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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    付き合ってるタイカケ

    爪をやすりで丸くする。とがっている場所を見逃さず、丁寧に、丁寧に。
     こんなに爪に気を遣っているのは人生で初めてだ。今までたったら、適当に爪切りで切るだけでやすりなんてかけなかったし、なんなら割れようが剥けようが、どうでも良かった。
    「うっし」
     綺麗になった爪。自分の肌の薄い部分を触ってみても、引っかかるような感じはしない。あとはきちんと手を洗って、手に着いた粉を落とす。
     タオルを部屋に忘れたから、服の裾で適当に拭ってカズオの部屋に向かう。
     部屋のドアを開けると、中は薄暗かった。ベッド横の棚にある明かりだけが、優しく光っている。ベッドの上に座ったカズオが、俺を見て優しく笑った。
    「もー、ノックもしないで」
     口ではそう言いつつも、怒る様子の無いカズオ。
     俺もベッドに乗って、カズオと向かい合う。それから、手を伸ばしてカズオの頬に触れる。真っ白でさらさらの肌は、絹みたいだと思う。この肌に触れる為に、俺は爪に気を遣うようになった。
    「カズオ、いい?」
     尋ねると、カズオは黙って頷いた。
     服の隙間から手を入れて、優しくカズオの肌を撫でると、カズオはくすぐったそうに笑った。
    「タイガきゅん、指先綺麗にしてきてくれたんだね」
    「おめぇのこと、傷つけたくないし」
     そう。全部はこうしてカズオに触れるため。カズオの外側も内側も、全部触りたいから。
    「へへっ。おれっち愛されてんなぁ」
    「ばーか」
     愛してんに決まってんだろ。
     カズオを抱きしめて、そのままベッドになだれ込んだ。今夜もめいっぱいカズオに触れる。
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