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    キラライ

    自創作の過去絵まとめたり
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    キラライ

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    フォーチュンドール本編11

    フォーチュンドール2章1話11月下旬頃、外の寒さも強くなり、幸は家で暖をとっていた。
    幸のいるリビングの机の上にはグレーラとリレットが仲良く新しい人形作りをしているが、グレーラがなかなか理想通りに人形が作れないらしく、リレットも慰めながら人形の衣服を作っていた。

    「グレーラ、何がうまくいかないのです?」
    「いやぁ、男の子人形って難しいんだな~って女の子に比べて服装も髪型も少ないし、男の人って頓着ないのかしら?」
    「逆に女の子がお洒落さんなのです。グレーラもいろいろ思い浮かべたら理想に近づけるかもですよ。」
    「理想も何もそもそもゼロからってのは難しいわね~」

    グレーラは幸や幸の父親が作ってこなかった男の子の人形を作ろうとしている。
    これも一つの挑戦として、何より幸ばかりに依存するのもよくないと思ってか、彼氏でも作ろうとしているのと、あわよくば幸が異性に興味を持つ可能性があるというのが本音だ。
    しかし、グレーラも幸以外への興味は薄かったし、関わった男も父親くらいであるため、別のタイプの男の人を作るとなると想像もつかずに迷っているようだ。
    最初は王子様タイプの煌びやかなものを作ろうとしたが、今のグレーラのカジュアルな見た目には不釣り合いなのではないかとリレットに提案されて今に至る。
    異性に対して理想を持つということに難しさを覚えたグレーラはふと父親の事を思い出す。
    そういえば、お父様はどんな理想で女の子の人形をたくさん作っていたのだろうかと、価値のある人形はお父様だけではなく色んな人の理想をかなえていたと思うと、お父様の感性が普通なのか、それとも人一倍理想を求めていたのか…作業風景を思い出すとお父様は理想に近づけるために、真剣な顔をしていたが時にはとても興奮して作っていたことを思い出し、父親に対して気持ち悪いという感情を抱いた。
    あーと声を漏らすグレーラに幸はどうしたのかと尋ねるがグレーラは感情を隠して作業を続けた。
    幸や自分はお父様と同類にはなりたくないと渋々思った瞬間である。

    そんな日常を送っていると、家のインターホンが部屋に鳴り響いた。幸は全く心当たりがないが誰が来たのだろうと玄関のほうに向かいドアを開ける。
    そこには先輩である将信の姿があり、見知らぬ男性を背に抱えてここで休ませてくれないかというのだ。
    見知らぬ男は体の一部がサイボーグでいかにも重そうであるし、魔導士の将信がしばらく抱えて歩いたと思うと確かに疲れているかもしれないと思い、家に招き入れた。
    将信はあまりにも重いからと床にその人を置いていいか幸に聞き、幸はクッションを用意して、床の絨毯の敷いてある部分にその人を寝かしつけた、気絶しているようで全く起き上がる気配はない。
    将信は疲れたと言い、幸の家の椅子に腰かけた。幸は普段飲んでいるハーブティを用意しようとするが、いきなり押し掛けたのはこっちだからと用意は必要ないという。
    将信が言うには、もう少し先の建物までこの人は行こうとしていたらしく、具合が悪くなって肩を貸していたらいつの間にか気を失っていて体重がかかり大変だったという。

    「先輩はいい人ですけど、なんで救急車を呼ばなかったんですか?」
    「あと少しのところだったんだけど、如何せん重くてね、たまたま幸の家があったから少し休もうと思ってね、いきなり来てすまんな。」
    「今からでも救急車呼びましょうか?気絶していては目的の場所に行っても意味はないでしょう?」
    「この先にこの人の家があるらしいんだ」
    「そうなんですか?」

    幸は将信の話し方の違和感を覚えた。先輩はこんな話し方だっただろうか?
    それに何かぎこちなさを感じる…しかしそれを聞いていいものか

    「あぁ、幸すこし話たいことがあるんだが、人形達にはあまり聞かれたくないのでね。場所を移してもいいか?」
    「あ、それなら二人を移動させますね。グレーラ、リレット、こっちの部屋に移動して」

    幸はグレーラたちを部屋に移動させ、使っていた道具も隣の部屋に移動させるために持ち上げた。その際に何かを落としたのだが幸は気づかなかった・
    グレーラ達に話が終わるまで部屋から出ないようにと鍵を閉め、将信の方を振り向いた瞬間、将信は幸に近づいており、壁に手を当てて幸を見つめる。いわゆる壁ドンである。
    幸は少し驚いたが、将信が口を開くと自分でもかなり落ち着きがあることを自覚する。

    「幸、ようやく邪魔者はいなくなったな…言いたいことがある。」
    「私も言いたいことがあります。」
    「そうか、先に言っていいぞ。」
    「先輩じゃないですよね、誰ですか?」

    将信は驚いた後に表情を豹変させる。

    「先輩はね、私の事、下の名前で呼ばないんです。」
    「なるほど、そういうことか。まぁいい、その言葉が最期の言葉になるんだからなぁ…」

    将信は壁についていないほうの手で幸の首をつかんだ。片手で幸の首を絞めるがその力はすぐに弱まり、幸はその手を振りほどくと、将信は先程の形相から素顔に戻った。
    幸はそれが将信が魂交換で元の体に戻ったのだとすぐに分かったが、先程気絶していた男がぬらりと立ち上がり、将信の後ろにサイボーグの片腕を振り上げる。

    「尼波!すまない!怪我はないか?」
    「先輩!後ろ!」

    幸が言っている隙に将信は不意打ちを食らい倒れてしまった。
    先ほどまで気絶していた顔の半分と右腕がサイボーグになっている男、藤宮鯆(ふじみやいるか)は将信の能力を利用し、自らと将信の魂を交換させた後。自分の体を気絶させて、幸に近づいたのである。
    鯆は幸と目を合わせると、憎しみを込めた顔で睨んできた。幸は誰かもわからない他人から初めてこんな顔をされ、硬直してしまった。

    「さて、私に合うのは初めてだったか?尼波幸…私が好きだった相手と最も憎いと思った相手の娘…今両親のもとへ送ってやるから…」
    「誰ですか、私が何を?」
    「そうだねぇ、何もしていないけどその遺伝子を受け継いだのが憎い…あいつの血が通っているというだけで憎い…この体を見てどう思う?私は望んでこの体になったわけじゃない、あいつだ…あいつのせいでこんな体にされてしまったんだ。哀れむか?」
    「お父様が?」
    「あぁ、せっかく全員あの世に送ってやろうと思ったのに、お前もあいつもあの場にはいなかった。あの方だけが亡くなったのは誤算だったが、あいつは勝手に亡くなっているとは…」
    「まさか家の火事はあなたが!」

    幸は目を見開いて震える。父親のことを恨み、その延長で自らが殺されることに恐怖を抱いた。頼れる先輩も巻き込んでしまったし、この場で人形達を部屋から出そうにもすぐにカギを開けれるかというと無理がある、絶体絶命、鯆は動けない幸に向かってサイボーグの右腕を振りかざそうとした瞬間、鯆の左足から血が噴き出し、痛みから鯆は一気に体制を崩す。
    幸は鯆のその姿を見て呆然とするが鯆は後ろを振り向き窓の外を見る。そこにはゴーグルをつけたスナイパーがこちらにライフルを構いていたが立ち上がり、一瞬にして部屋の中に入ってきた。鯆は舌打ちをして瞬間移動し、逃げ出したのである。
    ゴーグルをつけた緑の髪のポニーテールの女性は幸の足元を見てゴーグルを額まで持ち上げて、幸のほうを向き直し、あいさつをした。

    「よう、いきなり家に撃ち込んじゃってごめんね、でもこれ動物しか当たらないから安心して、私は泉谷夏希(いずみやなつき)、将信を見かけたけど大丈夫?」

    つづく
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編37
    フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編36
    フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。

    「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
    「わからない…今私は何を?」

    「っていうことがあったんですよ。」

    唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
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