Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    オルト

    どうしようもないものを投下

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 178

    オルト

    ☆quiet follow

    タイカケ。タ自覚あり、カケ自覚なしの両片想い。
    花の種類と色は、お好きに想像してください。
    タが、カケくんに伝えたい気持ちです。

    「これ、やる」
    「え?」
     そう言ってタイガが俺に突き出したのは、可愛らしい一輪の花。その辺で摘んできた感じのものではない。きちんとフィルムに包まれ、リボンの飾りまで施されている。
    「これ、どうしたの?」
    「べつに。なんか綺麗だと思ったから、おめぇにやろうと思って」
    「あ、ありがと……」
     俺はその花を受け取って、じっと見つめる。XXX色のXXXX。人から花をもらう事って結構あるんだけど(カケルとしてもカズオとしても)、タイガから貰ったこの花は、特別嬉しい。
    「お花屋さんで?」
    「そう。店員のねーさんに頼んで、リボンつけてもらった」
    「そっかぁ」
     淡い緑のリボン。これはもしかして、タイガの雰囲気を見て店員のお姉さんが選んでくれたのだろうか?
    「えへへ。ありがとね、タイガきゅん」
    「おう」
    「ずっと枯れずにいてくれたらいいなぁ」
     生きた植物だから仕方ないけど、いずれ枯れちゃうんだよなぁ。きっとその時、俺は凄く悲しい気持ちになるだろう。どうにかこのまま保存できたらいいのに。手放したくない。どうかずっと、俺の傍で綺麗に咲いていて欲しい。
    「枯れないよ」
    「え? でもこれ、造花じゃないよね?」
    「あ、いや、なんていうかその……枯れる前にまたやるよ。次も、その次も」
    「えぇ?! でも、そんなことしてたら、タイガきゅんのお小遣い無くなっちゃうよ!?」
    「そ、れは……えっと」
     マズイ、という顔をするタイガ。可愛い。
    「その気持ちだけで、すっごく嬉しいよ!」
    「……ん。でも、さ、俺……」
    「ん?」
    「その花、それと、同じ種類の同じやつ、いつでもやりたいと思ってるから」
     タイガは小さい声でそう言うと、さっさと部屋を出て行ってしまった。
     どうしてこんなに俺に贈りたがるんだろう?
     どうして、この「XXX色」「XXXX」なんだろう?
     俺はじっと手元を見ながら考えたけど、答えは出なかった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤☺❤👏👍💖👍☺❤❤❤🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works