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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    632文字
    黒薔薇のタイカケ
    何も言わなくてもいい関係も良い。

     弁当食って、午後の授業に出る(机で昼寝する)かフケようか迷っていた時、一本の電話。
    「あ?」
     カケルからだ。今日はまだ学校に来ていない。一応真面目に登校してくるアイツがいないのは珍しいが、午後から行くと連絡が来ていたので気にしていなかった。
    「どーした?」
    『あー、タイガぁ……』
    「?」
     なんだか声が弱々しい。
    「どうした? もーすぐ学校くんのか? おめぇが来るなら俺、教室に……」
    『……来て』
    「え?」
    『迎えに来て、くれないかにゃあ?!』
     カケルの声は急に明るくなった。なんだか様子が変だ。
    「どうかしたのか?」
    『ちょーっち色々あってさぁ、自分でガッコまで行くの、ちょっとキツくって』
    「どういうことだよ?」
     怪我? それとも、具合が悪いのか?
     俺は荷物も持たず、カケルとの通話を続けながら階段を下りる。廊下を走っていると教師に呼ばれたが、どうでもいいから無視をした。
    「今、どこに居んだ?」
    『いつものコンビニの裏』
    「わかった、すぐ行く」
     通話を終えて学校を抜け出すと、近くに隠すように止めていたバイクに跨った。よく二人でニケツするからカケルの分のメットも載せてある。カケルもバイクを持っているけど、なぜか俺の後ろに乗りたがる。でも、今日みたいに迎えを要求するのは初めてだ。
    「よし」
     エンジンをかけ、カケルの待つ場所へと向かう。理由はわからないけど、カケルが俺を求めてることには変わりない(ちょっと違うかもしれないが)。俺は、何も聞かずにカケルを後ろに乗せて学校に戻るだけだ。俺たちは、それでいい。
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    オルト

    TRAINING154日目 1352文字
    付き合ってないタイカケのデート
    今日は天気もいいし、比較的暖かい。気持ちがいいな、と思い窓を開けて外を見るとちょうどタイガきゅんが玄関から出て来た。
    「あ、タイガきゅーん! どこ行くの~?」
     呼び止めるように声を掛けると、タイガきゅんはピタリと足を止めた。くるりと振り返ったタイガきゅんは、どこか嬉しそう。何かいいことでもあったのかな?
    「天気いいし、散歩。おめぇも行くか?」
    「え! いいの!?」
    「ダメなら聞かねぇよ。どーすんの?」
    「行く!」
     まさかタイガきゅんから誘ってくれるなんて、思わなかった。スマホとお財布だけを手にし、部屋を飛び出した。外に出ると、タイガきゅんは穏やかな笑顔で立っていた。あんな顔するんだ。
    「よし、行くぞ」
    「うん!」
     俺たちは並んで、温かな陽気の中歩き出した。

     公園に着くと、子供たちをはじめ、老夫婦や若い恋人までいろんな人でにぎわっていた。移動販売の車では、スイーツや軽食を販売していて、俺たちも軽食を手にベンチに腰かけた。
    「ん、おいしい!」
    「こっちも美味い」
     俺はソフトクリーム、タイガはフランクフルトを買った。甘いものを食べてると、しょっぱいものも食べたくなるんだよね。俺も 1422