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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    タイカケが女装
    ぺろんと捲って怒られてほしい。
    あまり女装を活かせなかった……。

    「ったく! やってられるかよ!」
     エイプリルフールだかなんだか知らねぇけど、俺たちは女の恰好をして撮影をされた。この後エーデルローズのサイトに掲載されるらしい。こんな恥ずかしいもの乗せられるなんて俺は嫌だったけど、オバレもやるって聞いたから、仕方なく撮影されてきた。顔に塗られた化粧がうざったくて、控室に戻ってすぐ乱暴に化粧落としのシートで顔を拭った。
    「あぁ! ちょっと! そんな乱暴にしちゃだめだって! 全然落ちてないし」
     俺のすぐあとに控室に戻ったカズオはムッとして俺を見てから一枚化粧落としのシートを取ると、丁寧に畳んでそっと俺の瞼の上に当てた。
    「目、閉じて」
     言われた通りに目を閉じると、瞼を優しく化粧落としシートを押さえつけられて、それから撫でられる。カズオの指がゆっくり離れていくのを感じて目を開けると、凄く近い位置にカズオの顔があった。俺と同じく化粧をされているカズオの顔は、凄く綺麗だけど……やっぱこんなチャラチャラしてるのより、いつものそのままのカズオの方がずっといい。ていうか、こんな白い粉とか塗らなくても、カズオは綺麗だし。服装だって、こんなフリフリしたんじゃなくていつもの方が似合ってる。なのに、なんでカズオはこんなに楽しそうなんだよ。「俺の好きなカズオ」がすっかり隠れちまってるっていうのに。
    「ふふっ。スカート姿のタイガきゅん、と~ってもキャワイイよん」
     カズオはへらへら笑って、スマホのレンズをこっちに向けて、断りもなく勝手にパシャパシャ撮っている。こんなカッコわりぃ姿なんか残さないで、いつもの俺にしとけばいいのに。
    「もぉ~タイガきゅん、ちょー不機嫌顔じゃん。せっかく可愛いお洋服着てるんだから、可愛く笑ってよ、おれっちみたいにさ~」
    「はぁ? べつに、おめぇのソレ、かわいくねーし」
    「えー! ひっど~い! おれっち結構可愛くしてもらったと思うんだけどぉ? このウィッグだって、質がいいもの可愛くセットしてもらったし、メイクだって一流のアーティストさんにしてもらってるんだけど?」
     作り物の髪を指に絡ませながら、カズオはブーブー文句を言う。そんな髪より、いつもの方がいいのに。
    「も~。せっかく恋人が可愛い恰好してるんだから、嘘でも褒めてよ」
    「んな事で嘘ついてどーすんだよ。つーか、俺がそんなことで嘘いう訳ねぇだろ」
    「そ、それはそうだけど」
     しゅんと肩を落とすカズオは、なんだか本当に悲しそうだ。流石に冷たくしすぎたか? でも……だって……。
    「いつものカズオの方がいいのに、今のカズオのこと褒められっかよ」
    「え?」
    「っ……!」
     しまった。つい、本音が! はっず!
    「そ、そう、なの……?」
     カズオは真っ赤になって、急にしおらしくもじもじし始めた。それから、グイっとヅラを引っ張って頭を出すと、潰れた髪をくしゃくしゃと撫でた。俺にしたのと同じように、丁寧に化粧を落とすと、改めて俺に向き合ってじっとこっちを見た。
    「これで、どう、かにゃ?」
    「ん、そっちの方がいい。この服は邪魔だけどな」
     ふわっふわした布を捲ると、カズオの白い足が顔を覗かせた。そんな俺の行動にカズオは驚いたのか、慌ててスカートの裾を掴んで脚を隠そうとする。カズオの顔を見ると、凄く恥ずかしそうな顔をしていた。あ、なんかコレはいいかも。
    「ふはっ! やっぱ今の方がめんこいや!」
    「た、タイガきゅんのムッツリスケベ!」
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