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    どうしようもないものを投下

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    668文字
    ガリカジのタイカケ
    事後

    「あっつー……」
     カケルが身体を起こしてベッドサイドに置いていた杖に手を伸ばした。すいっと一振りすれば、魔法で部屋がひんやりとした。
    「ふぅ」
     一息ついているカケルの身体には、ところどころに俺が虎になってしまったために毛があちこちについていた。ふぅ、と息を吹きかけて飛ばそうとしたけど、汗のせいで張り付いて剥がれない。舐めとろうと思って、カケルの背中をベロベロ舐めた。カケルは「くすぐったいよ~」と笑った。数回舐めたら毛は殆ど取れた。取り残しがないかよく見ると、あちこちに引っ搔いたような傷がある。俺の爪と牙のせいだ……。冷静になった途端、興奮が収まって俺は人間の姿に戻った。
    「カケルぅ……」
     これ以上傷つけないように、俺はそっとカケルに腕を回した。ぎゅうって抱きしめたいけど、また傷つけるのが怖くて力を入れられない。
    「どーしたの、タイガきゅん」
     カケルは優しく俺の頭を撫でてくれる。いつも俺に優しくて、甘やかしてくれるカケル。大好き。だけど、俺は……。
    「ごめん、また、傷つけた」
    「あー、いいよ、このくらい平気平気! 治癒魔法で治るレベルだし! それに、」
    「……?」
    「なんかさ、タイガきゅんとシたな~って感じるから、なんかイイかも」
     照れた様子で笑うカケル。そんなこと言われたら、俺、俺……っ!
    「あらら! タイガきゅ~ん、またお耳出ちゃってるよん?」
     カケルは楽しそうに笑って、俺の耳を優しく揉む。だめだ、だめだカケル。そんなことされたら……。
    「フーッ、フーッ」
    「……もう一回、する?」
    「……する」
     やっぱりカケルは、優しい。大好き。今度は俺も、優しくする。
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    TRAINING成人タイカケ。
    おじさん組と無自覚両片想い。
    「それでさぁ~、タイガきゅんがさぁ」
     顔を真っ赤にしたカケルが、日本酒をちびちび飲みながら声を上げる。
    「うんうん、それで?」
    「こんどね、おれっちの出張の前に、どこか遊びに行こ~って、いってくれたのぉ!」
     締まりのない顔で言うカケルに、ミナトが「良かったなぁ」と声を掛けると、カケルは「いいでしょ~」と言って笑った。その隙に、ユキノジョウはカケルの手元から徳利を遠ざけ、自分の手元のものと入れ替えた。
    「だからねぇ、おれっちもう楽しみで楽しみで……」
     カケルはそのまま徳利からおちょこに中身を注ぎ、またちびちび飲み始めた。カケルは気付いていない。徳利が入れ替わったことも、その中身が水であることも。今日はいつもに比べて格段に飲むペースが速く、先程からユキノジョウもミナトもカケルの様子に気を配っている。だいぶ酔っているようで、タイガに遊びに行こうと誘われた話を何度もしている。話を聞かされている二人は、その度に初めて聞いたように反応していた。
    「これ、デートって思ってももいいのかにゃぁ?」
    「あぁ、デートだろう」
    「そうそう、香賀美は照れ屋だから、そう言わないだろうけどね」
    「えへへえぇ。 1563

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    TRAININGタとシンちゅわとモブしか出てこないけど、タイカケです。華京祭が終わってすぐのこと。クラスはミス華京院の話題で持ち切りだった。みんな誰が可愛かったとか、来年は自分も出てみようか、なんて話している。
    「なぁ、お前も意外と可愛かったぞ!」
    「…………」
     クラスメイトに声を掛けられたタイガくんは、両耳を塞いで机に突っ伏している。僕もクラスメイトに褒めてもらえたり色々聞かれてちょっと照れ臭かったけど……。
    「いや~優勝した西園寺、可愛かったな。俺、ファンクラブはいろうかなぁ?」
    「俺は太刀花先輩だなぁ~。美人のお姉さま、って感じですげぇイイ」
     みんなそれぞれに感想を述べている。みんなで頑張ったから、こうして褒めてもらえるのは嬉しいな……。
    「俺はやっぱり十王院先輩だなぁ~。あの衣装も髪形もクオリティ高かったし!」
     カケルさんの名前が出たその時、タイガくんの肩が揺れた。タイガくんはゆっくり身体を起こしてカケルさんを褒めたクラスメイトを睨んだ。睨まれた本人はそのことに気付いていないみたいだけど。
    「あれってアニメかなんかのコスプレだろ? おめぇそういう趣味なの?」
    「いいだろ、別に。ていうかソレ関係なくイイと思ったんだよ。校内でたまに見るけど、め 1002