めた拳をカーマインが砕く。幸がどうにか体勢を立て直そうと目線を別の場所に移す、だがそこには魂をゴーレムに入れて戦っていると思われていた将信の立っている姿が見えた。

    「え…?」
    「ゴーレムばかり操作してるとほかの魔法が使いにくくてな。」

    将信が次の魔法を繰り出す。次は下だ、幸がうまく動けないうちに地面が突き上げられ、幸の体は宙を舞い、人形たちが受け止めようと集まっていた。将信は決着はもう着いていると思い、仲間の手助けに向かう。ゴーレムを召喚し、一瞬で唯と雫を振り払い、試合終了。

    「あーあ、ここまで来て負けちゃったか~」
    「まぁ…ここまで来たのが…奇跡だし…いいよね?」
    「先輩、いい戦いをありがとうございました。
    「おう、大人げなくてすまないな。」

    将信は次の日の準備のためにもう休むと言い、3人の前を去っていった。幸は将信に一礼し唯と雫にどういう戦い方をしたのか聞く。相手もなかなか強かったが幸がやられた時でも2人は戦いを続けていたのを褒めてあげよう。幸は自分たちへのご褒美をしようと言って打ち上げに行くことにした。さて、どこの店に行こうかしら。

    将信は1人で校門の近くにいた。すたすたと歩いていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、一瞬にして冷や汗が一滴垂れた。

    「せ~~~~~~き~~~~~~~ば~~~~~~くぅん?」

    振り向く隙すらなく、いつの間にか脇の下から腕が出てきてがっちりホールドされ、一気に視界がゆがみ、上半身に痛みを感じる。見事なジャーマンスープレックスを決められた将信に対し、眼鏡をクイっとあげてニタっと笑う澪の姿がそこにはあった。

    「せ、先輩…。」
    「やぁ赤馬くぅん、久しぶりだねえ元気にしてたぁ?」
    「あ、はい…。大胆なあいさつで…。」
    「と~こ~ろ~でぇ~赤馬くぅん?さっきの戦いはよかったねぇ~特に最後さ~?」
    「最後…?2人ぶっ飛ばし…あ…。」
    「僕の妹に攻撃したよなぁあああああああ!?」

    将信はすぐさま立ち上がり、逃げの体制をとるが澪につかまり、軽く関節技で固められてしまう。この2人は前の2年間でチームを組んでいた仲で実はとても仲がいいのである。しかし澪にとってみれば妹との関連ともなると話は別なようだ。


    幸はカバンの中からアリサを取り出した。今回の学校行事を終えてのアリサからの自分の評価を聞こうと思ったのだ。意外にもアリサは幸のことを褒めてくれたのだ。クールな対応は変わらずともその口調はやわらかいものになっていて、幸を認めてくれたようだった。

    「幸さん!良かったですね!みんな仲良くできるのがなによりです。」
    「そうね。アリサこれからもよろしくね。」
    「えぇ、他の人形達共々よろしく。」

    幸が転校してからの半年ちょっとの期間で幸たちはとても仲良くなり、様々な思い出を作った。不安だらけだった転校も運命次第でここまで変わるもの、幸はこれからもあわよくば来年もその先も仲良くできたらいいなと思い、これからの日々を過ごすのだった。

    フォーチュンドール1章 終
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編37
    フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編36
    フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。

    「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
    「わからない…今私は何を?」

    「っていうことがあったんですよ。」

    唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
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