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    タイカケinネスト
    with後輩
    またまた世話を焼かれてほしい……。

    盛り上がるフロア。観客の熱気。ステージを照らすライト。
     それもが俺にとって新鮮だった。普段のプリズムショーのステージとは全く雰囲気が違う。
    「すごい……」
     ステージの中央では、タイガがかっこよく技を決めている。そんなタイガと張り合うように、ガタイのいい男たちがステージで技を繰り出す。けど、タイガの煌めきには誰もかなわない。これは仲間としての色眼鏡じゃないと思う。
    「すげぇや、タイガ先輩!」
    「さすがタイガ先輩っす!」
     俺を取り囲むエーデルローズのストリート系の後輩たちが、やんややんやと盛り上げる。
    「俺も、登ってみたい」
     ぽつりと呟いた俺の言葉は、この大盛り上がりの場内でも後輩に届いたようだ。後輩が、ポン、と俺の背中を押す。
    「カケル先輩も、登ってみりゃあいいじゃないっすか」
    「えぇ、でもなぁ……」
     タイガには、ここではあまり目立つなと言われている。何でもここはストリート系の集まりだから、生粋のアカデミー系と誤解されがちな俺は、アカデミー系を嫌う子たちに槍玉にあげられかねないとかなんとか。
    「タイガ先輩は心配してるみたいっすけど、カケル先輩のゴリゴリのストリート系の技見せてやったら、アイツら黙るどころかカケル先輩のファンになりますって!
    「そんな、まさかぁ」
     笑顔の後輩。なんだか照れる。でも、こうしておだててもらえるのも悪くない。
     まぁ、もしホントにステージに上がるなら、みんなのこと虜にしちゃうけど。
    「カケル先輩。あっちの裏側からこっそりステージに上がって、タイガ先輩びっくりさせてやりましょ! あ! 衣装はバトルスーツでなんてどうです?」
    「あはは! さてはキミたち、タイガとおれっちのバトルが見たいんでしょ~」
     俺の言葉に、後輩たちは頭を掻いて笑う。まぁ、期待されてるんならここは先輩として応えてあげたい。それに、あんなタイガ見ていたら、俺もぶつかりたくなった。せっかくネストに遊びに来たんだ。
    「よしっ」
     俺はステージ裏まで駆けだし、そのまま勢いよくステージへ踏み出した。
    「か、カズオ!? おめぇ、目立つことすんなって言ったろ!」
    「おれっちも踊りたくなってね! タイガ! いざ尋常に勝負!」
     俺がバトルスーツへとチェンジしながら言うと、タイガは一瞬びっくりした顔をしたが、すぐに嬉しそうな笑顔になってバトルスーツへとチェンジした。
    「よし。手加減しねぇぞ!」
    「おれっちも、本気でいっちゃうよん!」
     俺のステージ登場とバトルスーツ姿にざわつく客たちもいる。さぁ、もっとびっくりさせちゃうよん。
     場内に流れる曲に合わせて、俺とタイガはステップを踏みだした。



    「タイガ先輩、嬉しそうだなぁ」
    「あぁ。ホントはずっと、ここでカケル先輩と踊りたがってたもんな」
    「まったく。プリズムショーは凄いけど、恋愛のこととなると世話が焼けるなぁ」
    「ホントにな。俺たちがしっかり背中押してやんねーとな」
    「あぁ! 帰ったら次の作戦会議だな」
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    TRAINING付き合ってるタイカケ。初夜まで道のり通そう。タイガきゅんとお付き合いを始めて早三か月。そろそろ、キス以上のことがあってもいいんじゃないかと思っているんだけど、全然そんな気配はない。俺が一生懸命それらしい雰囲気を作っても、タイガきゅんには全然効いていない。ベッドに座って寄りかかったら、「眠いのか?」なんて聞かれるし、じっと上目遣いで見つめたら「何ガン飛ばしてんだよ。怖くねーけど」とか言われるし、二人きりの部屋で服を脱ごうをしても「暑いのか?」だって! 意気地がないのか、純情すぎるのか……。そりゃ、俺だってキスだけでもすっごくドキドキしちゃうけど……!
     いったいどうしたらタイガきゅんはその気になってくれるだろう? いっそ、正直に先に進みたいと言うべきか? いや、そもそもタイガきゅんはこの先を知ってるの? 俺だって最近調べて知ったのに?
    「うーん……どうしたもんかにゃ~」
     ネットの海で自分と同じ状況の人を探しても、ぴたりと一致する人はいない。それでも、恋人に仕掛ける方法はいくつか見つけられた。
    「何事もものは試しだよね」
     俺は「準備」をすべく、引き出しに仕舞っていたいたローションとゴムを手にトイレへと向かった。

    「ねぇね、タイ 1207

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    TRAINING成人タイカケ。
    おじさん組と無自覚両片想い。
    「それでさぁ~、タイガきゅんがさぁ」
     顔を真っ赤にしたカケルが、日本酒をちびちび飲みながら声を上げる。
    「うんうん、それで?」
    「こんどね、おれっちの出張の前に、どこか遊びに行こ~って、いってくれたのぉ!」
     締まりのない顔で言うカケルに、ミナトが「良かったなぁ」と声を掛けると、カケルは「いいでしょ~」と言って笑った。その隙に、ユキノジョウはカケルの手元から徳利を遠ざけ、自分の手元のものと入れ替えた。
    「だからねぇ、おれっちもう楽しみで楽しみで……」
     カケルはそのまま徳利からおちょこに中身を注ぎ、またちびちび飲み始めた。カケルは気付いていない。徳利が入れ替わったことも、その中身が水であることも。今日はいつもに比べて格段に飲むペースが速く、先程からユキノジョウもミナトもカケルの様子に気を配っている。だいぶ酔っているようで、タイガに遊びに行こうと誘われた話を何度もしている。話を聞かされている二人は、その度に初めて聞いたように反応していた。
    「これ、デートって思ってももいいのかにゃぁ?」
    「あぁ、デートだろう」
    「そうそう、香賀美は照れ屋だから、そう言わないだろうけどね」
    「えへへえぇ。 1563