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    950文字
    ガリカジのタイカケ

    チャラチャラしているようで、真面目で責任感があってみんなに慕われている、しっかりものの俺たちの寮の長、カジオ・ウィ……ウィ……なんとか、略してカケルは、実はすごくかわいい所がある。でも、それは俺だけが知っていればいいこと。
    「カケル」
    「タイガ」
     部屋に二人きり。カケルが優しく俺の頭を撫でる。みんなの前でされると恥ずかしくて、ついカケルの手を払いのけてしまうけど、こうして二人の時にはその優しい手を堪能する。目を閉じると、カケルの手の感触に集中できる。飛び出してしまった虎の耳を、カケルが優しく揉んでくれる。これが気持ちよくてたまらない。
    「かわいいねぇ」
    「ふん」
     普段は可愛いと言われるのは嫌だけど、こういう事している間は、可愛いと言われることすら気持ちがいいから不思議だ。カケルが何か気持ちよくなる魔法使ってるんだろうか?
    「なぁカケル」
    「ん? なぁに?」
    「俺と二人の時、いつもなんて魔法使ってんだ?」
    「え?」
     カケルは、何のことだかわからないという顔をする。
    「だって、みんなの前ではされたら恥ずかしいことも、こうしてカケルと二人の時は、気持ちよくなる。なんかの魔法なんだろ?」
     それを聞いたカケルは、くすくす笑い出した。もしかして、子供でも知ってるような基礎的な魔法で、俺がそれを知らないだけなんだろうか? もしかして、恥ずかしい質問したか?
    「それを言うなら、タイガきゅんだっておれっちに魔法使ってるんじゃないの?」
    「は?」
     魔法? 何のことだ? 俺はカケルに魔法なんて使ってない。
    「こうしてタイガと二人きりだと、胸がキュンキュンするし、いっぱい触って欲しくなっちゃうんだもん。それに、」
     カケルがそっと俺にもたれかかる。
    「こうして甘えたくなっちゃうの。他の誰にも、こんな甘えた姿見せたくないのに、タイガには見せたくなっちゃう。これって、なんて魔法かな?」
    「ま、魔法じゃねぇだろ、それは」
    「ふふっ。そうだね。一緒だよ」
    「え?」
    「俺も魔法なんて使ってない。だから、タイガが触れられて気持ちいいのは……」
     そっか。魔法を使ってないんだ。カケルも。だったら、俺のこの気持ちも、カケルのあの気持ちも、一緒で……。
     言葉にしたら魔法が暴走しそうだけど、俺たちは互いにその理由を確かめる必要があるのかもしれない。これからの俺たちの為に。
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