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    キラライ

    自創作の過去絵まとめたり
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    キラライ

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    フォーチュンドール本編15

    フォーチュンドール2章5話季節は12月下旬、幸の家に置いてあった地域情報誌をカーマインとアリサが覗いていた。
    巷ではクリスマスというイベント情報でいっぱいであり、カーマインもイルミネーションというものを一目見ようと、幸に外出しないか聞いていた。一方アリサはカーマインが案外ロマンチストであることに意外だと思ったがクリスマスというイベント、どこぞの宗教のお偉いさんの誕生日だとお祭り好きな民族がでっち上げたイベントだと聞いているし、家族で過ごす日というのも紀元前からその風習はあったとどこかで情報を見たことがあるのであまり魅力的に感じなかったのだ。
    幸はイルミネーションを見るなら夜のほうがいいし、何より買い物に行く理由があんまりなかったので、何か買い足すものはないか考えていた。そこにリレットが幸に話しかけに来た。これもまたクリスマスに関したことで、この時期にしか買えない限定の模様の布地を買うのはどうかと提案したのである。幸はなるほどと言い、具体的にどんなものがあるのかスマホで調べ始めた、北欧雑貨に使われる模様の布地などがあるとおしゃれかもしれない、後で雑貨屋さんに行こうと幸がいうと、カーマインは喜んでアリサのほうを見た。

    「アリサお姉さまも一緒に見に行きましょうイルミネーション。」
    「私も行くの?そこまで魅力は感じられないのだけど。」
    「リレットも見に行きたいのです。」
    「では2人が見に行ったらいいわ。」

    アリサは本当に興味がなさそうに冷めた顔をしている。そこに他の3人の人形たちも話を聞くとグレーラは常に幸についていきたいというし、ミウもまたリレットとロマンチックな景色を見られるというので同行する。こうなったらフェルネリシアも誘ってしまえばアリサもついてくると考えたカーマインはフェルネリシアにも一緒に行かないかと話しかける。

    「フェルネお姉さまはどうしますの?これから出かけようと思うのですが一緒にいかかです?」
    「そうね、あまり最近は外に出てないのでたまには外に出ようかと。」
    「おーほっほ、決まりですわアリサお姉さま!みんなで一緒に行きましょう!」
    「はぁ、仕方ないね。でもカーマイン興奮のあまり大声をあげないでね、人形が動いていると一般的に知られたらまずいわ。」
    「承知しておりますわ~。」

    時刻を進めて午後3時頃、幸は肩掛けカバンを用意して中に人形達を入れた。目的は雑貨屋さん、家からは少し離れていて、歩くのにある程度時間は掛かる。歩き慣れた道と言えど冬になると雪が積もっていて、少し歩きにくさを感じていた。
    街中を歩けば、歩いている人のほとんどが男女二人組だということに気づく、みんなロマンチックなイルミネーションを見に来たのだろうか?クリスマスは家族で過ごす日だと聞いていたがそれは夜の話で日が落ちるまでは恋人と過ごす人もいるのだろうか?一見、一人で歩いている幸の存在は少し浮いて見える。そうこう考えているうちに雑貨屋さんにたどり着いた。
    雑貨屋さんにはいつもと違った雰囲気の、おそらくフィンランド民謡と思われる音楽が流れており、クリスマスにぴったりの素材や、クリスマスツリー、サンタやトナカイを模した小物などが置いてあった。幸は人形達、主にリレットに気になるものがあればすぐ声をかけてねと言った。
    幸が雑貨屋さんをくるりと見て回ると、雑貨屋さんとは不釣り合いな見覚えのある影を目撃した。幸は思わずスノードームを眺めていたその人に話しかけた、いきなり話しかけたが相手は驚く様子はなく幸のほうを向いた。

    「先輩?こんなところで何か探しているんですか?」
    「あぁ、尼波か、お前は素材でも買いに来たのか?俺は何か玩具がないかとここに来たんだが…。」
    「玩具…?その年で何の遊びにハマったんですか?」
    「いや、遊ぶのは俺じゃない、この時期は近所の子供達と雪合戦をやることが多いんだが、たまには道具を使おうかと思って。それにその年でって…お前と一歳しか違わないだろ…」
    「子供達と遊ぶのですね。それなのにその…スノードームですか?」
    「あー、これは単純に俺が好きだからな。この時期にしか販売してないし、何かと癒されるだろ。」
    「先輩、何かストレスたまることでもあったんですか?」
    「いやな…えーっとまぁ。察してくれ…」
    「あ、そうなんですね。」
    「なんだこの会話…」

    そうこうしているうちに時刻は午後5時前であるが日照時間の短さからか、あたりはそれなりに暗くなっていた。街の明かりやイルミネーションが空気が澄んでいるおかげできれいに輝いている。人形達は顔をのぞかせ、その光を見て関心の声を上げていた。雑貨屋さんからほぼ同時に出た将信は幸にお腹空いていないか聞いていた。幸は冗談半分で何か買ってくれるんですか?と聞いたところ、将信がここに来る途中でクレープ屋さんのワゴンを見たというので奢ってくれるというのだ。あんまり気にしなくていいとは思いつつ、将信が歩き始めているのでついていくと、まだその場所にワゴンがあり、将信は好きなものを選んでいいという、幸はクレープを選び、少し待つとクレープが出来それを受け取った。クレープは焼き立てで温かく、寒空の下で食べるにはちょうど良かった。顔をあげると、外はより一層暗くなっており、イルミネーションの光がすごく輝いていて、幻想的であった。これにはカバンの中にいるアリサも顔を出して見るほどであった。

    「先輩、ごちそうさまでした。」
    「あぁ、どういたしまして。」
    「年下にかっこつけたかったんですか?」
    「そういうわけじゃないけど、時間も時間だったから」
    「今度何かお返しさせてくださいね。」
    「いや、いいよ。この前のお詫びと人形ももらっちまったしな。」

    幸はクレープを食べ終わると、そろそろ帰ると将信に別れの挨拶をする。道が暗いから足元に気を付けてと言われ、幸は来た道を戻っていく。クリスマスが過ぎると、一年の終わりを感じてくる。家に帰った幸は、買った素材を見てインスピレーションを沸かせ、作りたいものの設計図を作り始めた。夜も遅くなりあくびをすると、グレーラがもう寝たら?と話しかけてくる。年越しまでの部屋の掃除人形達にも手伝ってもらおうかしらと思いながら、幸は眠りについた。

    次の日、幸が目覚めると、包装された箱が枕元にあった。グレーラに聞くと人形達からの日頃の感謝のプレゼントだという。開けてみると、四つ葉の飾りがついたカチューシャが中に入っていた。四つ葉は幸運の証だから、幸が名前の通りに幸せになりますようにという、人形達からの願いだった。幸は笑みを浮かべて早速身に着けてみた。そのうちこれ似合う服を買いに行こう。そう思ってまた一日が始まるのであった。

    つづくのかなぁ??
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編37
    フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編36
    フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。

    「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
    「わからない…今私は何を?」

    「っていうことがあったんですよ。」

    唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
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