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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    608文字
    22世紀蕎麦屋タイカケ(3歳×9歳)

    「かける、かける、あのさぁ~、えっと~」
    「ん? なぁに? タイガくん」
     最近、しっかりおしゃべりできるようになったタイガがくんが一生懸命僕にお話ししてくれる。僕も、小学校に上がっていっぱいいろんな言葉を覚えたから、使いたくて仕方ない。
    「えほん、よんで」
    「うん、いいよ~」
     タイガくんが差し出した本を受け取って、ページを開く。可愛い動物たちのお話しのようだ。タイガくんはぼくのとなりにぴったりくっついて、本を覗き込む。最初からゆっくりと読んでいく。タイガくんはお話しに集中しているのか、ピクリとも動かずにじっと本を見ている。
     小さい子向けの本だから、あっという間に終わってしまった。本を閉じてタイガくんの方を見ると、タイガくんも顔を上げて自分の方を見た。
    「カケルすごいなぁ! もじ、全部読めるんだぁ」
     タイガくんがあまりにも目をキラキラさせて言うものだから、なんだか照れてしまう。
    「タイガくんも、ひらがな読めるようになりたいなら教えてあげるよ?」
    「う、うーん……でも、むつかしそう」
    「大丈夫、絵本とか、好きなものでお勉強するのは楽しいよ」
    「え~! おべんきょう、やだ!」
     何を。まだお勉強なんてしたことないのに、お勉強嫌がるなんて、変なタイガくん。僕はタイガくんに色々教えてあげたいのにな。
    「ねぇ、タイガくんも学校に通うようになったら、僕がお勉強教えてあげる。一緒に宿題しようね」
     僕の言葉に、タイガくんは苦い表情を浮かべながらも頷いた。
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