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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    596文字
    パンそばのタイカケ
    パンくんはそばくんに甘そうだから、どこにでも付き合ってくれそう。

    「ねぇね、パンくん」
     ふわふわした笑顔でカケルが俺を呼んだ。周りにいる奴らの顔がへのへのもへじに見えるくらい、カケル・焼きそばの笑顔は輝いていた。
    「どーした?」
    「今日のステージが終わったらね、行きたいところがあるの」
     出番まであと三組。劇場の狭い舞台裏でカケルは俺に耳打ちをした。今このタイミングでわざわざ言うなんて、カケルはどこに行きたいというのだろう。
    「いいけど、どこ……?」
    「え、と……」
     カケルはポッと頬を染めた。え? なんだよ……?
     まさか、ホテル、とか……? そう言えば最近シて無かったもんなぁ。前にヤってる時に隣の部屋から壁ドンされたっけ……。
    「それは、終わってから教えるね! さぁて、お仕事スイッチ入れなきゃ!」
     カケルはさっきまでの照れた表情から、焼きそばの顔に切り替わった。正直俺は気が木じゃなかったけど、ステージに上がるんだからしっかりしないといけない。
    「よっし、行くぞ、焼きそば!」
    「オッケー! パンくん!」
     前の組が履けてステージが暗転する。テーマ曲がかかり始めたら俺たちの出番だ。行先はどこかわからないけど、このステージを成功させたご褒美だと思って、今はステージに集中しよう。

     ステージの後、俺が連れていかれたのは、カケルのハマっている女児アニメのコラボカフェだった。飲み物を十杯飲まされて腹がやばかったが、コースターを並べて幸せそうな笑顔を浮かべるカケルが見られたから、まぁ、いいか。
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    オルト

    TRAININGタイカケ。
    付き合っていくうちに、カケルくんに対してだけ策士になっていくのもいいな。
    このところ、結構冷え込む。青森に比べたら全然だけど、それなりに東京も寒くなるんだな、なんて思いながら窓から冬の空を見上げた。今にも降り出しそうだ。この気温だと、みぞれか……雪になってもおかしくない。
    「さみぃよなぁ」
     今朝、寒い寒いと言いながら出て行ったカズオのことを思い出す。寒いのならもっと厚着をしていけばいいのに、と思うけど、ファッションがどうのこうの言って寒そうな薄っぺらいコートで出て行った。そう言えば、傘、ちゃんと持っていったのか? まぁ、アイツのことだから準備してるだろうし、持ってなくても車移動出し大丈夫か……。でも……。
     俺はカズオに一言連絡を入れる。
    ―今日、帰りは?
     仕事中だろうから返事はすぐに来ないだろうと思っていたけど、案外すぐに来た。
    ―今日は久しぶりに電車で帰るよん! 雨降りそうだから急がなきゃ~
     めずらしい。この言いぶりだと、傘も持ってなさそうだ。
    ―何時ころ駅着く?
    ―あと十五分くらいかな。
    「よっし」
     俺は上着を羽織り、全然使ったことのないマフラーを掴んで玄関に向かった。自分の傘とカズオの傘を掴んで外に出ると、ぴゅうと冷たい風が頬を刺した。
    「寒 1064

    オルト

    TRAINING成人タイカケ。
    おじさん組と無自覚両片想い。
    「それでさぁ~、タイガきゅんがさぁ」
     顔を真っ赤にしたカケルが、日本酒をちびちび飲みながら声を上げる。
    「うんうん、それで?」
    「こんどね、おれっちの出張の前に、どこか遊びに行こ~って、いってくれたのぉ!」
     締まりのない顔で言うカケルに、ミナトが「良かったなぁ」と声を掛けると、カケルは「いいでしょ~」と言って笑った。その隙に、ユキノジョウはカケルの手元から徳利を遠ざけ、自分の手元のものと入れ替えた。
    「だからねぇ、おれっちもう楽しみで楽しみで……」
     カケルはそのまま徳利からおちょこに中身を注ぎ、またちびちび飲み始めた。カケルは気付いていない。徳利が入れ替わったことも、その中身が水であることも。今日はいつもに比べて格段に飲むペースが速く、先程からユキノジョウもミナトもカケルの様子に気を配っている。だいぶ酔っているようで、タイガに遊びに行こうと誘われた話を何度もしている。話を聞かされている二人は、その度に初めて聞いたように反応していた。
    「これ、デートって思ってももいいのかにゃぁ?」
    「あぁ、デートだろう」
    「そうそう、香賀美は照れ屋だから、そう言わないだろうけどね」
    「えへへえぇ。 1563