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    キラライ

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    キラライ

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    フォーチュンドール番外編

    フォーチュンドール3章番外編ここは蛇を崇拝する者たちの住む村、先祖代々蛇を崇拝している。蛇神様からかなり恩恵を受けており、村では争いごとも少なく、作物も不良になることもなく、村の人たちはみな美男美女である。そんな村では、蛇神様からパートナーとなる蛇を授かることもあり、それが決まるのは村で生まれた子が3歳になるまでに蛇神様からの手紙が届くのだという。その手紙には選ばれた子が3歳になったら、蛇の教会に赴くことが書かれているようだ。そしてある年にその蛇を授かる儀式が行われた。選ばれたのは鶴花という女の子であるが、一つイレギュラーが発生していた。本来、一つ前の年に来るはずだった、兄である誉が4歳でこの蛇の教会に入るという。まぁ、一年ずれたとことで特に問題はないのだが、ビビりな鶴花はなかなか教会の中に入ろうとしないのである。そこで、誉が鶴花の手を取り、お兄ちゃんから離れるんじゃないぞと言わんばかりに固く手を握り、教会の中に入っていく。教会の中は薄暗く、今にも泣きだしそうな鶴花は誉の右腕にしがみつき、誉は歩きにくそうに前に進んだ。そして、教会の中の広くいくつかの廊下につながっている部屋にたどり着くと、壁にかかっているいくつものろうそくの火でその部屋が照らされている。いくつもある廊下の向こうから大量の大蛇が顔をのぞかせ、目を光らせると、兄妹は2人とも目を見開き、硬直した。先に動いたのは鶴花である。鶴花は誉の腕から手を放し、大泣きして来た道を戻り、教会の外に逃げてしまったのである。一方、誉は目を輝かせ、一番近くの蛇に挨拶し、戯れる。ある程度戯れたら次の蛇、またある程度戯れたら次の蛇、次から次へと挨拶を繰り返し、そして、ある蛇と目が合うと時間が止まる。誉はこの蛇に間違えないと運命を感じ、手を伸ばす。その蛇、呪いの大蛇もそれに答えるように尻尾を差し出した。これが彼らの出会いである。その後、誉には鶴化に託すはずだった蛇壺を持たせ、呪いの大蛇とともに教会から出るのであった。その日の夜、誉は疲れからか呪いの大蛇に包まれながらぐっすりと寝ていたという。しかし、この後、人間の子育てに慣れた呪いの大蛇でも想像がつかないほどの子に誉は育つのである。


    それから数年がたった。小学校高学年の誉は今日も教会に赴き、最奥にいる蛇神様に抱き着き、頬ずりをする。

    「あ~。この鱗の固さとひんやり感、そしてこの蛇神様の安心感。もう最高~。」

    そう、誉は蛇に対してとんでもない変態になっていたのである。しかもこれをほぼ毎日行っているのである。そして今日も、一匹の蛇が誉を蛇神様から引きはがそうとやってきた。そう、呪いの大蛇である。呪いの大蛇は蛇神様から誉を引きはがしたのち、自分の身を人間の姿に変化させ、誉の首根っこをつかんだ状態で、廊下を歩き出す。その人間の姿は深緑の少しはねっ毛のある長い髪に黄色い目であるがその瞳孔は蛇のようになっていて、紫色の後ろの方の裾が長い服を着ている。

    「人間ごときが蛇神様に触れ合えるどころか簡単に近づけると思うな、毎日毎日…」
    「わあぁん、ロイ~なんで止めるんだよお~。」
    「今度やったら、村の裏の森に捨てるからな。」

    ロイというのは呪いの大蛇の愛称である。ロイは誉を教会の出口まで運び、外に追い出し、教会の扉を閉める。誉は扉とバンバンと叩くが、反応はない。これが毎日の出来事であるが、ある日、村の裏の森に捨てられたとき、森を歩いていた少年に誉は話しかけられる。その少年は望という名で、近くの鳥を崇拝する街の出身であり、不死鳥を相方に持っている。たまに誉に不死鳥の血を分け合たり、炎属性の魔法を教えてくれたりする望と誉はいつの間にか親友になっていたが、その鳥を崇拝する街の鳥たちと蛇を崇拝する村の蛇たちは仲がかなり悪いらしく、ロイもたびたび望と会うことはあったが、望の相棒の不死鳥とはにらみ合いになっていた。余談であるが、鳥の神様と蛇の神様はどちらも温厚で仲がいい方らしい。


    それからまた年月が経ち、誉が高校一年生になって3か月ほどたったころ、村から離れた高校に通っている誉はホームシックを起こし、げんなりしていた。

    「蛇神様と全然触れてないし、ロイは構ってくれないし、火桜の野郎生きてやがるし…もうやだ、村に帰る…」
    「もう3ヶ月じゃないか、そろそろ慣れてくれ…」
    「ロイがもうちょっとかまってくれるなら元気出るんだけど!というかロイは帰りたいときに教会に戻れていいよな!俺も連れてってくれ!」

    誉がロイを召喚していないときは教会にいるロイであるが、最近は誉の就寝時間くらいしか帰っていないため、ロイもほかの蛇たちに心配される声も上がっていたくらいだ。そんなロイから、ひとつ提案した。蛇の教会を管理するキョウカイという蛇がいれば精神だけでも教会に送ることができるという。しかし、そのためにはキョウカイに来てもらう必要があるが、今のキョウカイのパートナーである村の巫女は小学生であるというのだ。しかし誉はもうなんでもいいから教会に行って蛇神様に会いたいというので、ロイは教会でキョウカイと話を進め、村の巫女の小学生に夏休みの大冒険と称して、誉のもとに向かわせたという。村の巫女もとい萌ちゃんはキョウカイと同伴で何事もなく、乗り物に乗ったり、色んな場所を歩いたりした。初めての村の外に目を輝かせていると、誉と合流し、挨拶や自己紹介ののちに誉は土下座し、教会に行かせてくれと頼んだのである。傍から見たら小学生に土下座する男子高校生であるが、目的も相まってただの変態である。誉の目的は後回しにして、誉は萌ちゃんにとことん優しくした。道案内をしたり、一緒に観光したり、気になるものや食べ物も買ってあげた。そして、萌ちゃんは誉に家で泊まることになり、誉の目的である、精神を教会に送る術式をキョウカイが唱えて、誉は倒れた。萌ちゃんは優しくしてくれた誉に寄り添うように眠った。そして、教会内では誉のいつもの行為が始まったのである。次の日、誉は朝ごはんを自分と萌ちゃんのために作り、萌ちゃんも帰る準備をしていた。ちなみに誉は昔から料理が得意で蛇の供え物として何度も作ったことがあるようだ。誉はまたおいでと萌ちゃんに言い、久しぶりに蛇神様に会ったことで気分を上げていった。
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    キラライ

    MEMOハロウィンネタ2024
    幸と雫のハロウィンSS10月31日の昼間、幸の家では人形達が玄関の装飾やジャックオランタン作りをしていた。一方で幸は唯と雫を誘ってカップケーキを作っていた。

    「幸さん、材料はこれで揃いました?」
    「そうね、唯と雫はこの作り方をみて、カップケーキを作ってね。フレーバーや飾りはこっちで切っておくから。」
    「わかり…ました…、できるかなぁ…」
    「少しずつやっていきましょう。唯もカップケーキなら包丁を使わないから安全にできると思うし。」
    「でも料理なんてあんまりしたことないからなぁ。」
    「落ち着いてやればできるものよ。」

    幸は唯と雫に指示を出しながら、色とりどりのかわいいカップケーキを作っていた。幸が珍しく張り切っているのは、先日、将信がハロウィンの日に地元の仲のいい子供たちを連れて知り合いの家を何件か周るというので、幸もなにかのインスピレーションになるかと思い、将信に家に来てもいいと言ったのだ。子供たちに配るためのお菓子として、カップケーキを作ろうと思い、たくさん作るために二人を誘ったのだ。結果的に料理の経験や、楽しい思い出になっているので、すでにとても楽しめている。不安と言えば、いきなりきた子供たちにお菓子をあげたところで、いたずらされたりたくさん話すことになって緊張したりないかと言ったところだが、そのときはそのときで将信にフォローしてもらうことにしよう。
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