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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    パンそばのタイカケ。
    そばくんに対して過保護なパンくんが見たいです。

    #タイカケ

    「ねぇね、タイガくん」
    「あ?」
    「これからコウジさんたちと飲みに行くんだけど、タイガくんも来る?」
    「あぁっ?!」
     飲んでいたジュースを噴き出しそうになった。なんで、カケルが、あの探偵と?
    「ふ、二人で、飲みに行くのか?」
     まさか、俺が油断している間にあの探偵がカケルを? 俺らのファンとか言ってたけど、まさか、まさか……。
    「ううん、助手のユウくんやコウジさんのお友達も一緒みたい。タイガくんもどうかなって思ったんだけど……。もしタイガくんにその気がないなら僕一人で」
    「俺も行く!」
     カケルの言葉に被せるように、俺は大きな声を上げた。自分の好きなヤツが、いくら二人きりじゃないとはいえ、俺のいないところで他の男と飲むなんて耐えられない。それに、カケルは酒に弱いんだ。酔ってふにゃふにゃになってるカケルはめちゃくちゃ可愛いし、何かされちまうかも知れない。俺は酒を飲んでも、絶対に少しだけにしておくぞ。ちゃんとして、カケルのことを守るんだ……!
    「えへへ。タイガくんがいるなら安心だなぁ。僕、お酒弱いし、コウジさんのお友達は……僕らも会ったことあるみたいだけど、緊張しちゃうだろうから」
     安心したように笑うカケルを見て、俺は絶対コイツを守らなきゃと思った。

    「……ガく……タイ…………」
     遠くでカケルの声が聞こえる気がする。なんか、全身がポカポカするし、顔があちぃ。頭もくらくらするけど、だけどなんだか気分はいい。
    「かける……」
     俺がカケルの名前を呼ぶと、それに応えるような優しく頭を撫でる感覚。あぁ、カケルの匂いがする。カケルの声が聞こえる。誰と話してる。誰? 誰だよソイツ。俺以外と、そんな楽しそうに、笑うなよ……。

    「……っ!」
     ハッとして身体を起こすと、そこは知らない場所だった。どこかの寝室……いや、これは……。
    「ラブ、ホ……?」
     何が起きたかわからない。辺りを見回しても、俺一人。さっきまで、カケルや探偵たちと飲んでいた筈なのに。ていうか、今日は酔わずにカケルを守るって決めてたのに、俺の馬鹿!
    「そうだ、カケル……!」
     カケルはどうした? ちゃんと家に帰った? 誰かに何かされてないか?
     カケルに連絡を取ろうとスマホに手を伸ばしたその時、バタン、とドア閉まる音がした。音の方を向くと、カケルがドアの向こうから顔を出した。
    「あ、タイガくん起きた?」
    「か、ける……? なんで……」
     カケルの髪は濡れていて、バスローブを羽織っていた。風呂に入っていたのだろう。
    「タイガくん、すごい寄っちゃってさ。帰れそうに無かったから、近くのホテルは行っちゃったんだけど……急いでて気づかなかったんだけど、ここ、えっちなホテルだったんだね」
     カケルは恥ずかしそうに笑った。なんだよ、えっちなホテルって。そんな顔で言うなよ。反応、しちまう。
     俺は足を閉じて、毛布を引き寄せ深呼吸した。
    「タイガくんもお風呂入ってきたら?」
    「え、あ……?」
    「あ、まだ酔ってて無理そう?」
    「いや、平気、だけど……」
     少し頭が重いけど、風呂入るくらいなら大丈夫そうだ。
    「あ、じゃあさ、僕が身体洗ってあげようか? ここのお風呂、結構広いんだよ~!」
    「あ、あぁぁぁああぁ?!」
     俺は大声を上げた。風呂、で、カケルが、俺の身体を?!
    「た、タイガくん!」
     俺は鼻血を出してベッドに倒れ込んだ。せっかくのチャンスをフイにした俺は、暫くの禁酒を誓った。
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