Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    オルト

    どうしようもないものを投下

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 178

    オルト

    ☆quiet follow

    872文字
    付き合ってないタイカケ

    なんだろう、この状況は。俺はさっきから、タイガに膝枕されて頭を撫でられている。恥ずかしくてタイガの顔を見られず、顔は横を向いたまま、ずっと壁のカヅキさんと目を合わせている。
     タイガは何も言わない。ただ、黙って俺の頭を撫で続けている。最初こそ、タイガから離れようとしたけれど押し戻され、俺も今日はひどく疲れていてもう起き上がるのも怠くて、そのまま撫でられ続けているんだけど、そろそろタイガの脚が痺れていないか心配だ。
    「……ねぇ、タイガ」
    「ん?」
    「脚、痺れない?」
    「別に」
    「そっかぁ」
     表情は見えないが、きっと口をへの字に曲げているであろうことが予測される。やめる気配はない。それどころか、撫でる範囲が広がって、肩や腰まで撫で始めた。ちょっと、くすぐったい。というか、これ以上はちょっと……ほら、疲れてるし……ヤバイ。
     あぁ、カヅキさん、おれっちはどうたらいいでしょう?
     じっと見つめても、当たり前だがカヅキさんからは返事は貰えない。
    「カズオ」
    「は、はいっ!」
    「おめぇ、少しくらい俺に甘えてみれば?」
    「へ?」
     思いがけない言葉に、遂に俺はタイガの方へ視線を向けた。タイガは、見たことないくらい穏やかな表情で俺を見ていた。もしかして、俺が横を向いている間もずっとこの表情で俺を見てたの? そう思うと、なんだか急に恥ずかしくなった。
    「なんかさ、おめぇはいつも俺を甘やかしてくれるけど、俺はおめぇを甘えさせてやってないな、と思って」
    「そ、そうかにゃ?」
    「そうだ。だから、俺に甘えろ」
     正直、甘えるってどういたらいいのかわからない。こうして、タイガにされるがままになっていれば良いんだろうか? そうだとしたら、こうしていたいかも。恥ずかしいけど、なんだか気持ちいい。
    「えっと、じゃあ、お言葉に甘えてこうしていようかにゃ」
    「おう、しておけ。眠くなったら寝て良いから」
     そう言うとタイガは、また俺の頭を撫で始めた。
     さっきヤバイと思った下半身は、すっかり静かになっている。良かった。
     俺はタイガの太腿に頭を任せて、ちょっとひと眠りをしようと目を閉じた。

     あれ、タイガ、もしかして……。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺☺☺☺☺👍👍🍌🍌💞💞😍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator