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    オルト

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    オルト

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    タイカケ
    冬でも油断すると日焼けしますよね……。

    「おめぇ、何顔に塗ってんだ?」
     お出かけ前、鏡の前で念入りに日焼け止めを塗ってると、タイガに声を掛けられた。鏡に映ったタイガは、不思議そうな顔でこっちを見ている。
    「何、って、日焼け止めだけど?」
    「はぁ? それ、夏に使うもんだろ?」
    「冬だって使うのよん」
     そう。冬だって、弱いけれど紫外線がおれっちたちを襲っているんだ。
    「おれっちの白いお肌を守る為には、こうした日々の努力が必要なのよん」
     しっかり塗り込んで、ムラがないかを念入りにチェックする。そんな俺のことを、タイガは鏡を通してずーっと見ている。
    「なんでそんなに日焼けしたくないのかわかんねー。俺は、日焼けしたいのに」
    「えー。タイガきゅんだってせっかく綺麗なお肌なんだから、無理に焼いたりしない方がいいよ」
     実は結構白いタイガきゅん。本人は気にしているけど、俺はタイガきゅんの肌好きだけどな。
     まぁ、焼きたい理由って……
    「ほんな弱そうな真っ白けじゃなくて、カヅキさんみたいになりてぇなぁ」
     ほら、やっぱり。そうだろうと思った! てかあの人は地黒でしょ?
    「そう言えば去年の夏も、日焼けしようと頑張ってたもんにゃぁ」
    「おう。でも、全然黒くならなかった」
     しゅん、と肩を落とすタイガ。そういえば、真っ赤になったかと思ったら、すぐ元に戻ってたね。
    「タイガきゅんさ……もしおれっちが黒く焼いたら……」
    「あ?」
    「おれっちのこと、好きになったりする?」
    「…………は?」
     タイガは口を小さく開けたまま固まった。あ。まずい。振り返って、笑顔を作る。
    「なぁんてね! ジョークだよぉ」
    「……そっか」
     タイガはホッとした顔をする。そうだよね、俺にホンキでそんなこと聞かれたら、びっくりして引いちゃうよね。
    「良かった。俺は、おめぇの白い肌、好きだし」
    「ハイハイ、おれっちの肌は真っ白でカッコわる……え?」
     聞き間違えたかと思って聞き返すと、タイガは顔を真っ赤にして、自分の部屋に駆け込んでしまった。
     今の、なに?
     呆然としていると、タイガの部屋のドアが少しだけ開いた。そして、姿は見えないけれど、タイガの声だけが聞こえてきた。
    「俺が好きなの、おめぇの肌だけじゃねぇから」
     そう言うと、またドアはバタンと閉まってしまった。
     うそうそ、今の何? あんな言い方されたら、俺、期待しちゃうじゃん……。
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