Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    オルト

    どうしようもないものを投下

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 178

    オルト

    ☆quiet follow

    335日目 1870文字
    タイカケ
    ❄️様視点
    昨日の続き。

     夕飯の後、時間を作って欲しいとミナトに頼まれた。指定された通り、入浴後にミナトの部屋に行くと「まぁ、入って座ってよ」と促された。
    「気付いてると思うんだけどさ、カズオのマスク……」
    「あぁ、カケルっから直接聞いた。タイガに半ば無理矢理させられていると」
    「そうなんだ。カズオ、香賀美に嫌われたんじゃないかって気にしていて……何か心当たりあるか?」
     ミナトに尋ねられて考えてみるものの、さっぱり思い当たらない。確かに、二人の間に何かあっただろうと自分も思ったけれど、何も心当たりがないのだ。先程風呂でカケルと話していた時も、タイガはあからさまにカケルを避けていた。
    「何も思い当たることはないな」
    「そうか……。なんだか見ていられなくて。本人たちの問題なのかもしれないけど……」
    「いや、わかるぞ。ずっとあのままでいられたらこっちも気まずくなるものだ」
     二人で相談し、問題解決の為にタイガから話を聞き出そうということになり、タイガをミナトの部屋に呼び出した。タイガの部屋では、隣のカケルに聞こえてしまう可能性を考慮してだ。
    「なぁ、香賀美。一体どうしたんだ?」
    「……いや、その……なんつーか」
     ミナトの問いかけに、タイガはしどろもどろするだけでなかなかはっきり言わない。
    「タイガ、カケルはお前に嫌われたんじゃないかと気にしてるんだぞ」
    「えっ!?」
     タイガは驚いた顔をして俺たちの顔を見た。自分の態度がカケルにどう思われていたのか、気付いていなかったのだろうか?
    「香賀美、カズオに直接話しにくいなら、僕らに話してくれないか? どうしてカズオにマスクを強要してるのか……」
    「そ、れは……」
    「香賀美」
    「う」
     うむ。ミナトの圧が凄い。表情はいつも通り笑顔だが、有無を言わさない圧がある。
    「カズオの……」
    「うん」
    「カズオの、口、隠したいから……」
     俺とミナトは顔を見合わせて首を傾げた。
    「どういうことだ、タイガ。もっとわかりやすく頼む」
    「その……なんか、変なんすよ」
    「変?」
     タイガは眉を下げて頭を抱えた。
    「カズオの……口、っていうか、唇? がなんか妙に気になって……。気にしないようにしようと思えば思うほど目がいって、その度なんかムカムカ? して……」
     唇?
    「そんで、なんかどう説明したらいいのかわかんねぇんすけど、身体がカーッとなるし見たくないのに見ちまうし……だから、カズオに隠してもらおうと思って……」
     再びミナトと顔を合わせる。ミナトは目を丸くしていた。きっと自分自身も似たような表情をしているだろう。
    「なぁ香賀美、カズオの唇を見て、どう思う?」
    「え……どうって、だから、ムカムカ? モヤモヤ?」
     タイガはうーんと唸りながらぽつりぽつりと話しだす。
    「もっと具体的に」
    「えぇ……。そうっすね……なんか、全然カサカサしてねぇなとか、綺麗な色してるな、とか……?」
     む。ずいぶんしっかり観察しているな。確かに、カケルは日々のケアに力を入れているようだが、正直気にしたことなどなかった。タイガは本当にカケルをよく見ている。
    「それから?」
    「それから……や、柔らかそうだな、とか……?」
     だんだん声が小さく弱くなっていく。タイガの顔をよく見ると、キュッと唇を噛みしめ顔を真っ赤にしていた。
    「なるほどねぇ」
     そう言って頷くミナトは、なんだか楽しそうだ。
    「うんうん、よくわかったよ」
     わかった? ミナトは、なぜタイガがカケルに対してマスクを求めているのかわかったのか?
     タイガがカケルを良く見ている、ということしかわからなかったが……それが何か関係あるのだろうな?
    「あ、あの……」
    「ん?」
    「このこと、カズオには黙っててもらえませんか? もう、マスクしろなんて言わないんで」
     タイガは頭を下げてそう言った。言わないでくれと言うのなら言うつもりわないが、カケルがタイガに嫌われたかもと気にしていることは解決してやりたい。
    「タイガ、カケルはすっかり落ちこんでいる。タイガの方から、『何でもなかった。もうマスクをしなくていい』と言ってやったらどうだ?」
    「う……はい」
     タイガは素直に頷いた。これで一安心だろうか?
     タイガは早速カケルのところに伝えに行ってくると部屋を出て行った。
    「ひとまず解決しそうだね」
    「そうだな」
     ミナトは楽しそうな表情をしている。
    「香賀美は、自分の気持ちに気付けるかな? どうして、カズオの唇が気になって仕方ないのか……」
    「ミナトにはわかるのか?」
    「え?」
    「ん?」
    「太刀花……わかってなかったのか」
    「ぬ?」
     よくわからなかったが、翌朝二人は仲良さげに話をしていたので、きっと解決したのだろう。よかった、よかった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭💖💖💖💖💖💯😭😭😭👍👍💞💞💞👏👏💯💯❄👍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    オルト

    TRAININGガリカジのタイカケ。昨日のタイガ編みたいな感じです。月に一回くらい、カケルがやけに俺を甘やかしてくれる期間がある。そんな時のカケルはすごく可愛くて、なんていうか、エロい。いつも以上にいい匂いがするし。これは、ホントにカケルの匂いが濃くなるのか、俺の鼻が良くなるのかはわからない。けど、確かに月に一回カケルは凄く可愛くなる。
    「かけるぅ」
     そんなカケルを見ていると、なんだかいつも以上に素直になれる。甘えたくなる。カケルが甘やかしたくなってくれてるのに漬け込んで、俺は欲望のままに甘えちまう。
    「タイガきゅん、おいで」
    「ん、カケル、好き……」
    「んっ……」
     俺が素直に気持ちを伝えると、カケルは凄く嬉しそうにする。目をウルウルさせて、頬を真っ赤にして。すごく、可愛い。そして、エロい。こんなの、勃っちまうだろ……。俺がカケルの身体に自分を擦り付けると、カケルのソコも反応した。嬉しい。カケルも同じ気持ちになってる。
    「カケル」
     カケルの顔をじっと見つめると、カケルはどんどんエロい表情になっていく。あぁ、早くひん剥いて俺の腕の中に閉じ込めたい。
    「ベッド行こう」
     カケルの方から、俺を求めてくれてる。カケル、カケル、俺のカケル。他の奴にも、こん 815

    オルト

    TRAINING付き合ってるタイカケ。初夜まで道のり通そう。タイガきゅんとお付き合いを始めて早三か月。そろそろ、キス以上のことがあってもいいんじゃないかと思っているんだけど、全然そんな気配はない。俺が一生懸命それらしい雰囲気を作っても、タイガきゅんには全然効いていない。ベッドに座って寄りかかったら、「眠いのか?」なんて聞かれるし、じっと上目遣いで見つめたら「何ガン飛ばしてんだよ。怖くねーけど」とか言われるし、二人きりの部屋で服を脱ごうをしても「暑いのか?」だって! 意気地がないのか、純情すぎるのか……。そりゃ、俺だってキスだけでもすっごくドキドキしちゃうけど……!
     いったいどうしたらタイガきゅんはその気になってくれるだろう? いっそ、正直に先に進みたいと言うべきか? いや、そもそもタイガきゅんはこの先を知ってるの? 俺だって最近調べて知ったのに?
    「うーん……どうしたもんかにゃ~」
     ネットの海で自分と同じ状況の人を探しても、ぴたりと一致する人はいない。それでも、恋人に仕掛ける方法はいくつか見つけられた。
    「何事もものは試しだよね」
     俺は「準備」をすべく、引き出しに仕舞っていたいたローションとゴムを手にトイレへと向かった。

    「ねぇね、タイ 1207