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    オルト

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    760文字
    22世紀蕎麦屋タイカケ

    「んっ、んっ……!」
    「わ、タイガくん、何してるの?」
     いつものようにお蕎麦屋さんでお蕎麦を食べていたら、女将さんに「タイガが寄っていけと言ってるから」と自宅スペースに招き入れられた。タイガくんといつも遊んでいる居間に向かうと、そこではタイガくんが腕立て伏せをしていた。
    「カケル……!」
     しんどそうな表情をしていたタイガくんは、僕に気付くとパッを笑顔になった。腕立て伏せをする手を止め、身体を起こすと僕に駆け寄ってきた。
    「わ!」
    「カケル、俺、筋肉ついたかな?!」
     顔の目の前にずいっと腕を出された。タイガくんの腕は、まだまだ子供の腕だ。筋肉がついているどころか、なんだか柔らかくて、美味しそう……。
    「どうして急に?」
     返事を誤魔化すように、タイガくんに聞き返す。
    「昨日テレビで見たんだ! コイビトの事カッコ良く守るヒーロー!」
    「ふんふん」
     なるほど。ヒーローに憧れてるんだ。可愛いなぁ。まぁ、僕もタイガくんみたいにヒーローに憧れていた頃があるから、よくわかるなぁ。
    「だから俺、鍛えてカケルの事守れるくらい強くなるんだ!」
    「へ?」
     僕を、守る?
    「なんで、僕を?」
    「だって、将来カケルは俺の恋人になるだろ? だから、俺が守ってやんねぇと!」
     イキイキした表情で答えるタイガくん。当たり前のように、僕が将来タイガくんの恋人になることになってるんだけど……どういうこと?
    「あの、タイガくん、恋人って……」
    「カケル! 今度はフッキンするから、足抑えてくれ!」
     タイガくんは言うやいなや、ごろん床に転がって膝を立てた。
    「ほら、早く!」
    「え、あ、うん!」
     タイガくんに言われるがまま、僕はしゃがんでタイガくんの足を抑えた。こんなことも割れるがままだから、きっと「俺の恋人になれ!」なんて言われたら、今みたいにあっさり「うん!」って答えてしまいそうな自分が怖い。
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    オルト

    TRAINING付き合ってるタイカケ。初夜まで道のり通そう。タイガきゅんとお付き合いを始めて早三か月。そろそろ、キス以上のことがあってもいいんじゃないかと思っているんだけど、全然そんな気配はない。俺が一生懸命それらしい雰囲気を作っても、タイガきゅんには全然効いていない。ベッドに座って寄りかかったら、「眠いのか?」なんて聞かれるし、じっと上目遣いで見つめたら「何ガン飛ばしてんだよ。怖くねーけど」とか言われるし、二人きりの部屋で服を脱ごうをしても「暑いのか?」だって! 意気地がないのか、純情すぎるのか……。そりゃ、俺だってキスだけでもすっごくドキドキしちゃうけど……!
     いったいどうしたらタイガきゅんはその気になってくれるだろう? いっそ、正直に先に進みたいと言うべきか? いや、そもそもタイガきゅんはこの先を知ってるの? 俺だって最近調べて知ったのに?
    「うーん……どうしたもんかにゃ~」
     ネットの海で自分と同じ状況の人を探しても、ぴたりと一致する人はいない。それでも、恋人に仕掛ける方法はいくつか見つけられた。
    「何事もものは試しだよね」
     俺は「準備」をすべく、引き出しに仕舞っていたいたローションとゴムを手にトイレへと向かった。

    「ねぇね、タイ 1207